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第一章
兎5羽 異世界転移したら冒険者ギルドだよね?
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街に入る前にスキルの確認をしよう。
複製スキルは生産系スキルだ。錬金術の下位版に見られる事も有るが少し違う。
錬金術は等価交換だから媒体が必要になるが、複製は無から有を起こせる。
錬金術は錬金する物の構成を知っておく必要が有るが、複製はスキル発動で丸パクリ。
応用力は錬金術の方が高いが、物さえ有れば何でもコピー出来る複製は悪いスキルじゃない。
ラノベでも時たま見かけたりもする。戦闘にはあまり向かないが物資補給等の後方支援は出来るだろう。問題はどのレベルの複製が出来るかだ。完コピ出来れば最高だけど、イミテーションレベルだと泣ける。
先ずは手に持っているブロードソードを複製してみよう。
「複製!」
あれ?出来ない?……ん?ステータス画面にメッセージが届いたみたいだ。
ステータス画面を開けてみると
(レベルが足りません)
と書かれている。
出来ない訳ではないがレベルが足りないって事ね。
難易度を下げて再チャレンジだ。どうせ作るのなら使える物が良いよね。
という訳で銀貨を1枚取り出して複製を試みる。…出来ないね。そしてメッセージが届いた。
(犯罪に手を染めますか? Yes or No)
成る程。もちろんNoだ。
欲しい物は色々あるけど、今ある物以外は複製出来ない。さて……下着かな?
手始めに靴下を脱いで複製してみる。
見事に複製出来た。色、肌触り、臭いまで完璧だ………そうだよね、使用済みのコピーは使用済みだよね。うん、洗濯してからコピーしよう。
画面に複製物:靴下 複製率:99% 消失期限:5日と表示されている。どうやら5日したら消えてしまうみたいだ。
MPを確認すると10減って50になっていた。1回当たり10減るなら今日は後5回いや4回か、5回はMP0で昏倒してしまいそうだ。しばらくは使えるパンツとシャツはコピー出来そうだよね。
♢
街は外壁で守られていて、門の前には門番がいる。軽装備だが槍と盾を持って立っていた。
入れるかな?と不安になるが、「異世界転移者様ですね。さあ、どうぞどうぞ」と門の中へと通される。ん?異世界転移者が来る事を知っているのかな?
「他にも誰か来ましたか?」
「初めに男性の方が3人。しばらくして美しい女性の方が1人来ていますよ。貴方で5人目になります」
「4人か……。ありがとう」
僕は兵士さんに冒険者ギルドとよさげな宿屋の場所を聞いて街へと入る。
街は中世ヨーロッパ風の街並みで、道行く人も欧米人風だ。妖精族や獣人族はいるのかな?
街中のお店や屋台を見ながら歩く。物価的には銀貨1枚が千円程度っぽい。僕の持ち金が銀貨37枚だから3万7千円程度って事になる。宿屋が高いと1週間で無くなるな……。
何はともあれラノベの知識を生かして冒険者ギルドを目指す。この知らない異世界で生きて行くなら冒険者だよね。
♢
冒険者ギルドは立派な門構えで、塀に囲まれた広い敷地を有している。門を潜った中庭では冒険者達が剣を振って訓練をしている。
…………凄い………。
筋骨隆々の戦士達がブンブン剣を振っている。僕なんかが相手したら瞬殺確定100%だ。こんな激しい世界に僕は踏み込もうとしている。無理じゃね?
戦士達の気迫に尻込みしながらも受付を目指す。お爺さんに確認したところ、僕らの成長速度は通常の3倍との事だ。スライムを数匹倒してレベルが12まで上がっているんだからそうなのだろう。直ぐには無理だけど1年もすれば、僕もなんかの役には立っていると信じたい。
♢
受付にはお約束の美人お姉さんが座っている。少し人見知りなぼっちな僕は、少し緊張しながらも「こんにちは」と声をかける。
「あら、こんにちは。貴方が噂の異世界転移者ね」
「噂って……そんなに噂になってるんですか?」
街の門番の人も僕達が来る事を知っていたみたいだ。
「王都からお触れがあったの。各地に異世界転移者が降臨するから勇者レベルの転移者がいたら報告するようにと」
「あはは……降臨って……。残念ながら僕は勇者じゃないです。授かった力も生産系なので、モンスターハンターにはなれそうにないです」
「あら、そうなの?」
「ええ、まぁ。こんな僕ですけど冒険者登録出来ますか?」
「それは構わないけど………死なないようにね?」
「はい。暫くは日銭稼げる仕事しながら体を鍛えます」
受付のお姉さんに心配されながらも冒険者登録を済ました。他の異世界転移者が此処に来たか尋ねるも誰も来ていないらしい?みんな独自路線で行くのかな?
冒険依頼の掲示板を確認して、僕でも出来そうな簡単なクエストも確認出来たので、冒険者ギルドを出て宿探しへと繰り出す。
複製スキルは生産系スキルだ。錬金術の下位版に見られる事も有るが少し違う。
錬金術は等価交換だから媒体が必要になるが、複製は無から有を起こせる。
錬金術は錬金する物の構成を知っておく必要が有るが、複製はスキル発動で丸パクリ。
応用力は錬金術の方が高いが、物さえ有れば何でもコピー出来る複製は悪いスキルじゃない。
ラノベでも時たま見かけたりもする。戦闘にはあまり向かないが物資補給等の後方支援は出来るだろう。問題はどのレベルの複製が出来るかだ。完コピ出来れば最高だけど、イミテーションレベルだと泣ける。
先ずは手に持っているブロードソードを複製してみよう。
「複製!」
あれ?出来ない?……ん?ステータス画面にメッセージが届いたみたいだ。
ステータス画面を開けてみると
(レベルが足りません)
と書かれている。
出来ない訳ではないがレベルが足りないって事ね。
難易度を下げて再チャレンジだ。どうせ作るのなら使える物が良いよね。
という訳で銀貨を1枚取り出して複製を試みる。…出来ないね。そしてメッセージが届いた。
(犯罪に手を染めますか? Yes or No)
成る程。もちろんNoだ。
欲しい物は色々あるけど、今ある物以外は複製出来ない。さて……下着かな?
手始めに靴下を脱いで複製してみる。
見事に複製出来た。色、肌触り、臭いまで完璧だ………そうだよね、使用済みのコピーは使用済みだよね。うん、洗濯してからコピーしよう。
画面に複製物:靴下 複製率:99% 消失期限:5日と表示されている。どうやら5日したら消えてしまうみたいだ。
MPを確認すると10減って50になっていた。1回当たり10減るなら今日は後5回いや4回か、5回はMP0で昏倒してしまいそうだ。しばらくは使えるパンツとシャツはコピー出来そうだよね。
♢
街は外壁で守られていて、門の前には門番がいる。軽装備だが槍と盾を持って立っていた。
入れるかな?と不安になるが、「異世界転移者様ですね。さあ、どうぞどうぞ」と門の中へと通される。ん?異世界転移者が来る事を知っているのかな?
「他にも誰か来ましたか?」
「初めに男性の方が3人。しばらくして美しい女性の方が1人来ていますよ。貴方で5人目になります」
「4人か……。ありがとう」
僕は兵士さんに冒険者ギルドとよさげな宿屋の場所を聞いて街へと入る。
街は中世ヨーロッパ風の街並みで、道行く人も欧米人風だ。妖精族や獣人族はいるのかな?
街中のお店や屋台を見ながら歩く。物価的には銀貨1枚が千円程度っぽい。僕の持ち金が銀貨37枚だから3万7千円程度って事になる。宿屋が高いと1週間で無くなるな……。
何はともあれラノベの知識を生かして冒険者ギルドを目指す。この知らない異世界で生きて行くなら冒険者だよね。
♢
冒険者ギルドは立派な門構えで、塀に囲まれた広い敷地を有している。門を潜った中庭では冒険者達が剣を振って訓練をしている。
…………凄い………。
筋骨隆々の戦士達がブンブン剣を振っている。僕なんかが相手したら瞬殺確定100%だ。こんな激しい世界に僕は踏み込もうとしている。無理じゃね?
戦士達の気迫に尻込みしながらも受付を目指す。お爺さんに確認したところ、僕らの成長速度は通常の3倍との事だ。スライムを数匹倒してレベルが12まで上がっているんだからそうなのだろう。直ぐには無理だけど1年もすれば、僕もなんかの役には立っていると信じたい。
♢
受付にはお約束の美人お姉さんが座っている。少し人見知りなぼっちな僕は、少し緊張しながらも「こんにちは」と声をかける。
「あら、こんにちは。貴方が噂の異世界転移者ね」
「噂って……そんなに噂になってるんですか?」
街の門番の人も僕達が来る事を知っていたみたいだ。
「王都からお触れがあったの。各地に異世界転移者が降臨するから勇者レベルの転移者がいたら報告するようにと」
「あはは……降臨って……。残念ながら僕は勇者じゃないです。授かった力も生産系なので、モンスターハンターにはなれそうにないです」
「あら、そうなの?」
「ええ、まぁ。こんな僕ですけど冒険者登録出来ますか?」
「それは構わないけど………死なないようにね?」
「はい。暫くは日銭稼げる仕事しながら体を鍛えます」
受付のお姉さんに心配されながらも冒険者登録を済ました。他の異世界転移者が此処に来たか尋ねるも誰も来ていないらしい?みんな独自路線で行くのかな?
冒険依頼の掲示板を確認して、僕でも出来そうな簡単なクエストも確認出来たので、冒険者ギルドを出て宿探しへと繰り出す。
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