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第七章
第八十七 それぞれの出立
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「――様、――サ様、起きてください」
アリシアの声で目が覚める。直前まで見ていた夢のせいで気分は最悪だった。
……できれば、あれ関連の夢はもう見たくないな。
体を起こしてアリシアに返事を返す。見る限り、すでに準備は万端のようだ。俺も早く準備をする必要があるだろう。
「ツカサ様、食料を分けてもらいました。今のうちに食べておいてください」
「ありがとう」
アリシアから渡されたのは干し肉入りのスープと慣れ親しんだ硬いパンだ。干し肉は欠片が数個浮かんでいるだけであり、たぶん薄味だと思われる。
……まぁ、俺にはもう関係ないんだけどな。
スープにパンを浸して口に運んでいると、セリューズさんからの伝言があると言われた。どうやら、すでに出立しているらしい。
「セリューズさんから聞いた話ですけど、連絡を受けて本隊のほうが急いでくれてるとのことでした。それに追いつくようなら精鋭は潜入に回すとも言ってくれたみたいです」
精鋭か……師団長以上がきてくれれば嬉しいけど、基本的にみんな部下持ちだ。強い人じゃなくて、潜入に特化した人が来るのかもしれない。
「あと、これは事後報告になっちゃうんですけど、シュセットちゃんには後方、本隊のほうへと向かってもらいました」
「ああ、そっか。ここは無人になるからね。避難してもらわないと……ん? 今の言い方だと、シュセットを誰かに送ってもらったんじゃなくて、もしかして単独で向かった?」
「はい。シュセットちゃんは元気いっぱいで、まだ時間もあったので本隊の精鋭を連れて来ようって話になったみたいです。私、途中で起きちゃって、そのとき今の話を聞いて許可を出しちゃいました。勝手にごめんなさい……」
「いや、いいよ。謝るようなことじゃないし、俺たちの潜入もセリューズさんたちの陽動後だからね。シュセットで行ったら早く着きすぎる。……でもなるほど、それで精鋭が来るってことなのか」
いくら本隊が急いだとしても俺たちの潜入には間に合わないと思っていた。だが、シュセットで移動するなら別だ。アリシアの話では完全回復しているようだし、本気のシュセットならすぐに追い付いてくるだろう。
ただ、そうすると人数は少ないはずだ。多くて三人。いや、移動速度はあまり下げられないから二人が限界か。
……できれば潜入も出来て強い人だと助かるけど。
頭を振って考えを消す。変な夢を見たせいで少し弱気になっているのかもしれない。
手早く食事を済ませると装備を整えテントを出る。
外は明るく、ちょうど日の出が見えていた。随分と眠ってしまったようだ。
「行こう」
「はい!」
ゆっくりと歩きだす。エランやセリューズさんの陽動がはじまるまでは見つかるわけにはいかない。最大限に警戒し、俺たちは魔王の拠点があるであろう森へと進むのであった。
◆◆◆◆◆◆◆
「おぉ! 来おったぞ! 相変わらずでかいのう。そういえば、いったい何処の馬なんじゃろうか……? いや、まぁ良い。あれほど大きければ、わしが乗っても大丈夫じゃろう」
巨大な斧を背負った男、ブルームト軍の指揮官であるバルドレッドの視線の先には、これまた巨大な馬がいた。砂塵を上げて走る姿は迫力があり、魔物であっても簡単には近づけないほどの勢いがある。
「あの……本当に行かれるんですか? 全軍の指揮は……」
「大丈夫じゃ。サミュエル軍団長に任しておる。そもそも、わしは普段から突撃することが多いのでな。ブルームトの連中からしたらいつものことじゃろう」
「たしかに慣れてはいますな。本来はあり得ないことですが……」
「ん? サミュエル? 何じゃ。何かあったのか?」
バルドレッドの後ろから声をかけてきたのは、話題に出した軍団長であるサミュエルだった。その目は鋭いが、どこか呆れているようにも見える。
「……定時報告です。観測班の報告を簡略してお伝えします。進軍速度をかなり上げた成果もあり、明日の晩には先行部隊の拠点に到着できるとこのとこです。また、周囲に魔物の影は無し。ほかも特に異常は無いようです」
「うむ。順調じゃな。ならば尚のことわしは先に行ったほうが良いじゃろう」
サミュエルは軽くため息をついているが、バルドレッドは気にしたようすもない。それを見ていたフルールは小さく呟く。
「大丈夫なのかしら……」
「フルール嬢、安心してください。バルドレッド将軍不在でも我々ブルームト軍は負けません。それに、むしろバルドレッド将軍が近くで戦うほうが被害が大きいのです」
「うーむ、それについては言い返せんな!」
その後もサミュエルが小言を並べるが、バルドレッドは受け流していく。仲が良いようにも悪いようにも見え、フルールは若干不安になる。
三人がそんな会話をしている間に遠くにいた巨大な馬、シュセットは近づいて来ていた。
フルールは大きく手を上げる。するとシュセットのほうも動きが変わった。土煙を上げるほどの速度は、近づくにつれ徐々に緩やかになっていく。最後には歩くような足取りで傍へとくると、フルールに甘えるように顔を摺り寄せるのであった。
「頭のいい馬だと聞いていたが、そのとおりのようじゃな」
「はい、一緒に旅をしてましたから。この子に忘れられてたら、さすがに悲しんだかもしれません」
「……最後の確認じゃが、本当にフルールくんも行くのかね? 病み上がりなのだ。無理をする必要はないのだぞ?」
「行きます。少しでも力にならないと。それに、会ってちゃんと謝りたいんです」
フルールは自らの手を見つめ、握りしめる。
以前、洗脳されていたときの記憶はない。しかし、何が起きたのか、自分が何をしたのかはバルドレッドから聞いていた。それゆえにツカサを刺してしまったことを謝りたいと思っていたのだ。
戦力としてはバルドレッドには遠く及ばないだろう。ただ、最初は潜入と偵察だと聞いている。フルールの得意分野だ。戦闘こそ遅れをとるかもしれないが、そこに至るまでには役に立てると思っていた。
「お二人ともこれを。残り少ないので別々の行動はお控えください。連絡が取れなくなります。特にバルドレッド将軍は気を付けてください」
「うむ、気をつけよう」
「ありがとうございます。えっと、私もはぐれないように気をつけますので」
サミュエルから渡されたのは連絡用の魔道具、送言の魔晶石だった。その数は少ない。ツカサたちが森の入る前に合流できなければ、位置のやり取りだけで使い切ってしまうだろう。
フルールはシュセットを撫でながら体調を確認していく。無理をさせたくはないが、早めに出立したい。そう考えてのことだった。
不意にシュセットと目が合う。すると、シュセットは小さく嘶き、踵を返す。その方向は今しがた走って来た平原であった。
「シュセット?」
「……もしや、この馬はもう出立しようとしている? いや、そんな馬鹿な。今あれほどの速度で走ってきたばかりだ。休憩しなければ潰れてしまうぞ……」
「本当に賢い馬のようじゃな。今がどんな時か分かっているようじゃ。うむ、わしも協力せんとな」
バルドレッドは突然鎧を脱ぎ、簡素な格好となる。それは巨大な斧がなければ、一般人にも見える姿であった。
「……バルドレッド将軍、いいのですか?」
「わしの鎧は一人分以上の重さがあるからのう。さすがにつらいじゃろ」
困惑し確認をとるフルールをよそにサミュエルのほうは頭を振っていた。言葉も出ないようだ。
「シュセットと言ったか。すまんが、この斧だけは勘弁しておくれ。さすがに戦えなくなるのでな」
呼ばれたことに気づいたのか、シュセットは首を捻ってバルドレッドを見る。しかし、あまり興味がないのかすぐに前を向き、足を踏み鳴らす。それはまるで、早くしろと催促しているようにも見えた。
「頼もしい限りじゃ。……サミュエル、あとは頼んだぞ」
「はい、お任せください」
フルールとバルドレッドがシュセットへと乗る。体格がよく、巨大な斧を持ったバルドレッドが乗ったというのにシュセットは平然としていた。
「無理を言って連れてきてもらい、すみませんでした。バルドレッド将軍のことは任せてください」
「いえ、いざとなればフルール嬢の盾にしてください。腰以外は頑丈なので死にはしないでしょう。」
「……おぬし、わしの扱い酷くはないか? 長い付き合いだというのに……」
「長い付き合いだからですよ。……ともかくお二人、いえ、皆が無事に帰って来るのを願っております。ご武運を」
サミュエルに別れを告げ、フルールたちは出立した。
シュセットの走りは快調だ。先ほどまで走っていたとは思えないほどである。この調子なら追いつくのも夢ではないだろう。
早朝の静かな時間。見渡す限りの平原。環境がよかったのか、フルールたち一行を邪魔するものはいない。二人と一頭は快調に飛ばしながら、先行部隊の拠点を目指すのであった。
アリシアの声で目が覚める。直前まで見ていた夢のせいで気分は最悪だった。
……できれば、あれ関連の夢はもう見たくないな。
体を起こしてアリシアに返事を返す。見る限り、すでに準備は万端のようだ。俺も早く準備をする必要があるだろう。
「ツカサ様、食料を分けてもらいました。今のうちに食べておいてください」
「ありがとう」
アリシアから渡されたのは干し肉入りのスープと慣れ親しんだ硬いパンだ。干し肉は欠片が数個浮かんでいるだけであり、たぶん薄味だと思われる。
……まぁ、俺にはもう関係ないんだけどな。
スープにパンを浸して口に運んでいると、セリューズさんからの伝言があると言われた。どうやら、すでに出立しているらしい。
「セリューズさんから聞いた話ですけど、連絡を受けて本隊のほうが急いでくれてるとのことでした。それに追いつくようなら精鋭は潜入に回すとも言ってくれたみたいです」
精鋭か……師団長以上がきてくれれば嬉しいけど、基本的にみんな部下持ちだ。強い人じゃなくて、潜入に特化した人が来るのかもしれない。
「あと、これは事後報告になっちゃうんですけど、シュセットちゃんには後方、本隊のほうへと向かってもらいました」
「ああ、そっか。ここは無人になるからね。避難してもらわないと……ん? 今の言い方だと、シュセットを誰かに送ってもらったんじゃなくて、もしかして単独で向かった?」
「はい。シュセットちゃんは元気いっぱいで、まだ時間もあったので本隊の精鋭を連れて来ようって話になったみたいです。私、途中で起きちゃって、そのとき今の話を聞いて許可を出しちゃいました。勝手にごめんなさい……」
「いや、いいよ。謝るようなことじゃないし、俺たちの潜入もセリューズさんたちの陽動後だからね。シュセットで行ったら早く着きすぎる。……でもなるほど、それで精鋭が来るってことなのか」
いくら本隊が急いだとしても俺たちの潜入には間に合わないと思っていた。だが、シュセットで移動するなら別だ。アリシアの話では完全回復しているようだし、本気のシュセットならすぐに追い付いてくるだろう。
ただ、そうすると人数は少ないはずだ。多くて三人。いや、移動速度はあまり下げられないから二人が限界か。
……できれば潜入も出来て強い人だと助かるけど。
頭を振って考えを消す。変な夢を見たせいで少し弱気になっているのかもしれない。
手早く食事を済ませると装備を整えテントを出る。
外は明るく、ちょうど日の出が見えていた。随分と眠ってしまったようだ。
「行こう」
「はい!」
ゆっくりと歩きだす。エランやセリューズさんの陽動がはじまるまでは見つかるわけにはいかない。最大限に警戒し、俺たちは魔王の拠点があるであろう森へと進むのであった。
◆◆◆◆◆◆◆
「おぉ! 来おったぞ! 相変わらずでかいのう。そういえば、いったい何処の馬なんじゃろうか……? いや、まぁ良い。あれほど大きければ、わしが乗っても大丈夫じゃろう」
巨大な斧を背負った男、ブルームト軍の指揮官であるバルドレッドの視線の先には、これまた巨大な馬がいた。砂塵を上げて走る姿は迫力があり、魔物であっても簡単には近づけないほどの勢いがある。
「あの……本当に行かれるんですか? 全軍の指揮は……」
「大丈夫じゃ。サミュエル軍団長に任しておる。そもそも、わしは普段から突撃することが多いのでな。ブルームトの連中からしたらいつものことじゃろう」
「たしかに慣れてはいますな。本来はあり得ないことですが……」
「ん? サミュエル? 何じゃ。何かあったのか?」
バルドレッドの後ろから声をかけてきたのは、話題に出した軍団長であるサミュエルだった。その目は鋭いが、どこか呆れているようにも見える。
「……定時報告です。観測班の報告を簡略してお伝えします。進軍速度をかなり上げた成果もあり、明日の晩には先行部隊の拠点に到着できるとこのとこです。また、周囲に魔物の影は無し。ほかも特に異常は無いようです」
「うむ。順調じゃな。ならば尚のことわしは先に行ったほうが良いじゃろう」
サミュエルは軽くため息をついているが、バルドレッドは気にしたようすもない。それを見ていたフルールは小さく呟く。
「大丈夫なのかしら……」
「フルール嬢、安心してください。バルドレッド将軍不在でも我々ブルームト軍は負けません。それに、むしろバルドレッド将軍が近くで戦うほうが被害が大きいのです」
「うーむ、それについては言い返せんな!」
その後もサミュエルが小言を並べるが、バルドレッドは受け流していく。仲が良いようにも悪いようにも見え、フルールは若干不安になる。
三人がそんな会話をしている間に遠くにいた巨大な馬、シュセットは近づいて来ていた。
フルールは大きく手を上げる。するとシュセットのほうも動きが変わった。土煙を上げるほどの速度は、近づくにつれ徐々に緩やかになっていく。最後には歩くような足取りで傍へとくると、フルールに甘えるように顔を摺り寄せるのであった。
「頭のいい馬だと聞いていたが、そのとおりのようじゃな」
「はい、一緒に旅をしてましたから。この子に忘れられてたら、さすがに悲しんだかもしれません」
「……最後の確認じゃが、本当にフルールくんも行くのかね? 病み上がりなのだ。無理をする必要はないのだぞ?」
「行きます。少しでも力にならないと。それに、会ってちゃんと謝りたいんです」
フルールは自らの手を見つめ、握りしめる。
以前、洗脳されていたときの記憶はない。しかし、何が起きたのか、自分が何をしたのかはバルドレッドから聞いていた。それゆえにツカサを刺してしまったことを謝りたいと思っていたのだ。
戦力としてはバルドレッドには遠く及ばないだろう。ただ、最初は潜入と偵察だと聞いている。フルールの得意分野だ。戦闘こそ遅れをとるかもしれないが、そこに至るまでには役に立てると思っていた。
「お二人ともこれを。残り少ないので別々の行動はお控えください。連絡が取れなくなります。特にバルドレッド将軍は気を付けてください」
「うむ、気をつけよう」
「ありがとうございます。えっと、私もはぐれないように気をつけますので」
サミュエルから渡されたのは連絡用の魔道具、送言の魔晶石だった。その数は少ない。ツカサたちが森の入る前に合流できなければ、位置のやり取りだけで使い切ってしまうだろう。
フルールはシュセットを撫でながら体調を確認していく。無理をさせたくはないが、早めに出立したい。そう考えてのことだった。
不意にシュセットと目が合う。すると、シュセットは小さく嘶き、踵を返す。その方向は今しがた走って来た平原であった。
「シュセット?」
「……もしや、この馬はもう出立しようとしている? いや、そんな馬鹿な。今あれほどの速度で走ってきたばかりだ。休憩しなければ潰れてしまうぞ……」
「本当に賢い馬のようじゃな。今がどんな時か分かっているようじゃ。うむ、わしも協力せんとな」
バルドレッドは突然鎧を脱ぎ、簡素な格好となる。それは巨大な斧がなければ、一般人にも見える姿であった。
「……バルドレッド将軍、いいのですか?」
「わしの鎧は一人分以上の重さがあるからのう。さすがにつらいじゃろ」
困惑し確認をとるフルールをよそにサミュエルのほうは頭を振っていた。言葉も出ないようだ。
「シュセットと言ったか。すまんが、この斧だけは勘弁しておくれ。さすがに戦えなくなるのでな」
呼ばれたことに気づいたのか、シュセットは首を捻ってバルドレッドを見る。しかし、あまり興味がないのかすぐに前を向き、足を踏み鳴らす。それはまるで、早くしろと催促しているようにも見えた。
「頼もしい限りじゃ。……サミュエル、あとは頼んだぞ」
「はい、お任せください」
フルールとバルドレッドがシュセットへと乗る。体格がよく、巨大な斧を持ったバルドレッドが乗ったというのにシュセットは平然としていた。
「無理を言って連れてきてもらい、すみませんでした。バルドレッド将軍のことは任せてください」
「いえ、いざとなればフルール嬢の盾にしてください。腰以外は頑丈なので死にはしないでしょう。」
「……おぬし、わしの扱い酷くはないか? 長い付き合いだというのに……」
「長い付き合いだからですよ。……ともかくお二人、いえ、皆が無事に帰って来るのを願っております。ご武運を」
サミュエルに別れを告げ、フルールたちは出立した。
シュセットの走りは快調だ。先ほどまで走っていたとは思えないほどである。この調子なら追いつくのも夢ではないだろう。
早朝の静かな時間。見渡す限りの平原。環境がよかったのか、フルールたち一行を邪魔するものはいない。二人と一頭は快調に飛ばしながら、先行部隊の拠点を目指すのであった。
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