108 / 239
第五章 正義の意味
108. 混乱
しおりを挟む
第037日―7
結局、ロデラ達は和平に関心は無かった。
僕の力でこの攻撃を妨害されたくなかった彼等が、話し合いを口実に自分を軍営から引き離した、というのが真相だろう。
愚かな自分はまんまと罠にはまり、皆を危険に陥れたばかりか、本来は身を隠していなければいけないはずのメイまで、こうして戦闘に参加させてしまっている。
歯噛みしながらも、僕は霊力を軍営全体に一気に広げ、状況を把握しようとした。
上空を複数のドラゴンが舞い、軍営は奇襲をかけてきた少数のハイエルフ達と、ヤーウェン共和国軍と思われる兵士達による攻撃を受け、壊滅状態になっていた。
守護の結界を張りつつ、戦場からの離脱を図る皇帝ガイウス達も“視えた”。
状況を把握した僕はそのまま霊力を強め、ハイエルフ達とヤーウェン共和国軍兵士――総計千数百人――を次々に霊力で締め上げ、昏倒させていった。
そして襲撃者達の全員を無力化出来たのを確認してから、傍らに浮かぶ光球に右手を伸ばした。
たちまち光球が消え去り、僕の手の中に、揺らめく紫のオーラに包まれた、半透明の両刃剣が現れた。
僕はそれを振りかざし、そこに宿る殲滅の力を一挙に上空のドラゴン達へ向けて解き放った。
ドラゴン達は不可視のその斬撃を避ける事が出来ず、次々と断末魔の悲鳴を上げつつ、地上へと墜落していった。
ハーミル達と交戦していたシャマシュは、直ちに異変に気が付いた。
「守護者が戻って来た!」
どうやら、一時的に手を組んだロデラ達の引き留め工作が、失敗したらしい。
そう判断したシャマシュは、ハイエルフ達と共和国軍兵士達が次々と無力化される中、身を翻して逃走を図った。
「逃げるの!?」
「生憎、守護者とやり合う準備はしていないからな」
追いすがるハーミルとジュノを巧みに振り切ったシャマシュは、ドラゴン達が全滅する前に、配下の転移魔法によって、戦場を離脱した。
シャマシュ達が逃れ去ってすぐ、ハーミルとジュノが僕の所に駆け寄って来た。
ハーミルはその勢いのまま、僕に飛びついてきた。
「カケル! どこに行っていたの!?」
彼女の顔には嬉しさ半分、怒り半分と言った感じの複雑な表情が浮かんで見えた。
「ごめんハーミル。実は……」
僕はハーミルにも、ノルン様に話したのとほぼ同じ内容を語った。
ジュノも傍で黙って聞いている。
話が進むにつれ、ハーミルの顔が傍目にも分かる位、見る見る内に不機嫌になっていく。
「いっつもそうだけど……どうして勝手に一人でそんな所へ行っちゃうの?」
「いや、もし危ない話だったら、ハーミルとか巻き込む訳に行かないと思って」
「だ・か・ら、危ない話かもしれないからこそ、私にも声を掛けてくれたら良かったじゃない!」
そこでハーミルは言葉を区切った。
僕の目をじっと見つめてくるハーミルの瞳は、心なしか潤んでいた。
「私、こう見えてもそこそこ強いよ? もう少し私の事も頼ってよ……でないと私……」
慌てて言葉を返そうとするより早く、ノルン様が口を開いた。
「ハーミルの申す通りだ。ハーミルはいつも、そなたの事を一番に想っておる。いかにそなたが不死身の加護を受けていようとも、やはりそなたが何も告げずにいなくなれば、その心は千々に乱れよう」
僕は改めてハーミルに頭を下げた。
「ごめんね。今度からは、何かあれば、必ずハーミルに相談するよ」
「ほんと?」
「約束する」
「今日みたいに、寝ている時とかだったら?」
「ハーミルをちゃんと起こしに行くよ」
ハーミルが思案顔になった。
「……そんな、わざわざ起こしに来てもらうの悪いし……ここはそういう時に備えて、やっぱり毎晩一緒に……って、痛い!?」
言葉の途中で急に悲鳴を上げたハーミルが、メイを思いっきり睨んだ。
どうやらメイがハーミルの足を踏むか何かをしたらしい。
しかし肝心のメイの方は何食わぬ顔をしている。
ジュノが声を掛けてきた。
「いちゃつくのはその辺にしといて、そろそろ陛下のもとに合流しないか?」
別にいちゃついていたわけじゃないんだけど……
そんな事を考えていると、数百メートル先で、曳光弾のような光が天空に向かって垂直に放たれたのが見えた。
その光は消滅する事無く、空中の一点に留まり、輝き続けている。
それを目にしたノルン様が声を上げた。
「“帝光”だ。私達も急いで向かおう」
「帝光? ですか?」
聞き慣れない言葉に戸惑っていると、ノルン様が説明してくれた。
「緊急時の連絡方法の一つだ。あの光の真下には父上がおられる。周辺の兵士達に招集を呼びかける、魔力の光だ」
そう告げると、ノルン様が駆け出した。
ハーミルとジュノも駆け出し、僕もすぐに後を追おうとした瞬間、誰かに後ろから服の裾を引っ張られた。
振り向くと、それはメイだった。
「ハーミルの家に戻るね」
メイは本来、ここにはいないはずの人間だ。
彼女と一緒に、皇帝ガイウスの下に向かうわけにはいかない。
「分かった。助けに来てくれてありがとう。実は、メイが大魔法を使っているのが“視えた”から、ここが攻撃されているって分かったんだ」
メイが大きく目を見開いた。
「視えた?」
「うん。メイと僕との間で、メイの宝珠を通して、何らかの形で繋がりが出来ているのかもね」
まあ、これは僕の推測に過ぎないけれど、彼女が祭壇で儀式の生け贄にされそうになっていた時も、マルドゥクの城で、突然自分に霊力が供給された時も、彼女は宝珠を顕現していた。
メイが顕現する宝珠と、僕のこの“力”との間に、何らかの関連性があるのは確かだろう。
「カケルと何らかの形で繋がっているなら、それはとても素敵な事よ。私達って、やっぱり相性良いのかも」
嬉しそうにそう口にするメイに、少しほっこりしかけた所で、背後から声を掛けられた。
「はいはい! 続きはまた今度ね。今は急いで陛下の所に行かないと」
振り返るとハーミルが立っていた。
先に駆け出して行ったはずだけど、どうやら付いてこない僕を心配して戻ってきてくれたらしい。
改めてメイに別れを告げた僕は、ハーミルと共に皇帝ガイウスの下に向かった。
数分後、僕達は輝く帝光の直下にいる皇帝ガイウス達の所へ辿り着いた。
皇帝ガイウスは椅子に腰掛けていたけれど、僕の姿に気付くと立ち上がった。
「カケルよ! どこへ行っておった?」
僕は臣礼を取り、無断で軍営を離れた事を謝罪した。
そして改めて、ロデラ達に誘い出されていた事、
軍営が攻撃されている事に“霊力で気付いた”ので慌てて戻って来た事、
ドラゴン達を斃し、攻撃してきた人々を全員、霊力で昏倒させた事等を順番に説明した。
ノルン様やハーミル、ジュノ達も僕の話を捕捉――メイの下りは除いて、だけど――してくれた。
話を聞き終えた皇帝ガイウスの顔が、大きく歪んだ。
「謀反人共め……! やはりもっと徹底的に根絶やしにしておくべきであったかっ!」
皇帝ガイウスがここまで声を荒げるのを見たのは、僕にとっては初めての経験だ。
それだけ彼の胸中を、怒りの感情が渦巻いているという事だろう。
「ヤーウェン共和国の件が片付いたら、帝国内の亜人共を、もう一度厳しく調べ直さないとならぬ。やつらの中に、きっとロデラ達を援助している者共が紛れ込んでおるに違いない!」
皇帝ガイウスの激情を嗜めるように、ノルン様が口を開いた。
「父上、お言葉ですが、大多数の亜人達は、陛下の威令に服しております。ロデラのような者達は、少数派なればこそ、このような姑息な手段を取ってくるのです。亜人達に対しても、父上の威徳と恩愛をお示し頂ければ、ロデラ達は寄る辺を失い、自滅していく事で御座いましょう」
彼女の言葉を聞いた皇帝ガイウスは、そのまま不機嫌そうに押し黙ってしまった。
やがて散り散りになっていた兵士達が、帝光を見て、三々五々と皇帝ガイウスの下に集まって来た。
ノルン様と側近達は手分けして、負傷している兵士達には治療を、比較的元気な兵士達には、戦場で僕の力で昏倒させられている襲撃者達の確保を、それぞれ指示していった。
結局、ロデラ達は和平に関心は無かった。
僕の力でこの攻撃を妨害されたくなかった彼等が、話し合いを口実に自分を軍営から引き離した、というのが真相だろう。
愚かな自分はまんまと罠にはまり、皆を危険に陥れたばかりか、本来は身を隠していなければいけないはずのメイまで、こうして戦闘に参加させてしまっている。
歯噛みしながらも、僕は霊力を軍営全体に一気に広げ、状況を把握しようとした。
上空を複数のドラゴンが舞い、軍営は奇襲をかけてきた少数のハイエルフ達と、ヤーウェン共和国軍と思われる兵士達による攻撃を受け、壊滅状態になっていた。
守護の結界を張りつつ、戦場からの離脱を図る皇帝ガイウス達も“視えた”。
状況を把握した僕はそのまま霊力を強め、ハイエルフ達とヤーウェン共和国軍兵士――総計千数百人――を次々に霊力で締め上げ、昏倒させていった。
そして襲撃者達の全員を無力化出来たのを確認してから、傍らに浮かぶ光球に右手を伸ばした。
たちまち光球が消え去り、僕の手の中に、揺らめく紫のオーラに包まれた、半透明の両刃剣が現れた。
僕はそれを振りかざし、そこに宿る殲滅の力を一挙に上空のドラゴン達へ向けて解き放った。
ドラゴン達は不可視のその斬撃を避ける事が出来ず、次々と断末魔の悲鳴を上げつつ、地上へと墜落していった。
ハーミル達と交戦していたシャマシュは、直ちに異変に気が付いた。
「守護者が戻って来た!」
どうやら、一時的に手を組んだロデラ達の引き留め工作が、失敗したらしい。
そう判断したシャマシュは、ハイエルフ達と共和国軍兵士達が次々と無力化される中、身を翻して逃走を図った。
「逃げるの!?」
「生憎、守護者とやり合う準備はしていないからな」
追いすがるハーミルとジュノを巧みに振り切ったシャマシュは、ドラゴン達が全滅する前に、配下の転移魔法によって、戦場を離脱した。
シャマシュ達が逃れ去ってすぐ、ハーミルとジュノが僕の所に駆け寄って来た。
ハーミルはその勢いのまま、僕に飛びついてきた。
「カケル! どこに行っていたの!?」
彼女の顔には嬉しさ半分、怒り半分と言った感じの複雑な表情が浮かんで見えた。
「ごめんハーミル。実は……」
僕はハーミルにも、ノルン様に話したのとほぼ同じ内容を語った。
ジュノも傍で黙って聞いている。
話が進むにつれ、ハーミルの顔が傍目にも分かる位、見る見る内に不機嫌になっていく。
「いっつもそうだけど……どうして勝手に一人でそんな所へ行っちゃうの?」
「いや、もし危ない話だったら、ハーミルとか巻き込む訳に行かないと思って」
「だ・か・ら、危ない話かもしれないからこそ、私にも声を掛けてくれたら良かったじゃない!」
そこでハーミルは言葉を区切った。
僕の目をじっと見つめてくるハーミルの瞳は、心なしか潤んでいた。
「私、こう見えてもそこそこ強いよ? もう少し私の事も頼ってよ……でないと私……」
慌てて言葉を返そうとするより早く、ノルン様が口を開いた。
「ハーミルの申す通りだ。ハーミルはいつも、そなたの事を一番に想っておる。いかにそなたが不死身の加護を受けていようとも、やはりそなたが何も告げずにいなくなれば、その心は千々に乱れよう」
僕は改めてハーミルに頭を下げた。
「ごめんね。今度からは、何かあれば、必ずハーミルに相談するよ」
「ほんと?」
「約束する」
「今日みたいに、寝ている時とかだったら?」
「ハーミルをちゃんと起こしに行くよ」
ハーミルが思案顔になった。
「……そんな、わざわざ起こしに来てもらうの悪いし……ここはそういう時に備えて、やっぱり毎晩一緒に……って、痛い!?」
言葉の途中で急に悲鳴を上げたハーミルが、メイを思いっきり睨んだ。
どうやらメイがハーミルの足を踏むか何かをしたらしい。
しかし肝心のメイの方は何食わぬ顔をしている。
ジュノが声を掛けてきた。
「いちゃつくのはその辺にしといて、そろそろ陛下のもとに合流しないか?」
別にいちゃついていたわけじゃないんだけど……
そんな事を考えていると、数百メートル先で、曳光弾のような光が天空に向かって垂直に放たれたのが見えた。
その光は消滅する事無く、空中の一点に留まり、輝き続けている。
それを目にしたノルン様が声を上げた。
「“帝光”だ。私達も急いで向かおう」
「帝光? ですか?」
聞き慣れない言葉に戸惑っていると、ノルン様が説明してくれた。
「緊急時の連絡方法の一つだ。あの光の真下には父上がおられる。周辺の兵士達に招集を呼びかける、魔力の光だ」
そう告げると、ノルン様が駆け出した。
ハーミルとジュノも駆け出し、僕もすぐに後を追おうとした瞬間、誰かに後ろから服の裾を引っ張られた。
振り向くと、それはメイだった。
「ハーミルの家に戻るね」
メイは本来、ここにはいないはずの人間だ。
彼女と一緒に、皇帝ガイウスの下に向かうわけにはいかない。
「分かった。助けに来てくれてありがとう。実は、メイが大魔法を使っているのが“視えた”から、ここが攻撃されているって分かったんだ」
メイが大きく目を見開いた。
「視えた?」
「うん。メイと僕との間で、メイの宝珠を通して、何らかの形で繋がりが出来ているのかもね」
まあ、これは僕の推測に過ぎないけれど、彼女が祭壇で儀式の生け贄にされそうになっていた時も、マルドゥクの城で、突然自分に霊力が供給された時も、彼女は宝珠を顕現していた。
メイが顕現する宝珠と、僕のこの“力”との間に、何らかの関連性があるのは確かだろう。
「カケルと何らかの形で繋がっているなら、それはとても素敵な事よ。私達って、やっぱり相性良いのかも」
嬉しそうにそう口にするメイに、少しほっこりしかけた所で、背後から声を掛けられた。
「はいはい! 続きはまた今度ね。今は急いで陛下の所に行かないと」
振り返るとハーミルが立っていた。
先に駆け出して行ったはずだけど、どうやら付いてこない僕を心配して戻ってきてくれたらしい。
改めてメイに別れを告げた僕は、ハーミルと共に皇帝ガイウスの下に向かった。
数分後、僕達は輝く帝光の直下にいる皇帝ガイウス達の所へ辿り着いた。
皇帝ガイウスは椅子に腰掛けていたけれど、僕の姿に気付くと立ち上がった。
「カケルよ! どこへ行っておった?」
僕は臣礼を取り、無断で軍営を離れた事を謝罪した。
そして改めて、ロデラ達に誘い出されていた事、
軍営が攻撃されている事に“霊力で気付いた”ので慌てて戻って来た事、
ドラゴン達を斃し、攻撃してきた人々を全員、霊力で昏倒させた事等を順番に説明した。
ノルン様やハーミル、ジュノ達も僕の話を捕捉――メイの下りは除いて、だけど――してくれた。
話を聞き終えた皇帝ガイウスの顔が、大きく歪んだ。
「謀反人共め……! やはりもっと徹底的に根絶やしにしておくべきであったかっ!」
皇帝ガイウスがここまで声を荒げるのを見たのは、僕にとっては初めての経験だ。
それだけ彼の胸中を、怒りの感情が渦巻いているという事だろう。
「ヤーウェン共和国の件が片付いたら、帝国内の亜人共を、もう一度厳しく調べ直さないとならぬ。やつらの中に、きっとロデラ達を援助している者共が紛れ込んでおるに違いない!」
皇帝ガイウスの激情を嗜めるように、ノルン様が口を開いた。
「父上、お言葉ですが、大多数の亜人達は、陛下の威令に服しております。ロデラのような者達は、少数派なればこそ、このような姑息な手段を取ってくるのです。亜人達に対しても、父上の威徳と恩愛をお示し頂ければ、ロデラ達は寄る辺を失い、自滅していく事で御座いましょう」
彼女の言葉を聞いた皇帝ガイウスは、そのまま不機嫌そうに押し黙ってしまった。
やがて散り散りになっていた兵士達が、帝光を見て、三々五々と皇帝ガイウスの下に集まって来た。
ノルン様と側近達は手分けして、負傷している兵士達には治療を、比較的元気な兵士達には、戦場で僕の力で昏倒させられている襲撃者達の確保を、それぞれ指示していった。
0
お気に入りに追加
1,279
あなたにおすすめの小説
配信の片隅で無双していた謎の大剣豪、最終奥義レベルを連発する美少女だと話題に
菊池 快晴
ファンタジー
配信の片隅で無双していた謎の大剣豪が美少女で、うっかり最凶剣術を披露しすぎたところ、どうやらヤバすぎると話題に
謎の大剣豪こと宮本椿姫は、叔父の死をきっかけに岡山の集落から都内に引っ越しをしてきた。
宮本流を世間に広める為、己の研鑽の為にダンジョンで籠っていると、いつのまにか掲示板で話題となる。
「配信の片隅で無双している大剣豪がいるんだが」
宮本椿姫は相棒と共に配信を始め、徐々に知名度があがり、その剣技を世に知らしめていく。
これは、謎の大剣豪こと宮本椿姫が、ダンジョンを通じて世界に衝撃を与えていく――ちょっと百合の雰囲気もあるお話です。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
危険な森で目指せ快適異世界生活!
ハラーマル
ファンタジー
初めての彼氏との誕生日デート中、彼氏に裏切られた私は、貞操を守るため、展望台から飛び降りて・・・
気がつくと、薄暗い洞窟の中で、よくわかんない種族に転生していました!
2人の子どもを助けて、一緒に森で生活することに・・・
だけどその森が、実は誰も生きて帰らないという危険な森で・・・
出会った子ども達と、謎種族のスキルや魔法、持ち前の明るさと行動力で、危険な森で快適な生活を目指します!
♢ ♢ ♢
所謂、異世界転生ものです。
初めての投稿なので、色々不備もあると思いますが。軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
誤字や、読みにくいところは見つけ次第修正しています。
内容を大きく変更した場合には、お知らせ致しますので、確認していただけると嬉しいです。
「小説家になろう」様「カクヨム」様でも連載させていただいています。
※7月10日、「カクヨム」様の投稿について、アカウントを作成し直しました。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる