45 / 64
第三章 運命の決闘《デート》@練習試合
13話
しおりを挟む
13
その日は試合観戦だけで、午後練はなかった。夕食を摂った俺は、Cのグラウンドでダッシュの練習をしていた。佐々と一緒にする練習は、すでに終わっていた。佐々も俺の面倒ばかりは見ていられないからね。
スタート地点に戻った俺は、再び走り始める。最後の一本だ。
今日のテーマは足首の意識だった。様々な部位を意識して練習し自分の走りを見直せば、ぐんと前に進む感覚が得られる日が来ると佐々が教えてくれていた。
自分で書いたラインまでダッシュしてジョギングで戻っていると、ボールを手に持ったコーチが視界に入った。
俺は、「こんばんはーっす」と、頭を下げながら体育会系な感じで挨拶をする。
コーチは、「ダッシュ練が終わったら教えてくれ。話がある」と、真剣な様子だ。
「はい。ちょうど終わりましたっすよ」
俺の返事を聞いたコーチは、「おう」と答えた。
「女子Aとの試合だけどな、水池は間違いなく左ウイングに入る。マークは沖原だが、お前も何度もやりあうことになるだろう」
コーチは俺の目を真っ直ぐに見ている。
「わかってるっすよ。完全無欠に止めてやるだけっすわ」と俺は、力強く返す。
「おう、期待してんぜ。けどそこは『超絶姉妹』の片割れだ。一筋縄ではいかん。そこでだ」
言葉を切ったコーチは、持っていたボールを落として、足の甲で去なした。
「今から俺と一対一だ。お前を鍛え直してやる。構えろ」
言い終えたコーチは、左足のイン・サイドで、ちょんとボールを出した。俺は即座に半身になる。
元、全国ベスト4のチームのフォワードとのマッチアップか。臨むところじゃんかよ。シャットアウトして、自信満々で聖戦を迎えちゃいますかね。
その日は試合観戦だけで、午後練はなかった。夕食を摂った俺は、Cのグラウンドでダッシュの練習をしていた。佐々と一緒にする練習は、すでに終わっていた。佐々も俺の面倒ばかりは見ていられないからね。
スタート地点に戻った俺は、再び走り始める。最後の一本だ。
今日のテーマは足首の意識だった。様々な部位を意識して練習し自分の走りを見直せば、ぐんと前に進む感覚が得られる日が来ると佐々が教えてくれていた。
自分で書いたラインまでダッシュしてジョギングで戻っていると、ボールを手に持ったコーチが視界に入った。
俺は、「こんばんはーっす」と、頭を下げながら体育会系な感じで挨拶をする。
コーチは、「ダッシュ練が終わったら教えてくれ。話がある」と、真剣な様子だ。
「はい。ちょうど終わりましたっすよ」
俺の返事を聞いたコーチは、「おう」と答えた。
「女子Aとの試合だけどな、水池は間違いなく左ウイングに入る。マークは沖原だが、お前も何度もやりあうことになるだろう」
コーチは俺の目を真っ直ぐに見ている。
「わかってるっすよ。完全無欠に止めてやるだけっすわ」と俺は、力強く返す。
「おう、期待してんぜ。けどそこは『超絶姉妹』の片割れだ。一筋縄ではいかん。そこでだ」
言葉を切ったコーチは、持っていたボールを落として、足の甲で去なした。
「今から俺と一対一だ。お前を鍛え直してやる。構えろ」
言い終えたコーチは、左足のイン・サイドで、ちょんとボールを出した。俺は即座に半身になる。
元、全国ベスト4のチームのフォワードとのマッチアップか。臨むところじゃんかよ。シャットアウトして、自信満々で聖戦を迎えちゃいますかね。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
双子の妹の保護者として、今年から共学になった女子高へ通う兄の話
東岡忠良
青春
二卵性双生児の兄妹、新屋敷竜馬(しんやしきりょうま)と和葉(かずは)は、元女子高の如月(きさらぎ)学園高校へ通うことになった。
今年から共学となったのである。
そこは竜馬が想像していた以上に男子が少なかった。
妹の和葉は学年一位の成績のGカップ美少女だが、思春期のせいか、女性のおっぱいの大きさが気になって仕方がなく、兄竜馬の『おちんちん』も気になって仕方がない。
スポーツ科には新屋敷兄弟と幼稚園からの幼馴染で、長身スポーツ万能Fカップのボーイッシュ少女の三上小夏(みかみこなつ)。
同級生には学年二位でHカップを隠したグラビアアイドル級美人の相生優子(あいおいゆうこ)。
中学からの知り合いの小柄なIカップロリ巨乳の瀬川薫(せがわかおる)。
そして小柄な美少年男子の園田春樹(そのだはるき)。
竜馬の学園生活は、彼らによって刺激的な毎日が待っていた。
新屋敷兄妹中心に繰り広げられる学園コメディーです。
それと『お気に入り』を押して頂けたら、とても励みになります。
よろしくお願い致します。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
草ww破滅部活動日記!
koll.
青春
千葉県にある谷武高校の部活。草ww破滅部。そのメンバーによる、草wwを滅するためにつくった、部活。そして、そのメンバーのゆるい、そして、時には友情、恋愛。草ww破滅部が贈る日常友情部活活動日記である!
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
私たち、博麗学園おしがまクラブ(非公認)です! 〜特大膀胱JKたちのおしがま記録〜
赤髪命
青春
街のはずれ、最寄り駅からも少し離れたところにある私立高校、博麗学園。そのある新入生のクラスのお嬢様・高橋玲菜、清楚で真面目・内海栞、人懐っこいギャル・宮内愛海の3人には、膀胱が同年代の女子に比べて非常に大きいという特徴があった。
これは、そんな学校で普段はトイレにほとんど行かない彼女たちの爆尿おしがまの記録。
友情あり、恋愛あり、おしがまあり、そしておもらしもあり!? そんなおしがまクラブのドタバタ青春小説!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる