水着の思い出

ちちまる

文字の大きさ
上 下
4 / 10

スクール水着の試着

しおりを挟む

初夏のある日、高校2年のユリはクラスメートと一緒に学校のプール開きに向けてスクール水着の試着をすることになった。彼女はこれが初めての試着で、内心では少し緊張していた。

「ユリ、一緒に試着行こうよ!」

友人のアカネが声をかけてくれると、ユリは少し安心した。二人はいつも一緒に行動する仲だった。

試着室にはすでに数人の女子生徒がいて、水着に着替えているところだった。ユリはアカネと隣同士のブースに入り、用意されていたスクール水着を手に取った。

「ちょっとドキドキするね。」アカネが小声で言うと、ユリも「うん、本当だね。」と答えながら水着に手をかけた。

スクール水着はシンプルなネイビーブルーで、学校の校章が小さく入っている。ユリはそっとそれを身に着け始めた。伸縮性のある生地が肌に触れる感覚に、初めての緊張が走った。

試着してみると、意外と身体にぴったりとフィットしていて、動きやすい。ユリは鏡で自分の姿を見た。普段は制服や私服しか見慣れていない自分が、スポーティな姿に少し新鮮な気持ちになった。

「ユリ、どう?似合ってる?」

アカネの声に、ユリはカーテンを少し開けて顔を出した。「どうかな?」

「かわいい!とっても似合ってるよ!」アカネは嬉しそうに言った。

安心したユリは、アカネと一緒に外に出て、他のクラスメートの反応を見ることにした。みんなからも「似合ってるね!」と好評で、ユリの緊張はすっかり解けていった。

試着が終わり、クラスの女子たちはプールサイドに集まった。そこで、担任の先生が一言。

「みんな、水着がしっかりフィットしているかな?これから夏にかけてプールの授業も増えるから、しっかり準備しようね。」

ユリは自分のスクール水着にもう一度目をやり、新しい自分と向き合うことの楽しさを感じ始めていた。彼女にとって、この試着はただの準備以上の意味を持っていた。

プールの授業が始まる日、ユリは新しいスクール水着を着てプールに向かった。クラスのみんなと一緒に水に入るのは、なんだかワクワクする。水着に身を包んだ彼女の姿は、自信に満ち溢れていた。

「ユリ、一緒に泳ごう!」アカネが呼びかけると、ユリは笑顔でうなずいた。プールでの水しぶきが彼女たちの笑顔をより一層明るくした。

その夏、ユリはスクール水着を通じて、クラスメートたちとの絆を深めることができた。水泳の授業が終わる頃には、彼女はもう水着に抵抗がなく、むしろそれを楽しむことができるようになっていた。

夏の終わりには、ユリとアカネはプールサイドで話をした。

「ねえ、ユリ。この夏、すごく楽しかったよ。」

「うん、私も。水着を試着した日が、すべての始まりだったね。」

二人は笑いあった。スクール水着の試着が、思いがけず大切な夏の思い出となり、新しい自己発見のきっかけとなったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

バッサリ〜由紀子の決意

S.H.L
青春
バレー部に入部した由紀子が自慢のロングヘアをバッサリ刈り上げる物語

バレー部入部物語〜それぞれの断髪

S.H.L
青春
バレーボール強豪校に入学した女の子たちの断髪物語

処理中です...