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第24話 辛味入り汁かけ飯(カレーライス)
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「今日の夕食は、辛味入り汁かけ飯でございます」
辛味入り汁かけ飯。敵性語で言えばカレーライスである。
この辛味入り汁かけ飯は、父親が海軍のお偉いさんと交流した際に食べたのが忘れられず、我が家のご飯一覧に加わったという話だ。
(この時作り方を海軍の人に聞いたら、教えてくれなかったんだっけ)
白い大きなお皿には、麦ごはんと茶色い汁にざっくりと切られたじゃがいもと玉ねぎとにんじんが入っている。
蒸気が出ていて、そこからさ良い匂いが鼻の奥まで届いてくる。
「では、頂こう」
父親の合図で皆がいただきます。と挨拶をし、夕食が始まる。
「どうかな……」
私は銀の匙に、一口分ご飯と汁と具材をすくって口に運ぶ。すると辛味が口の中でふわっと広がった。
「!」
ほかほかした麦ごはんと、複雑な辛味をした汁と具材がよく合う。ごはんが進む味だ。
「美味しい!」
私から思わず声が出た。
「千恵子美味しいだろう。おかわりもあるからたくさん食べなさい」
「お父さん、ありがとう」
「ヨシも沼霧さんも、遠慮なく食べなさい」
父親は機嫌がすこぶる良い。笑顔のまま、大好物な辛味入り汁かけ飯をもごもごと食べ進めていく。それにしても父親は、辛味入り汁かけ飯が本当に好きなのだろう。幸せそうな笑顔に見える。
(私も勿論好きだわ、これ)
結局、私含めて母親以外は皆、辛味入り汁かけ飯をおかわりしてしまったのだった。
「何杯でもいけそうですね」
「でしょ、沼霧さん。美味しくて私もおかわりしちゃった」
すると、ここで父親が口を開く。
「千恵子」
「はい、何か?」
「島ではどのように暮らしてるんだ?」
そう、父親に尋ねられた私は、小説を読んだり沼霧さんや母親と料理をしたりして暮らしている旨を話した。
「そうか……」
そんな父親に、母親がどうかしたのかと様子を伺いながら問う。
「実はな。縁談が入ってきてな」
「……え?」
あまりに突然の話に、思わずお皿に銀の匙を落としてしまった。
辛味入り汁かけ飯。敵性語で言えばカレーライスである。
この辛味入り汁かけ飯は、父親が海軍のお偉いさんと交流した際に食べたのが忘れられず、我が家のご飯一覧に加わったという話だ。
(この時作り方を海軍の人に聞いたら、教えてくれなかったんだっけ)
白い大きなお皿には、麦ごはんと茶色い汁にざっくりと切られたじゃがいもと玉ねぎとにんじんが入っている。
蒸気が出ていて、そこからさ良い匂いが鼻の奥まで届いてくる。
「では、頂こう」
父親の合図で皆がいただきます。と挨拶をし、夕食が始まる。
「どうかな……」
私は銀の匙に、一口分ご飯と汁と具材をすくって口に運ぶ。すると辛味が口の中でふわっと広がった。
「!」
ほかほかした麦ごはんと、複雑な辛味をした汁と具材がよく合う。ごはんが進む味だ。
「美味しい!」
私から思わず声が出た。
「千恵子美味しいだろう。おかわりもあるからたくさん食べなさい」
「お父さん、ありがとう」
「ヨシも沼霧さんも、遠慮なく食べなさい」
父親は機嫌がすこぶる良い。笑顔のまま、大好物な辛味入り汁かけ飯をもごもごと食べ進めていく。それにしても父親は、辛味入り汁かけ飯が本当に好きなのだろう。幸せそうな笑顔に見える。
(私も勿論好きだわ、これ)
結局、私含めて母親以外は皆、辛味入り汁かけ飯をおかわりしてしまったのだった。
「何杯でもいけそうですね」
「でしょ、沼霧さん。美味しくて私もおかわりしちゃった」
すると、ここで父親が口を開く。
「千恵子」
「はい、何か?」
「島ではどのように暮らしてるんだ?」
そう、父親に尋ねられた私は、小説を読んだり沼霧さんや母親と料理をしたりして暮らしている旨を話した。
「そうか……」
そんな父親に、母親がどうかしたのかと様子を伺いながら問う。
「実はな。縁談が入ってきてな」
「……え?」
あまりに突然の話に、思わずお皿に銀の匙を落としてしまった。
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