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第三章 運命の決闘《デート》@練習試合

13話

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 その日は試合観戦だけで、午後練はなかった。夕食を摂った俺は、Cのグラウンドでダッシュの練習をしていた。佐々と一緒にする練習は、すでに終わっていた。佐々も俺の面倒ばかりは見ていられないからね。
 スタート地点に戻った俺は、再び走り始める。最後の一本だ。
 今日のテーマは足首の意識だった。様々な部位を意識して練習し自分の走りを見直せば、ぐんと前に進む感覚が得られる日が来ると佐々が教えてくれていた。
 自分で書いたラインまでダッシュしてジョギングで戻っていると、ボールを手に持ったコーチが視界に入った。
 俺は、「こんばんはーっす」と、頭を下げながら体育会系な感じで挨拶をする。
 コーチは、「ダッシュ練が終わったら教えてくれ。話がある」と、真剣な様子だ。
「はい。ちょうど終わりましたっすよ」
 俺の返事を聞いたコーチは、「おう」と答えた。
「女子Aとの試合だけどな、水池は間違いなく左ウイングに入る。マークは沖原だが、お前も何度もやりあうことになるだろう」
 コーチは俺の目を真っ直ぐに見ている。
「わかってるっすよ。完全無欠に止めてやるだけっすわ」と俺は、力強く返す。
「おう、期待してんぜ。けどそこは『超絶姉妹』の片割れだ。一筋縄ではいかん。そこでだ」
 言葉を切ったコーチは、持っていたボールを落として、足の甲で去なした。
「今から俺と一対一だ。お前を鍛え直してやる。構えろ」
 言い終えたコーチは、左足のイン・サイドで、ちょんとボールを出した。俺は即座に半身になる。
 元、全国ベスト4のチームのフォワードとのマッチアップか。臨むところじゃんかよ。シャットアウトして、自信満々で聖戦を迎えちゃいますかね。
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