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悪夢曇天色 第五話『薔薇色の悪魔』
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「全員……?!」
野々原は絶句した。
全員ということは当然、その中にはマイとフミも含まれているのだろう。
野々原は二人の安否を確認しようと、慌てて携帯を取り出した。
しかしどういうわけか、マイとフミの連絡先が消えていた。電話番号もメールアドレスもSNSも、一切消えている。
なんとか電話番号を思い出し、かけてみた。
「もしもし、舞川さんですか?」
「違いますよ。番号、間違えているんじゃないですか?」
が、どちらも二人とは関係のない人の携帯に繋がった。ここ数年は使っている番号らしく、マイとフミとも面識はなかった。
「……そうですか。すみません、お手数をおかけして」
野々原は狐につままれたような気分で、電話を切った。
実は全員グルで、野々原を騙そうとしているのかもしれないと思いたかった。マイとフミと美崎が一斉に現れて、馬鹿な自分を笑って欲しかった。
しかしいくら待っても、三人は一向に現れない。
再度、裏口から外を覗くと、美崎が真っ白な目を見開いたまま倒れていた。全く微動だにせず、先程見た時と位置が変わっていない。
こっそり近づき、脈を測ってみる。手首も首も、脈はなかった。
「本当に、死んでる」
野々原は全身から血の気が引いていくのを感じた。
赤いドレスの女は、嘘をついていない。
野々原は絶句した。
全員ということは当然、その中にはマイとフミも含まれているのだろう。
野々原は二人の安否を確認しようと、慌てて携帯を取り出した。
しかしどういうわけか、マイとフミの連絡先が消えていた。電話番号もメールアドレスもSNSも、一切消えている。
なんとか電話番号を思い出し、かけてみた。
「もしもし、舞川さんですか?」
「違いますよ。番号、間違えているんじゃないですか?」
が、どちらも二人とは関係のない人の携帯に繋がった。ここ数年は使っている番号らしく、マイとフミとも面識はなかった。
「……そうですか。すみません、お手数をおかけして」
野々原は狐につままれたような気分で、電話を切った。
実は全員グルで、野々原を騙そうとしているのかもしれないと思いたかった。マイとフミと美崎が一斉に現れて、馬鹿な自分を笑って欲しかった。
しかしいくら待っても、三人は一向に現れない。
再度、裏口から外を覗くと、美崎が真っ白な目を見開いたまま倒れていた。全く微動だにせず、先程見た時と位置が変わっていない。
こっそり近づき、脈を測ってみる。手首も首も、脈はなかった。
「本当に、死んでる」
野々原は全身から血の気が引いていくのを感じた。
赤いドレスの女は、嘘をついていない。
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