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第二章 負けられぬハンデ戦@賭けミニゲーム

4話

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 ランニング、ストレッチを終えた俺たちは、フィールド・テストという、フィジカル能力を測るテストに移った。初めに、垂直跳びとキックの飛距離測定を行った。
 垂直跳びは元バレー部の面目躍如である。宙に舞うことヘリコプターの如しで、思くそ跳んでやった結果、大概の奴には勝てたよ。
 キックの飛距離も悪くない結果だった。小学生の頃、かなり練習した甲斐があった。
 キックの飛距離測定の次は、五十m走だった。
 Cのメンバーの先頭に位置する俺と佐々は、隣同士で白線の手前にいた。離れたところにいるコーチの近くにも白線が引かれている。
 ノートとボールペンを持ったコーチが、口に加えたホイッスルを鳴らした。俺は、足を全力で動かし始める。
 十mも行かないうちに、佐々が前に出た。疾い。ぐんぐん離される。足の回転速度が、一・三倍ほどに感じる。
 佐々が白線を超えた。俺も、一秒ほど遅れてゴールする。
「五秒九、七秒〇」淡々とした柳沼コーチの声が耳に飛び込んできた。徐々にスピードを落として、ジョギングを始める。
 七秒ジャストか。やっぱ、七秒の壁は厚いねぇ。ま、試合だとポジショニングでカバーできるし、そんなに気にしちゃいないけど。FCバルセロナのブスケツが良い例である。ポジションは俺より一つ前だけどね。
 しかし、佐々、高一にして五秒台とはマジ恐れ入る。素人なのになんで最下層のDじゃないの? って疑問だったけど、身体能力が半端なかったわけね。
 ゴール付近にいる俺がアキレス腱を伸ばす中、次々とタイム計測が行われる。数えちゃいないけど、半数以上が七秒を切っている印象だ。さすが竜神、Cでも選手のスペックは高い。
「うし、ちょっと休憩」いつものいかつい表情で告げた柳沼コーチは、ライン・カーを動かして、新たに白線を引き始めた。
 五分ほど休んだ後、俺たちは、一列に白線上に並んだ。ほぼ真ん中にいる俺にも、両端の選手は小さく見える。
「次はシャトル・ランな。連続で遅れたら失格。自分で判断して、外に出ろ」
 柳沼コーチが声を張り上げた。数秒の後に、コンポから女性の声が流れ始める。
「五秒前。三、二、一、スタート」
 俺たちは、一斉に走り始めた。
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