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第87話 ぬらりひょんからのお願い
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「千恵子姉ちゃん、それ手紙?」
ぬらりひょんにそう手紙を指差されながら言われ、思わず私はドキッとする。
「うん、お父さんからの手紙」
「何書いてるの?」
案の定、内容について聞かれてしまった。そりゃあ、ぬらりひょんからすれば幼心に気になるだろうが、これはどこまで言ったらいいのか……。
横目で母親に助けを求めるが、母親は全部言ったら?とでも言うような表情である。
(仕方ない、全部言うか……)
そんなこんなで全てぬらりひょんに手紙に記されている内容を教えた。
すると、ぬらりひょんは目を輝かせて口を開く。これは何かを思いついたような顔つきだ。
「千恵子姉ちゃんがお嫁さんになるとこ、見たい!」
「いや、そう言われても……」
「えーー、絶対打掛似合うよ!」
これはあれだ。単に花嫁衣装を着た私が見たいだけかもしれない。
「ぬらりひょん、結婚は大変なんだよ」
「そうよぅ。結婚した後が大変なんだから。家の事はしないといけないし、子供はたくさん産んで育てないといけないしで、色々あるのよ?」
「……」
ぬらりひょんは黙ってしまった。私はじっと彼女の様子を見る。
(これで納得するかな……?)
「分かった。じゃあさ、いつか千恵子姉ちゃんが結婚するってなったら、式に私も呼んでよ」
「うん。勿論!」
「約束ね」
ぬらりひょんは右手の小指を私に差し出す。そして私とぬらりひょんは指切りげんまんをして、約束を交わしたのだった。
「篝先生も呼ぶよね?」
「呼ぶ……と思う」
「光さんは?」
「……は無理かなぁ」
さすがにシャチを連れてくるのは無理すぎる。どうやって光さんを持ち上げて運ぶかも思いつかない。
「ねえ、千恵子姉ちゃんのお母さん」
「何?」
「結婚した時、どうだったの?」
「そうねえ……」
母親は、自身が父親の元に嫁いだ時の思い出話を私達に聞かせてくれた。式はそれはそれは大層豪華なものだったという。
「色んな人が来てくれてね。すごい盛り上がりだったのよ」
当時の事を思い出しながら語る母親は、活き活きとした表情を見せていた。
(結婚ねえ)
今日のお昼は麦ごはんをおにぎりにして、朝食の残りの味噌汁と一緒に頂く。
「お母さん、結婚する時のご飯ってどうだった?」
「お酒しか覚えてないわ……すごい飲んだのは覚えてる」
「ねえ、ぬらりひょんは結婚したい?」
「したい! 千恵子姉ちゃんは?」
「内緒」
ぬらりひょんにそう手紙を指差されながら言われ、思わず私はドキッとする。
「うん、お父さんからの手紙」
「何書いてるの?」
案の定、内容について聞かれてしまった。そりゃあ、ぬらりひょんからすれば幼心に気になるだろうが、これはどこまで言ったらいいのか……。
横目で母親に助けを求めるが、母親は全部言ったら?とでも言うような表情である。
(仕方ない、全部言うか……)
そんなこんなで全てぬらりひょんに手紙に記されている内容を教えた。
すると、ぬらりひょんは目を輝かせて口を開く。これは何かを思いついたような顔つきだ。
「千恵子姉ちゃんがお嫁さんになるとこ、見たい!」
「いや、そう言われても……」
「えーー、絶対打掛似合うよ!」
これはあれだ。単に花嫁衣装を着た私が見たいだけかもしれない。
「ぬらりひょん、結婚は大変なんだよ」
「そうよぅ。結婚した後が大変なんだから。家の事はしないといけないし、子供はたくさん産んで育てないといけないしで、色々あるのよ?」
「……」
ぬらりひょんは黙ってしまった。私はじっと彼女の様子を見る。
(これで納得するかな……?)
「分かった。じゃあさ、いつか千恵子姉ちゃんが結婚するってなったら、式に私も呼んでよ」
「うん。勿論!」
「約束ね」
ぬらりひょんは右手の小指を私に差し出す。そして私とぬらりひょんは指切りげんまんをして、約束を交わしたのだった。
「篝先生も呼ぶよね?」
「呼ぶ……と思う」
「光さんは?」
「……は無理かなぁ」
さすがにシャチを連れてくるのは無理すぎる。どうやって光さんを持ち上げて運ぶかも思いつかない。
「ねえ、千恵子姉ちゃんのお母さん」
「何?」
「結婚した時、どうだったの?」
「そうねえ……」
母親は、自身が父親の元に嫁いだ時の思い出話を私達に聞かせてくれた。式はそれはそれは大層豪華なものだったという。
「色んな人が来てくれてね。すごい盛り上がりだったのよ」
当時の事を思い出しながら語る母親は、活き活きとした表情を見せていた。
(結婚ねえ)
今日のお昼は麦ごはんをおにぎりにして、朝食の残りの味噌汁と一緒に頂く。
「お母さん、結婚する時のご飯ってどうだった?」
「お酒しか覚えてないわ……すごい飲んだのは覚えてる」
「ねえ、ぬらりひょんは結婚したい?」
「したい! 千恵子姉ちゃんは?」
「内緒」
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