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彼方の星の約束
しおりを挟む空は変わった色をしていた。青ではなく、淡いラベンダーが広がり、雲一つないその空には三つの月が浮かんでいた。ここはテリオス、異世界の一つであり、私、梨花(りか)が目覚めた場所だ。なぜか記憶を失っていた私を見つけたのは、長い銀髪に碧眼を持つ青年、セリオンだった。
「安心してください、私が守りますから。」
彼の声は温かく、何故か心地良い安堵感を私に与えてくれた。彼はこの村の守護者であり、その力は村の人々に深く信頼されていた。私は彼の家で暮らし始めることになった。
生活が始まるにつれ、私とセリオンの間には奇妙な繋がりを感じるようになった。彼がそばにいると、心が落ち着き、時折見る夢に彼が登場するからだ。夢の中で私たちは異なる世界の恋人だった。それはただの夢なのか、それとも…
「梨花、どうしたの? 顔が赤いけど。」
「あ、いえ、何でもないです。」
私は慌てて顔を背けた。セリオンの視線が熱くて、直視できなかった。
時は過ぎ、村では年に一度の「星降る祭」が近づいていた。この祭りは、テリオスに星が降る夜、願い事をするとそれが叶うと言われている。私も願いがあった。記憶を取り戻し、セリオンとの過去を確かめたい、それが私の願いだった。
祭の夜、私たちは村の広場で踊った。セリオンの手は温かく、その瞳は星空よりも深い蒼を宿していた。
「梨花、ずっと一緒にいてほしい。お前がこの世界に来た意味、僕にはわかるんだ。」
「セリオン、私も…」
星が降るその瞬間、私の頭に鮮明な記憶が流れ込んだ。私たちはかつて地球で恋人同士だった。しかし事故に遭い、私はこの世界に転生したのだ。そしてセリオンも後を追ってきた。
「私たち、運命だったんだね。」
「そうだよ、梨花。二人の星が、またここで繋がったんだ。」
手を取り合い、星降る空の下、新たな約束を交わした。この異世界での生活が、私たちの第二の物語の始まりだった。無数の星が私たちを見守る中、深い愛を確信した一夜であった。
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