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第二章 境界の砦
11 タラークの誤算は続く
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《タラークの誤算は続く》
ケリーの家族が暮らすサラサ村は、タラークの屋敷とキヒロ商会本店がある大都市バヌラッドから馬車で三日、西アゴートから馬車で二日ほどの小さなのどかな所だ。畑や家畜の牧草地が広がる中に何軒かの家がぽつぽつと点在して小さな集落になっていた。
二本の木に挟まれるようにして、木造の小さな平屋が建っている。手すりの付いた階段が家の正面にあり、周囲を花や緑が飾っている。こじんまりした庭には手入れのいい花壇と薬草の畑があった。
行商人では稼ぎも高が知れているが、ケリーの妻は一年中旅を続ける夫の留守を守って質実に暮らしているのだろう。質素だが温みのある家庭的な印象が感じられた。
青いチーター耳のカロロンが乗る馬車が、手下の三人を連れてケリーの家の前へ乗り着けた。馬車から降りても、家は静かだった。ケリーの家族はケリーと妻、子供一人の三人家族だと聞いている。
曇りがちの空の下、冷たさを含む風が乾いた土埃を立てて石の転がる小さな道を吹き過ぎる。
実りを迎えた畑と、草を食む牛が見えるばかりの景色が広がっている。少し先の道端に旅人らしいローブを着た男がぽつんと座っているだけだ。
カロロンが家の呼び鈴の紐を引っ張っても扉を叩いても、誰も出てくる様子がなかった。扉に鍵がかかっていたが、部下に壊させて家の中に押し入る。
中は整然と片付けられて誰もいない。病気の子供は弱っていて外に出ることはないと聞いていたのだが。
子供部屋も空だったし、台所にも食料など傷みそうなものが見当たらない。
「先を越されたようですな?」
部下がカロロンに遠慮がちに告げる。忌々し気に口元を歪めたカロロンは返事も返さず、家の扉を乱暴に開けて外へ出た。
家族がまだその辺にいるのでは、いつどこへ行ったのか、わかるものでもないかと家の周囲に目を走らせる。
道端にいる旅人のところまで足を運んだ。
「おい、あそこの家の者が出かけたところを見なかったか?」
カロロンのいきなりな質問に、革袋の水を飲んでいた旅人はフードの中から目をぱちぱちと瞬いた。
「さあ。知らんな。少なくとも、俺がここで休んでいる間は、誰も出てこなかったが。留守なのか?」
「何でもない」
一休みしているだけの旅人に訊いても仕方のないことだったと、カロロンは男に背を向けた。
「おい、引き上げるぞ」
カロロンは部下たちに声を掛けると、馬車に乗り込んで村を後にする。タラークになんと報告しようかと、今から頭が痛かった。
自分の保身にいっぱいいっぱいだったカロロンは、だから、旅人の男が立ち上がって馬車の去る方角をじっと見ていたことには気づかなかった。
ダン! グワシャ! バリン!
豪奢で高価な椅子が勢いよく吹っ飛び、壁に激突してついに砕けた。布張りの壁にも穴が開いて、壁布が裂ける。
報告をしたカロロンは自分が蹴られたような心持ちで、耳を伏せ尻尾も巻いて小さくなった。
タラークはグルルルと暫く喉の奥で唸り声をあげていたが、ややあって呼吸を収めてカロロンに視線を戻す。
「カロロン、お前の責任じゃない。むしろ、迅速によく知らせてくれた」
怒りを抑えた静かな声に、馬車より先に獣化して駆け戻って良かったとほっとする。馬で駆けてもどうしても一日かかるところを、その日のうちに戻ることができたのだ。
どれほど怒りに駆られていても、こうして冷静になれるところがタラークを大商人にしている理由だ。
「ケリーの家族を連れて行ったのは、おそらくお節介な砦の人間だ。だが、迅速な報告のおかげで、まだ砦に着いていないかもしれない。カロロン、まだ砦に入っていないようだったら、ケリーの家族を途中で押さえろ。ケリーは砦の中にいる。家族はまだ使える。手駒に好きな人材を自由に連れていけ。許可する。だが、騎士が護衛していたりして、争いになるようなら無理をするな。人間国と諍いになると面倒だ」
カロロンは頭を下げると、部屋をすぐに下がって行った。馬車が通る街道は決まっている。そちらはカロロンに任せておけばいい。
タラークは執務机の前に座ってペンを取った。南の地域に生育する非常に硬くて重い材質で造られた美しい光沢のある贅沢な大きな机だ。これを運ばせるのに、大型馬車と大勢の人夫を雇い、三か月もかかった。人間の王でもこれほどの机は持っていないだろうと自負する自慢の品だ。
手紙を書き終えると、ベルを鳴らして執事を呼ぶ。
「これを西アゴートの支店長に届けろ。最速でだ」
砦に隠れているなら、釣りだせばいい。タラークは自分も西アゴートへ出向こうと支度にかかることにした。
***
ガラガラガラ。
騎士二人が馬で護衛した馬車が砦前に横づけされた。砦前では門番の兵のほかに、松葉杖をついたケリーとアーヤ、アーヤの保護者を自任するビートが出ていた。
馬車の扉が開くと、中からスミソン隊長がまず降りてきて、中の者が降りるのを介添えするように手を差し伸べる。その手に手を預けて、申し訳なさそうな様子でウサ耳の婦人が降りて来た。
「ルーラ!」
ケリーが声を上げた。
「ケリー! 良かった。元気そうね」
二十代半ば頃とみられる女性は、水色の耳をぴくぴくと嬉しそうに立てて微笑んだ。優しそうな可愛い感じの人だ。
「お父さん!」
スミソンに抱っこされて水色のキツネ耳の男の子が降りてきた。アーヤよりは大きいが、パムと同年代にしたら細く小さくて、顔色も悪く弱弱しく見える。
ケリーが松葉杖を慌ただしく操って寄って行く。
「気持ち悪くないか? どこか具合の悪いところはないか?」
「大丈夫だよ、お父さん。スミソンさんがとても優しくしてくれたから。僕、初めて馬車に乗ったんだよ!」
「そうか、良かったな」
ケリーが片手で、息子の水色の髪を愛しそうに撫でた。ルーラがスミソンからリュイを受け取って、腕に抱き直す。か細いように見えて、獣人だからなのかリュイの身体をやすやすと抱いていた。
「ありがとうございました」
スミソン隊長たちに、ケリーが深々と頭を下げて感謝する。砦で療養している間中、タラークが家族に何かしないかと不安でたまらなかったのだ。契約不履行で家族に責任を負わされても文句の言えない立場だった。
家族がほのぼのと再会している様子をじっと見ながらそわそわしているアーヤをビートが見下ろした。耳がぴんとリュイの方に向けられて、尻尾もぴんと立ったまま先がふるふるしている。時々、ビートの足をびたんと叩くのは、気持ちが急いている表れだろう。
それでも、人差し指を噛みながら、家族の邪魔をしないように我慢している。
「ケリー」
一声、ケリーの名を呼んで注意を向けてやる。呼ばれたケリーはアーヤに気づいて、手招きした。
「リュイ。お前の友達を紹介しよう。アーヤだ」
アーヤはそわそわと待っていたくせに、おどおどとしながらそろりと近づく。リュイがお母さんの腕の中から、緑の目をきらきらさせてアーヤを見ていた。
「アーヤにゃの」
「僕はリュイ。お友達になってくれるの?」
「うん。リュイ、友達にゃの!」
「ありがとう! 嬉しいな。友達は初めてなんだ。こんな可愛い友達で嬉しい」
リュイが手を伸ばしてきたので、アーヤもその手を取ってぎゅっと握った。柔らかくて、ちょっと冷たい手だった。アーヤの耳はピンピン。尻尾もピンピン。
「アーヤは三つだから、もう、大きいにょ!」
「あはは、そうだね。僕は四歳だから、アーヤのお兄さんだよ」
アーヤはリュイの手をそっと擦った。
「寒いにょ?」
「大丈夫。アーヤはあったかいね」
「あとね、パムも友達にゃんにゃ。今、遠くへ入院してりゅの」
「そうなんだ。嬉しいな。二人も友達ができたんだね」
アーヤは嬉しくて、リュイと一緒ににっこりと笑った。お母さんの腕の間から、リュイのふさふさ尻尾がぱさりぱさりと嬉しそうに動いている。
「さあ、リュイちゃんが疲れるわよ。リュイちゃんはお父さんと一緒の病室に行きましょうね。お母さんもご一緒にどうぞ」
ぱんぱんと手を叩いて、医療部主任のアメリアが声を掛けた。
「リュイ。後でね!」
「うん。アーヤ。後でね!」
バイバイと手を振りあって、アーヤは病室へ向かう家族を見送った。毛皮の色で嫌われないか心配だったけれど、リュイが受け入れてくれて嬉しくて、アーヤはビートの足にぎゅっと抱きついた。
ビートは黙ってアーヤの頭をぐりぐりと撫でてくれていた。
ケリーの家族が暮らすサラサ村は、タラークの屋敷とキヒロ商会本店がある大都市バヌラッドから馬車で三日、西アゴートから馬車で二日ほどの小さなのどかな所だ。畑や家畜の牧草地が広がる中に何軒かの家がぽつぽつと点在して小さな集落になっていた。
二本の木に挟まれるようにして、木造の小さな平屋が建っている。手すりの付いた階段が家の正面にあり、周囲を花や緑が飾っている。こじんまりした庭には手入れのいい花壇と薬草の畑があった。
行商人では稼ぎも高が知れているが、ケリーの妻は一年中旅を続ける夫の留守を守って質実に暮らしているのだろう。質素だが温みのある家庭的な印象が感じられた。
青いチーター耳のカロロンが乗る馬車が、手下の三人を連れてケリーの家の前へ乗り着けた。馬車から降りても、家は静かだった。ケリーの家族はケリーと妻、子供一人の三人家族だと聞いている。
曇りがちの空の下、冷たさを含む風が乾いた土埃を立てて石の転がる小さな道を吹き過ぎる。
実りを迎えた畑と、草を食む牛が見えるばかりの景色が広がっている。少し先の道端に旅人らしいローブを着た男がぽつんと座っているだけだ。
カロロンが家の呼び鈴の紐を引っ張っても扉を叩いても、誰も出てくる様子がなかった。扉に鍵がかかっていたが、部下に壊させて家の中に押し入る。
中は整然と片付けられて誰もいない。病気の子供は弱っていて外に出ることはないと聞いていたのだが。
子供部屋も空だったし、台所にも食料など傷みそうなものが見当たらない。
「先を越されたようですな?」
部下がカロロンに遠慮がちに告げる。忌々し気に口元を歪めたカロロンは返事も返さず、家の扉を乱暴に開けて外へ出た。
家族がまだその辺にいるのでは、いつどこへ行ったのか、わかるものでもないかと家の周囲に目を走らせる。
道端にいる旅人のところまで足を運んだ。
「おい、あそこの家の者が出かけたところを見なかったか?」
カロロンのいきなりな質問に、革袋の水を飲んでいた旅人はフードの中から目をぱちぱちと瞬いた。
「さあ。知らんな。少なくとも、俺がここで休んでいる間は、誰も出てこなかったが。留守なのか?」
「何でもない」
一休みしているだけの旅人に訊いても仕方のないことだったと、カロロンは男に背を向けた。
「おい、引き上げるぞ」
カロロンは部下たちに声を掛けると、馬車に乗り込んで村を後にする。タラークになんと報告しようかと、今から頭が痛かった。
自分の保身にいっぱいいっぱいだったカロロンは、だから、旅人の男が立ち上がって馬車の去る方角をじっと見ていたことには気づかなかった。
ダン! グワシャ! バリン!
豪奢で高価な椅子が勢いよく吹っ飛び、壁に激突してついに砕けた。布張りの壁にも穴が開いて、壁布が裂ける。
報告をしたカロロンは自分が蹴られたような心持ちで、耳を伏せ尻尾も巻いて小さくなった。
タラークはグルルルと暫く喉の奥で唸り声をあげていたが、ややあって呼吸を収めてカロロンに視線を戻す。
「カロロン、お前の責任じゃない。むしろ、迅速によく知らせてくれた」
怒りを抑えた静かな声に、馬車より先に獣化して駆け戻って良かったとほっとする。馬で駆けてもどうしても一日かかるところを、その日のうちに戻ることができたのだ。
どれほど怒りに駆られていても、こうして冷静になれるところがタラークを大商人にしている理由だ。
「ケリーの家族を連れて行ったのは、おそらくお節介な砦の人間だ。だが、迅速な報告のおかげで、まだ砦に着いていないかもしれない。カロロン、まだ砦に入っていないようだったら、ケリーの家族を途中で押さえろ。ケリーは砦の中にいる。家族はまだ使える。手駒に好きな人材を自由に連れていけ。許可する。だが、騎士が護衛していたりして、争いになるようなら無理をするな。人間国と諍いになると面倒だ」
カロロンは頭を下げると、部屋をすぐに下がって行った。馬車が通る街道は決まっている。そちらはカロロンに任せておけばいい。
タラークは執務机の前に座ってペンを取った。南の地域に生育する非常に硬くて重い材質で造られた美しい光沢のある贅沢な大きな机だ。これを運ばせるのに、大型馬車と大勢の人夫を雇い、三か月もかかった。人間の王でもこれほどの机は持っていないだろうと自負する自慢の品だ。
手紙を書き終えると、ベルを鳴らして執事を呼ぶ。
「これを西アゴートの支店長に届けろ。最速でだ」
砦に隠れているなら、釣りだせばいい。タラークは自分も西アゴートへ出向こうと支度にかかることにした。
***
ガラガラガラ。
騎士二人が馬で護衛した馬車が砦前に横づけされた。砦前では門番の兵のほかに、松葉杖をついたケリーとアーヤ、アーヤの保護者を自任するビートが出ていた。
馬車の扉が開くと、中からスミソン隊長がまず降りてきて、中の者が降りるのを介添えするように手を差し伸べる。その手に手を預けて、申し訳なさそうな様子でウサ耳の婦人が降りて来た。
「ルーラ!」
ケリーが声を上げた。
「ケリー! 良かった。元気そうね」
二十代半ば頃とみられる女性は、水色の耳をぴくぴくと嬉しそうに立てて微笑んだ。優しそうな可愛い感じの人だ。
「お父さん!」
スミソンに抱っこされて水色のキツネ耳の男の子が降りてきた。アーヤよりは大きいが、パムと同年代にしたら細く小さくて、顔色も悪く弱弱しく見える。
ケリーが松葉杖を慌ただしく操って寄って行く。
「気持ち悪くないか? どこか具合の悪いところはないか?」
「大丈夫だよ、お父さん。スミソンさんがとても優しくしてくれたから。僕、初めて馬車に乗ったんだよ!」
「そうか、良かったな」
ケリーが片手で、息子の水色の髪を愛しそうに撫でた。ルーラがスミソンからリュイを受け取って、腕に抱き直す。か細いように見えて、獣人だからなのかリュイの身体をやすやすと抱いていた。
「ありがとうございました」
スミソン隊長たちに、ケリーが深々と頭を下げて感謝する。砦で療養している間中、タラークが家族に何かしないかと不安でたまらなかったのだ。契約不履行で家族に責任を負わされても文句の言えない立場だった。
家族がほのぼのと再会している様子をじっと見ながらそわそわしているアーヤをビートが見下ろした。耳がぴんとリュイの方に向けられて、尻尾もぴんと立ったまま先がふるふるしている。時々、ビートの足をびたんと叩くのは、気持ちが急いている表れだろう。
それでも、人差し指を噛みながら、家族の邪魔をしないように我慢している。
「ケリー」
一声、ケリーの名を呼んで注意を向けてやる。呼ばれたケリーはアーヤに気づいて、手招きした。
「リュイ。お前の友達を紹介しよう。アーヤだ」
アーヤはそわそわと待っていたくせに、おどおどとしながらそろりと近づく。リュイがお母さんの腕の中から、緑の目をきらきらさせてアーヤを見ていた。
「アーヤにゃの」
「僕はリュイ。お友達になってくれるの?」
「うん。リュイ、友達にゃの!」
「ありがとう! 嬉しいな。友達は初めてなんだ。こんな可愛い友達で嬉しい」
リュイが手を伸ばしてきたので、アーヤもその手を取ってぎゅっと握った。柔らかくて、ちょっと冷たい手だった。アーヤの耳はピンピン。尻尾もピンピン。
「アーヤは三つだから、もう、大きいにょ!」
「あはは、そうだね。僕は四歳だから、アーヤのお兄さんだよ」
アーヤはリュイの手をそっと擦った。
「寒いにょ?」
「大丈夫。アーヤはあったかいね」
「あとね、パムも友達にゃんにゃ。今、遠くへ入院してりゅの」
「そうなんだ。嬉しいな。二人も友達ができたんだね」
アーヤは嬉しくて、リュイと一緒ににっこりと笑った。お母さんの腕の間から、リュイのふさふさ尻尾がぱさりぱさりと嬉しそうに動いている。
「さあ、リュイちゃんが疲れるわよ。リュイちゃんはお父さんと一緒の病室に行きましょうね。お母さんもご一緒にどうぞ」
ぱんぱんと手を叩いて、医療部主任のアメリアが声を掛けた。
「リュイ。後でね!」
「うん。アーヤ。後でね!」
バイバイと手を振りあって、アーヤは病室へ向かう家族を見送った。毛皮の色で嫌われないか心配だったけれど、リュイが受け入れてくれて嬉しくて、アーヤはビートの足にぎゅっと抱きついた。
ビートは黙ってアーヤの頭をぐりぐりと撫でてくれていた。
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