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第1.5話「インチキ霊能力者をぶっ倒せ!」
肆:辻占い師のおばさんと雑貨屋「ヒッピーTAROW」
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駅前にはそこかしこに辻占い師がいた。いかにも占い師っぽい怪しげな格好をした人もいれば、スーツに身を包み、駅前を歩いている会社員と変わらないような装いをしている人もいる。
「神様が写っている写真」と称し、白い影が写り込んでいる海の写真を陽斗に売りつけた占い師のおばさんは、駅の出入り口から少し離れた植木の陰に店を構えていた。紫の布で覆った机の上に大きな水晶玉を置き、神妙な面持ちで椅子に座っている。まとっているローブは、机を覆っている布と同じ布だった。
「こんにちは、おばさん。僕のこと覚えてますか?」
おばさんは水晶玉に両手をかざしながら答えた。
「えぇ、覚えていますよ。4月1日午後4時1分に私の元を訪れた坊やでしょう。名前は確か、贄原陽斗」
「おぉ! 僕が来た時間まで覚えてるなんて! 蒼劔君、この人はきっと本物の霊能力者なんだよ!」
しかし蒼劔は冷静に「よく見ろ」とおばさんが手をかざしている水晶玉を指さした。陽斗が目を凝らすと、水晶玉の下に小さな紙きれが敷かれているのが透けて見えた。書かれている字は小さ過ぎて読めなかったが、何かが書かれているのは明らかだった。
「あの紙にはお前が来た日にちと名前、顔や体の特徴が書いてある。恐らく、店に来た人間の個人情報をあらかじめメモしていたんだ」
「なるほどー」
おばさんはトリックが暴かれたことに気づかず、黙って座っている。
ふと、おばさんは陽斗が話している蒼劔の方を向いて、目を細めた。
「貴方……よくないものに取り憑かれていますね?」
「えっ?」
陽斗はおばさんが蒼劔の方を見ていることに気づき、驚いた。
「おばさん、見えるんですか?!」
「えぇ。はっきりと」
その時、またも陽斗の口が勝手に動いた。
「どんな霊が見えるんですか?」
おばさんは陽斗が言った質問だと信じ、視線を動かさないまま答えた。
「白い服を着た、髪の長い……女の人が見えます」
「おぉ! 女の人じゃないけど、当たってる! やっぱりこの人本物なんだよ、蒼劔君!」
陽斗は自分の口が勝手に動いたことよりも、おばさんが本物の霊能力者だと知った驚きの方が勝り、隣にいるはずの蒼劔の方へ興奮気味に顔を向けた。しかし、そこに蒼劔の姿はなかった。
「……あれ?」
だが、おばさんは尚も陽斗の隣をじっと見つめている。そこには誰もいないというのに……。
「まさか……僕も見えない何かが、僕の隣にいるんじゃ……!」
「いや、何もいないぞ」
次の瞬間、蒼劔がおばさんの頭を後ろからハリセンで叩いた。おばさんは背後にいた蒼劔には全く気づかず、無表情で椅子から転がり落ちる。
「陽斗から巻き上げた金を返せ。そして、二度と似非占いをするな。やるならしっかり占いの勉強をしてからにしろ」
「ふぁい」
おばさんは素直に頷くと立ち上がり、机の下からブランド品のバッグを取り出した。中からバッグと同じブランドの財布を取り出すと、財布から150万円分の札束を手に取り、陽斗に返した。陽斗も、以前おばさんから売りつけられた海の写真をリュックから取り出し、おばさんに返す。
おばさんは顔を綻ばせ、懐かしそうに写真を眺めた。
「この写真……頑張ってパソコンで加工して作ったのよ。毎日パソコン教室に通って、勉強したわ」
「努力する方向が間違ってるな」
「うん。まともに働いた方がいいと思う」
蒼劔の声が聞こえないおばさんは陽斗のアドバイスだけを聞き、「そうするわ」と頷いた。
「占い師ならすぐに大金を稼げると思ったけど、そう上手くはいかないわね。こんなことなら、最初からパートで働いていれば良かったわ」
おばさんは写真と水晶玉をバッグに入れ、机と椅子を折り畳むと、それらの荷物を小脇に抱えて去っていった。
「次は何処に行くの?」
「ここから1番近いのは、裏路地にある雑貨屋だな。そこの大通りから横道に入った先にあるらしい」
「よっしゃ、どんどん行こう!」
2人は次なる目的地に向かって歩いていった。
・
その雑貨屋は、薄暗い裏路地の突き当たりにあった。人気がなく、野良猫が餌を求めてうろついている。
店の入り口には海外の民芸品が大量に飾られていて、いかにも怪しい雰囲気だった。ネオンの看板には大きく「ヒッピーTAROW」と掲げられている。
「へぇー、本店はこんな感じなんだ。なんか個性的だね」
「この店の出張販売店から買ったのは、遺伝子の二重螺旋構造のアクセサリーとバッファローのハムか。アクセサリーは現物があるが、ハムはお前が食べてしまったから証明しようがないな。同じ物がまだ店にあればいいが……」
2人は早速「ヒッピーTAROW」に入った。ドアに取り付けられていたカウベルが「カランカラン」と音を鳴らす。元々は海外の雑貨と加工肉を取り扱っている店らしく、店内はブースごとに仕切られていた。肉のブースには大きなショーケースが置かれ、様々な動物の肉が売られている。
カウベルの音で来客に気づいたのか、店の奥にあるレジからヒッピーの格好をした痩身の男が現れた。駅前にいた占い師のおばさんとは別の怪しさを持っている。店には男以外に誰もいなかった。
「あのぅ……貴方がヒッピーTAROWさんですか?」
陽斗が恐る恐る尋ねると、男は「ノーノー!」と指を揺らし、否定した。
「俺っちの名前はアーティストHIPPO! ここのオーナゥで、店長やってマゥス! ちなみに、TAROWはこの店の名前であって、俺っちの名前じゃないんで。そこんとこヨロピクー」
「は、はぁ……」
不意に、店長は陽斗の横に立っていた蒼劔に目を止めた。占い師のおばさんとは違い、明らかに蒼劔を直視している。
店長は驚いた様子で蒼劔の額に生えているツノを凝視し、「ヒューゥ!」と蒼劔に向かって、両手で指を差した。
「何そのツノ、超イカしてんじゃーん! 髪も鬼ホワイトだし、バリクソカッケー!」
店長の妙なノリを目の前にして、陽斗はどう接したらいいのか分からなくなってきた。蒼劔の姿が見えているということは、本物の霊能力者ということなのだろうか?
「蒼劔君。この人、見えてるみたいだけど」
隣に立っている蒼劔は店長に指を差され、不快そうだった。
「そのようだな。だが、見える人間の誰もが魔具を作れる訳ではない。お前も妖怪は見えるが、魔具は作れないだろう?」
「うん。無理」
「おそらく、こいつもお前と同じ類の人間だ。見えるならちょうどいい。一々、お前に憑依する手間が省けた」
「ひょうい?」
蒼劔は店長に歩み寄り、陽斗から預かっていた請求書を彼の目の前に突き出した。
「これはこの店で買った商品の請求書だ。これらの商品を返品したい」
店長は書類に顔を近づけ、文字に目を走らせる。案の定、バッファローのハムの請求欄を指差した。
「効果が実感出来なかったなら、DNA増強アクセは返品可っすけどぉ、ハムは食品なんで、不備がない限りは返品出来ませんネー。てかこれ絶対、賞味期限過ぎてるっしょ? 返品なんて、絶対無理っす。ユーの方で処理してくれちょ」
「現物はない。こいつが食った」
蒼劔が親指で陽斗を指差す。店長は呆れた様子で肩をすくめた。
「じゃあ返品出来ねーじゃん。もう食ってんだから」
「正確には、返品をしに来たのではない。食品偽装による慰謝料を徴収しに来た」
そう言うと蒼劔はショーケースの中にある「バッファローのハム」を指差した。途端に、店長の顔が青ざめる。
「これを然るべき機関で調査すれば、この時に買ったハムも本物のバッファローのハムだったかどうか分かるんじゃないのか?」
「や、でもユーが買ったバッファローとそこに置かれてるバッファローの肉は違うし……仮にそこに置かれてるバッファローがバッファローじゃなかったとしても、ユーが買ったバッファローもそうだとは言えないとゆーか……」
狼狽る店長を、蒼劔が冷たく睨む。
「このことを今すぐ警察に言ってもいいんだぞ? そうなれば、どうなるか……分かるだろう?」
彼の言動は、最初に返品しに行ったサングラスのお兄さんのそれとよく似ていた。
「……蒼劔君、それ完全に脅しだよね?」
「騙す方が悪い」
結局、店長は返品と慰謝料の請求を受け入れ、アクセサリーとバッファローのハムの代金を返却した。
「さっさと出ていきやがれファッキュー!」
用が済むと店長は陽斗と蒼劔を店から追い出し、ドアの鍵を閉めた。
「後で訴えられたら、どうしよう……」
「あいつが先に訴えられると思うぞ」
後日、彼の店で売っていた海外産の肉が全て、近所のスーパーの特価で売っていた豚肉だったと発覚し、店長は逮捕された。
「神様が写っている写真」と称し、白い影が写り込んでいる海の写真を陽斗に売りつけた占い師のおばさんは、駅の出入り口から少し離れた植木の陰に店を構えていた。紫の布で覆った机の上に大きな水晶玉を置き、神妙な面持ちで椅子に座っている。まとっているローブは、机を覆っている布と同じ布だった。
「こんにちは、おばさん。僕のこと覚えてますか?」
おばさんは水晶玉に両手をかざしながら答えた。
「えぇ、覚えていますよ。4月1日午後4時1分に私の元を訪れた坊やでしょう。名前は確か、贄原陽斗」
「おぉ! 僕が来た時間まで覚えてるなんて! 蒼劔君、この人はきっと本物の霊能力者なんだよ!」
しかし蒼劔は冷静に「よく見ろ」とおばさんが手をかざしている水晶玉を指さした。陽斗が目を凝らすと、水晶玉の下に小さな紙きれが敷かれているのが透けて見えた。書かれている字は小さ過ぎて読めなかったが、何かが書かれているのは明らかだった。
「あの紙にはお前が来た日にちと名前、顔や体の特徴が書いてある。恐らく、店に来た人間の個人情報をあらかじめメモしていたんだ」
「なるほどー」
おばさんはトリックが暴かれたことに気づかず、黙って座っている。
ふと、おばさんは陽斗が話している蒼劔の方を向いて、目を細めた。
「貴方……よくないものに取り憑かれていますね?」
「えっ?」
陽斗はおばさんが蒼劔の方を見ていることに気づき、驚いた。
「おばさん、見えるんですか?!」
「えぇ。はっきりと」
その時、またも陽斗の口が勝手に動いた。
「どんな霊が見えるんですか?」
おばさんは陽斗が言った質問だと信じ、視線を動かさないまま答えた。
「白い服を着た、髪の長い……女の人が見えます」
「おぉ! 女の人じゃないけど、当たってる! やっぱりこの人本物なんだよ、蒼劔君!」
陽斗は自分の口が勝手に動いたことよりも、おばさんが本物の霊能力者だと知った驚きの方が勝り、隣にいるはずの蒼劔の方へ興奮気味に顔を向けた。しかし、そこに蒼劔の姿はなかった。
「……あれ?」
だが、おばさんは尚も陽斗の隣をじっと見つめている。そこには誰もいないというのに……。
「まさか……僕も見えない何かが、僕の隣にいるんじゃ……!」
「いや、何もいないぞ」
次の瞬間、蒼劔がおばさんの頭を後ろからハリセンで叩いた。おばさんは背後にいた蒼劔には全く気づかず、無表情で椅子から転がり落ちる。
「陽斗から巻き上げた金を返せ。そして、二度と似非占いをするな。やるならしっかり占いの勉強をしてからにしろ」
「ふぁい」
おばさんは素直に頷くと立ち上がり、机の下からブランド品のバッグを取り出した。中からバッグと同じブランドの財布を取り出すと、財布から150万円分の札束を手に取り、陽斗に返した。陽斗も、以前おばさんから売りつけられた海の写真をリュックから取り出し、おばさんに返す。
おばさんは顔を綻ばせ、懐かしそうに写真を眺めた。
「この写真……頑張ってパソコンで加工して作ったのよ。毎日パソコン教室に通って、勉強したわ」
「努力する方向が間違ってるな」
「うん。まともに働いた方がいいと思う」
蒼劔の声が聞こえないおばさんは陽斗のアドバイスだけを聞き、「そうするわ」と頷いた。
「占い師ならすぐに大金を稼げると思ったけど、そう上手くはいかないわね。こんなことなら、最初からパートで働いていれば良かったわ」
おばさんは写真と水晶玉をバッグに入れ、机と椅子を折り畳むと、それらの荷物を小脇に抱えて去っていった。
「次は何処に行くの?」
「ここから1番近いのは、裏路地にある雑貨屋だな。そこの大通りから横道に入った先にあるらしい」
「よっしゃ、どんどん行こう!」
2人は次なる目的地に向かって歩いていった。
・
その雑貨屋は、薄暗い裏路地の突き当たりにあった。人気がなく、野良猫が餌を求めてうろついている。
店の入り口には海外の民芸品が大量に飾られていて、いかにも怪しい雰囲気だった。ネオンの看板には大きく「ヒッピーTAROW」と掲げられている。
「へぇー、本店はこんな感じなんだ。なんか個性的だね」
「この店の出張販売店から買ったのは、遺伝子の二重螺旋構造のアクセサリーとバッファローのハムか。アクセサリーは現物があるが、ハムはお前が食べてしまったから証明しようがないな。同じ物がまだ店にあればいいが……」
2人は早速「ヒッピーTAROW」に入った。ドアに取り付けられていたカウベルが「カランカラン」と音を鳴らす。元々は海外の雑貨と加工肉を取り扱っている店らしく、店内はブースごとに仕切られていた。肉のブースには大きなショーケースが置かれ、様々な動物の肉が売られている。
カウベルの音で来客に気づいたのか、店の奥にあるレジからヒッピーの格好をした痩身の男が現れた。駅前にいた占い師のおばさんとは別の怪しさを持っている。店には男以外に誰もいなかった。
「あのぅ……貴方がヒッピーTAROWさんですか?」
陽斗が恐る恐る尋ねると、男は「ノーノー!」と指を揺らし、否定した。
「俺っちの名前はアーティストHIPPO! ここのオーナゥで、店長やってマゥス! ちなみに、TAROWはこの店の名前であって、俺っちの名前じゃないんで。そこんとこヨロピクー」
「は、はぁ……」
不意に、店長は陽斗の横に立っていた蒼劔に目を止めた。占い師のおばさんとは違い、明らかに蒼劔を直視している。
店長は驚いた様子で蒼劔の額に生えているツノを凝視し、「ヒューゥ!」と蒼劔に向かって、両手で指を差した。
「何そのツノ、超イカしてんじゃーん! 髪も鬼ホワイトだし、バリクソカッケー!」
店長の妙なノリを目の前にして、陽斗はどう接したらいいのか分からなくなってきた。蒼劔の姿が見えているということは、本物の霊能力者ということなのだろうか?
「蒼劔君。この人、見えてるみたいだけど」
隣に立っている蒼劔は店長に指を差され、不快そうだった。
「そのようだな。だが、見える人間の誰もが魔具を作れる訳ではない。お前も妖怪は見えるが、魔具は作れないだろう?」
「うん。無理」
「おそらく、こいつもお前と同じ類の人間だ。見えるならちょうどいい。一々、お前に憑依する手間が省けた」
「ひょうい?」
蒼劔は店長に歩み寄り、陽斗から預かっていた請求書を彼の目の前に突き出した。
「これはこの店で買った商品の請求書だ。これらの商品を返品したい」
店長は書類に顔を近づけ、文字に目を走らせる。案の定、バッファローのハムの請求欄を指差した。
「効果が実感出来なかったなら、DNA増強アクセは返品可っすけどぉ、ハムは食品なんで、不備がない限りは返品出来ませんネー。てかこれ絶対、賞味期限過ぎてるっしょ? 返品なんて、絶対無理っす。ユーの方で処理してくれちょ」
「現物はない。こいつが食った」
蒼劔が親指で陽斗を指差す。店長は呆れた様子で肩をすくめた。
「じゃあ返品出来ねーじゃん。もう食ってんだから」
「正確には、返品をしに来たのではない。食品偽装による慰謝料を徴収しに来た」
そう言うと蒼劔はショーケースの中にある「バッファローのハム」を指差した。途端に、店長の顔が青ざめる。
「これを然るべき機関で調査すれば、この時に買ったハムも本物のバッファローのハムだったかどうか分かるんじゃないのか?」
「や、でもユーが買ったバッファローとそこに置かれてるバッファローの肉は違うし……仮にそこに置かれてるバッファローがバッファローじゃなかったとしても、ユーが買ったバッファローもそうだとは言えないとゆーか……」
狼狽る店長を、蒼劔が冷たく睨む。
「このことを今すぐ警察に言ってもいいんだぞ? そうなれば、どうなるか……分かるだろう?」
彼の言動は、最初に返品しに行ったサングラスのお兄さんのそれとよく似ていた。
「……蒼劔君、それ完全に脅しだよね?」
「騙す方が悪い」
結局、店長は返品と慰謝料の請求を受け入れ、アクセサリーとバッファローのハムの代金を返却した。
「さっさと出ていきやがれファッキュー!」
用が済むと店長は陽斗と蒼劔を店から追い出し、ドアの鍵を閉めた。
「後で訴えられたら、どうしよう……」
「あいつが先に訴えられると思うぞ」
後日、彼の店で売っていた海外産の肉が全て、近所のスーパーの特価で売っていた豚肉だったと発覚し、店長は逮捕された。
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