116 / 130
第112話 牡蠣とエビ入り鍋の味わい
しおりを挟む
「じゃあ、エビから食べる」
ぬらりひょんはエビと野菜いくつかをお皿に盛り、冷ましてからエビを箸で掴み半分程かじった。
「むっ……むっ…」
「ぬらりひょん、味どう?」
「……うん、すごく美味しい! 千恵子姉ちゃんも食べてみなよ」
ぬらりひょんにそう言われ、私もエビと野菜、牡蠣をお皿に入れて冷ましてから頂く。
「むむ……」
エビはプリプリとした食感に、しょうゆと野菜や牡蠣から染み出ただしが複雑に合わさり美味しい。牡蠣も濃厚な味わいが更に増している。
「うん、美味しい!」
「でしょ?」
「ぬらりひょんの言う通りだよ、美味しい」
篝先生も絶品であると褒め言葉をかけてくれた。
「ありがとうございます。沼霧さんのおかげですよ」
「いやいや、千恵子さんたら……」
「だって貝とか採ってきたの沼霧さんだし」
彼女がいてこその絶品である。沼霧さんは謙遜しながらも笑みを浮かべて鍋をつついていった。
鍋の中身が空になった所で、シメの雑炊の準備に入る。余った麦ごはんを全て鍋の中に入れグツグツと煮立たせる。
煮立った後は鍋に蓋をして、少し蒸らせば完成だ。
「出来ました!」
沼霧さんが再び鍋を鍋敷きに置いた。蓋を開けると中からだしの匂いが蒸気と共に溢れ出す。見ただけで美味しそうなのがばっちりと伝わる。
「美味しそう……!」
おたまですくい、お皿に盛る。冷ましてから沼霧さんが用意してくれた匙で半口程すくって口に入れた。
「うん、美味しい!」
まろやかでとっても美味しい!まろやかで濃厚で何度でも食べたくなる味だ。
「美味しいっ!」
ぬらりひょんのその言葉と満足そうな顔が目に入る。篝先生もゆっくりと一口一口味わいながら食べていた。
「篝先生、いかがですか?」
「ええ、料亭で頂くようなお味です。さすがは沼霧さん。素晴らしいです」
「沼霧さんすごいよ、料亭だって」
「あらやだ……お恥ずかしい! でも、ありがとうございます。励みになります」
雑炊はあっという間に空になる。食後、空になった鍋を台所へ引き上げる沼霧さんに、ぬらりひょんが声をかけた。
「沼霧さん、また貝とか採って!」
「はい、勿論です!」
「やったあ!!」
ぬらりひょんの嬉しさに満ち溢れた声が、別荘中に響き渡った。
(良かったね、ぬらりひょん)
今度沼霧さんが素潜り漁に行く時は、ぬらりひょんも連れて行こう。
ぬらりひょんはエビと野菜いくつかをお皿に盛り、冷ましてからエビを箸で掴み半分程かじった。
「むっ……むっ…」
「ぬらりひょん、味どう?」
「……うん、すごく美味しい! 千恵子姉ちゃんも食べてみなよ」
ぬらりひょんにそう言われ、私もエビと野菜、牡蠣をお皿に入れて冷ましてから頂く。
「むむ……」
エビはプリプリとした食感に、しょうゆと野菜や牡蠣から染み出ただしが複雑に合わさり美味しい。牡蠣も濃厚な味わいが更に増している。
「うん、美味しい!」
「でしょ?」
「ぬらりひょんの言う通りだよ、美味しい」
篝先生も絶品であると褒め言葉をかけてくれた。
「ありがとうございます。沼霧さんのおかげですよ」
「いやいや、千恵子さんたら……」
「だって貝とか採ってきたの沼霧さんだし」
彼女がいてこその絶品である。沼霧さんは謙遜しながらも笑みを浮かべて鍋をつついていった。
鍋の中身が空になった所で、シメの雑炊の準備に入る。余った麦ごはんを全て鍋の中に入れグツグツと煮立たせる。
煮立った後は鍋に蓋をして、少し蒸らせば完成だ。
「出来ました!」
沼霧さんが再び鍋を鍋敷きに置いた。蓋を開けると中からだしの匂いが蒸気と共に溢れ出す。見ただけで美味しそうなのがばっちりと伝わる。
「美味しそう……!」
おたまですくい、お皿に盛る。冷ましてから沼霧さんが用意してくれた匙で半口程すくって口に入れた。
「うん、美味しい!」
まろやかでとっても美味しい!まろやかで濃厚で何度でも食べたくなる味だ。
「美味しいっ!」
ぬらりひょんのその言葉と満足そうな顔が目に入る。篝先生もゆっくりと一口一口味わいながら食べていた。
「篝先生、いかがですか?」
「ええ、料亭で頂くようなお味です。さすがは沼霧さん。素晴らしいです」
「沼霧さんすごいよ、料亭だって」
「あらやだ……お恥ずかしい! でも、ありがとうございます。励みになります」
雑炊はあっという間に空になる。食後、空になった鍋を台所へ引き上げる沼霧さんに、ぬらりひょんが声をかけた。
「沼霧さん、また貝とか採って!」
「はい、勿論です!」
「やったあ!!」
ぬらりひょんの嬉しさに満ち溢れた声が、別荘中に響き渡った。
(良かったね、ぬらりひょん)
今度沼霧さんが素潜り漁に行く時は、ぬらりひょんも連れて行こう。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる