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第4章
目を覚ますと、横にはお城があった。
しおりを挟む目を覚ますと、横にはお城があった。
「伏見桃山城。」とおじさんが言って、うちは車内でうなずいた。
「降りるん?」とうちは目をぱちくりしながら聞く。
「そうだね、ちょっと降りて、丹波橋で休憩しよう。」とおじさんは言う。
「大丈夫なん。」うちは休んでるヒマなんてあるんやろうかと思った。
「うん、急がなくても、鬼は逃げない。」とおじさんは言いながら、車を降りた。
「だって静が。」と言いかけて、うちは口を閉じた。おじさんがうちを抱っこしてくれてん。
「しっかり休息を取ることも必要だ、それに。」とおじさんは言いかえる。
「それに?」うちはおじさんの次の言葉を待つ。
「それに、もう一つここらで手に入れるものがある。」とおじさんは言って笑った。
「え?」とうちはおじさんの背中に乗りながら、久しぶりに笑顔になった。
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