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第81話 誕生日②
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「ごちそうさまでした」
お昼を完食し、自室に戻ろうとした時。一反木綿が戻ってきた。
戻ってきた一反木綿は、玄関の前に着地している。勿論鮭1匹抱えて、だ。
「ありがとう。ゆっくり休んでって」
一反木綿にそう告げ、鮭を受け取って沼霧さんと一緒に下処理をしていく。
すると台所にぬらりひょんがやってきた。
「鮭来たの?!」
と、目を丸くさせるぬらりひょんに、私は一反木綿から鮭が届いた事を告げる。
「ほんと?!」
「さっき来たよ。ほら」
「ほんとだ……!」
下処理をしている途中の鮭を見せると、更にぬらりひょんが興奮状態となる。
「いくらは? いくらはある?!」
「ほら、あるよ。まだすじこだけど」
「やったああああ!!」
どうやらぬらりひょんはいくらを特に楽しみにしていたらしかった。
「ぬらりひょんいくら好き?」
「好き! 鮭も!」
「じゃあ、夕食までお母さんと一緒に待っててね。危ないから」
「うん」
ぬらりひょんが居間へ戻ると、再び鮭の下処理作業に戻る。
さばき終えるとすじこをいくらにして、身もそいだり各部位ごとに分けたりする。
「これでなます作りましょうかね」
沼霧さんが言っているのは氷頭という部位。頭の部分にあたる。
「おっぜひお願い」
「やっぱり1匹まるごと使って調理したくなりますよねえ」
沼霧さんと鮭について話しながら、なんとか下処理が終わった。
すまし汁もかさましした。後は……。
「千恵子さん、休んでていいですよ?」
「沼霧さん、いいの?」
「だって、千恵子さんの誕生日ですし。今日の主役じゃないですか」
その言葉を受けた私は沼霧さんのお言葉に甘えて、夕食まで自室で休む事にした。
「じゃあ、後はお願いね」
「はい。お任せください」
自室に戻ると、ぬらりひょんが私の後を追ってやってきた。
「どうしたの?」
「遊びに来た」
「お母さんとはもう遊ばないの?」
「今度は千恵子姉ちゃんと遊ぶ」
「そっかそっか。じゃあ、何する?」
「お手玉」
お手玉と言われて、私はお手玉あったっけ……。と呟きながら部屋のタンスの中を探す。するとタンスの中の箱にお手玉は3つあった。どれも赤いお手玉である。
「はい」
「やる」
するとぬらりひょんは3つのお手玉をひょいひょいと器用に投げて遊び始めたのだった。
「え、3つ出来るんだ」
「出来るよ」
「私2つまでしかできない」
「千恵子姉ちゃん教えてあげようか?」
ぬらりひょんに教えてもらった結果。一応はコツを掴めたが習得にはまだまだ時間がかかりそうだ。
「夕食ですよーー」
「はーーい」
沼霧さんの声でお手玉遊びはおしまいとなる。お手玉を箱に入れてタンスの中にしまうと、1階の居間に降りていく。
廊下で篝先生とも合流し、待ちに待った夕食になる。
「わあ!」
いくらが乗ったちらし寿司。ぬらりひょんの目はもうそれに釘漬けだ。
「さあ、頂きましょ」
母親の号令で、皆は手を合わせて挨拶をする。
「頂きます」
お昼を完食し、自室に戻ろうとした時。一反木綿が戻ってきた。
戻ってきた一反木綿は、玄関の前に着地している。勿論鮭1匹抱えて、だ。
「ありがとう。ゆっくり休んでって」
一反木綿にそう告げ、鮭を受け取って沼霧さんと一緒に下処理をしていく。
すると台所にぬらりひょんがやってきた。
「鮭来たの?!」
と、目を丸くさせるぬらりひょんに、私は一反木綿から鮭が届いた事を告げる。
「ほんと?!」
「さっき来たよ。ほら」
「ほんとだ……!」
下処理をしている途中の鮭を見せると、更にぬらりひょんが興奮状態となる。
「いくらは? いくらはある?!」
「ほら、あるよ。まだすじこだけど」
「やったああああ!!」
どうやらぬらりひょんはいくらを特に楽しみにしていたらしかった。
「ぬらりひょんいくら好き?」
「好き! 鮭も!」
「じゃあ、夕食までお母さんと一緒に待っててね。危ないから」
「うん」
ぬらりひょんが居間へ戻ると、再び鮭の下処理作業に戻る。
さばき終えるとすじこをいくらにして、身もそいだり各部位ごとに分けたりする。
「これでなます作りましょうかね」
沼霧さんが言っているのは氷頭という部位。頭の部分にあたる。
「おっぜひお願い」
「やっぱり1匹まるごと使って調理したくなりますよねえ」
沼霧さんと鮭について話しながら、なんとか下処理が終わった。
すまし汁もかさましした。後は……。
「千恵子さん、休んでていいですよ?」
「沼霧さん、いいの?」
「だって、千恵子さんの誕生日ですし。今日の主役じゃないですか」
その言葉を受けた私は沼霧さんのお言葉に甘えて、夕食まで自室で休む事にした。
「じゃあ、後はお願いね」
「はい。お任せください」
自室に戻ると、ぬらりひょんが私の後を追ってやってきた。
「どうしたの?」
「遊びに来た」
「お母さんとはもう遊ばないの?」
「今度は千恵子姉ちゃんと遊ぶ」
「そっかそっか。じゃあ、何する?」
「お手玉」
お手玉と言われて、私はお手玉あったっけ……。と呟きながら部屋のタンスの中を探す。するとタンスの中の箱にお手玉は3つあった。どれも赤いお手玉である。
「はい」
「やる」
するとぬらりひょんは3つのお手玉をひょいひょいと器用に投げて遊び始めたのだった。
「え、3つ出来るんだ」
「出来るよ」
「私2つまでしかできない」
「千恵子姉ちゃん教えてあげようか?」
ぬらりひょんに教えてもらった結果。一応はコツを掴めたが習得にはまだまだ時間がかかりそうだ。
「夕食ですよーー」
「はーーい」
沼霧さんの声でお手玉遊びはおしまいとなる。お手玉を箱に入れてタンスの中にしまうと、1階の居間に降りていく。
廊下で篝先生とも合流し、待ちに待った夕食になる。
「わあ!」
いくらが乗ったちらし寿司。ぬらりひょんの目はもうそれに釘漬けだ。
「さあ、頂きましょ」
母親の号令で、皆は手を合わせて挨拶をする。
「頂きます」
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