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第三章 続続編 古代魔法陣の罠
5 新婚初夜? R18
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《ロワクレス視点》
扉を開けてシュンが顔を覗かせた。私と目が合うと、ぼっと真っ赤になる。手招きしてやると、おずおずとした感じで入って来た。バスローブを胸のところでぎゅっと押さえながら寝台に寄ってくる。
これまで幾度も肌を重ねてきて今更だろうに、妙に挙動不審なシュンを見守るうちに、私の鼓動までおかしくなってきた。
――これは何だ? 新婚の初夜、なのか?
意識すると、私まで挙動不審になりそうだった。
寝台が重みで沈み、シュンが私の傍らに座る。湯で暖まったせいかふわりとシュンの香りが匂い立った。それだけで、私の欲がずぐりと立上がるのを覚える。
シュンの身体に腕を回すと、体重を預けて来た。自分に抱き寄せながら、シュンの身体の温かい熱に心が包まれていくような気がした。
傍らに視線を送ると、シュンが見上げてくる。頬を桜色に染め、恥じらうシュンはとても愛らしくて艶やかだ。
大きな潤んだ黒い眼が甘さを湛えて私を見つめる。幼く見える彼の中で、その眼だけは普段冷静に落ち着いていて、戦闘時には底光りする厳しさもみせる。そんな眼のシュンに惹かれているが、今の蕩けるように優しい瞳もたまらない。誰にも見せたくないと思ってしまう。
引き結んだ意思の強い口元が、僅かに開いて私の口付けを待っていた。
小さくて華奢なのに強くて男らしく勇敢で、そしてとても可愛いシュンが、今だけ妖艶な美しさを纏う。
こんな素晴らしいシュンを独占できる喜びと誇りに身体が震えるようだ。
待ちかねている唇に口付けを落としながら、バスローブを引きはがす。やはりその下は何も身につけていなかった。
なんていじらしいシュン。愛し過ぎて、私は狂ってしまう。
「シュン。愛している」
耳に囁きながら上から押さえつけるようにして寝台に倒して行く。
「ロワ。俺も。俺もあんたが好きだ」
掠れた声で欲しい言葉を返してくれた。それなのに、腕を私の首に巻き付けて、彼はなおも言葉を続ける。
「ロワ。俺をもらってくれるか?」
何を今更? とシュンの顔を見つめると、彼は思いがけず真摯な表情を浮かべていた。
「俺は女じゃない。あんたに子供を作ってやれない。男の俺を伴侶にしたら、あんたの立場も悪くなる。いろいろ後ろ指を指され、要らぬ嘲笑も受けるだろう。あんたのことを思ったら、本当は俺はあんたの側にいるべきじゃないって判っている。これは俺のエゴだ。俺の身勝手な欲だ」
私が反論の言葉を上げようとした口を押えられた。
「あんたの気持ちは知っている。だから、俺も勇気を出して正直に言うんだ。あんたが俺を必要と思ってくれるように、俺もあんたが必要なんだって。あんたが欲しい。誰にも渡したくない。あんたの全部を俺にくれ。俺も全部、あんたにやる。死ぬまでずっと一緒に」
そしてぎゅっと私にしがみついてきた。私は感動に打ち震えた。胸が張り裂けるほどに嬉しくて、しばらく身動きもできなかった。
シュンは今の夜を、新居を構えたこの夜を、特別な初夜として、私に告げ誓ってくれたのだ。
私はベッドに身体を起こすと、シュンを引き起こして座らせた。私もバスローブを落とし素裸になって向き合う。何も隠さず何もごまかさず、生まれたままの姿で。シュンの右手を取り、その甲に口づけた。
「シュン、私も誓う。生涯、そして、死して後も、世界の続く限り、私はお前だけを愛す。私の全てはお前のものだ。お前の全ては私のものだ。歓びも悲しみも全てを共に」
ここは立派な神殿でもなければ、誓いを見届ける神官も友もいないが、神の前で誓ったように厳かな気持ちになった。はっきりと言葉で生涯を誓い合ったのだ。
これよりシュンは私の伴侶になったのだと、判った。
シュンが私の左耳にあるペアのイアーカフにそっと触れて、嬉しそうに笑った。先日宝飾店で一緒に選んだ品だ。シュンの目の黒曜石と私の色の蒼石を並べた金のカフ。
シュンの晴れやかな笑みに私も自然と笑顔になる。シュンの右耳のイアーカフに口付けし、そのまま彼の口に口付けをする。優しい触れるだけの誓いの口付け。シュンも口付けを返してくれた。
「愛してる。ロワ。俺をもらって?」
なんて幸せそうに告げてくれるのだろう。そして、どこまでも私を煽り立ててくる。
「ああ、お前をもらうぞ」
私の情欲は決壊して溢れ出し、堰き止める術を失った。シュン、責任をとってくれるな?
***
《シュン視点》
ロワクレスとの新しい家での初めての生活が始まる。今日はその初めての夜だった。
壁板の塗料がまだ匂うような真新しい風呂場で湯を使いながら、俺はどきどきと胸が高鳴って落ち着かない。
――俺は新婚の花嫁か? 乙女か?
舌打ちして呆れてみるが、俺の心臓は正直に緊張を訴えて鳴りやまなかった。なんてこった! 俺がこれほど純情だったなんて、思ってもみなかった。
感情は戦闘には邪魔なだけだ。心の動きは殺し封じてしまうほうが、生き残れる。そうやって生きて来たはずだった。
だが、ロワクレスが俺の封じたはずの心を揺さぶり、感情を引き出した。
感情がこれほど強いものだったなんて、知らなかった。
感情は苦しくて、甘美だった。俺の心はたった一人の男を求めて狂いだす。
ロワクレス! あんたを!
俺はあんたを求める喜びを知ってしまった。全てを排しても。誰をも傷つけても。例えロワクレス、あんたを不利にさせ苦しめることになってさえも。
それでも、俺はあんたが欲しい。
あんたの側にいると決めたから。
あんたに、二度とあんな想いをさせない。あんな顔をさせない。
そう決めたんだ。
だから、誓った。自分の精一杯の想いを告げて。
まるで初床を迎える新妻のように、ベッドの上で。
そうしたら、ロワクレスも誓ってくれた。
まるで、結婚式みたいじゃないか。
照れてしまったけれど、すごく嬉しかった。俺がロワクレスの伴侶でいていいんだと、改めて告げられた気がした。
そんなちょっと厳粛な雰囲気だったのに。
なんで、そんなに盛るのかな? ロワ?
まるで我慢してないよな? もう、思いっきり好きなように貪ってるよな?
身体中にキスされて、あんな所やこんな所まで舐められて、俺は息も絶え絶えにされた。すっかり出来上がった俺は貫かれる勢いのまま喉が勝手に声を上げて止まらない。優しい男が、なんでこの時ばかりはサド全開なんだろう?
でも、求められるのは嬉しい。これだけ俺を欲しがっているんだって実感できるから。
そして、俺にも求めて欲しいってロワが思っていることも知っている。
ロワは自分の欲望を隠さない。俺が欲しいってダイレクトに伝えてくれている。
視線を上げれば、組み敷いたロワが情欲に燃える熱く滾った視線で俺を見つめていた。
――どくん!
心臓が大きく跳ねた。
はあ、はあと荒く息を継ぎ、全力で俺を貪っている男が愛しい。
何も隠す必要なんかないんだ。ロワは俺の醜さも汚さも、弱さも全部ひっくるめて受け止めてくれている。だから、気後れだとか恥ずかしいだとか、そんな小さな躊躇いなんか二人の間には要らない。
ロワが正直に自分の欲望をさらけ出してくれるのだから、俺も応えるべきだ。
俺はテレキネシスでロワの身体を反転させた。驚いて目を見張っていたけれど、俺の腕力じゃロワの身体をひっくり返せない。
さらに軽くロワの身体をシーツに押さえて、俺は繋がったままの状態で上に跨った。騎乗位って奴だ。
俺が淫らに腰を蠢かしながら自分の欲を全開にしてねっとりとロワを見つめると、ロワがにやっと嬉しそうに笑った。
「ロワ、あんたを喰ってやるよ」
「ああ、好きなだけ貪れ。全部くれてやる」
ロワから溢れてくる男の色気が凄まじい。ロワ、なんてエロイんだ。
上になると、なんだか俺の身体がロワを食らっている錯覚に陥って来た。腰を上げるとぬるりと濡れたロワのものが出てくる。太くて大きくてひどく淫猥で。こんな巨大なものが俺の中に収まるなんて信じられないよ。それを、自分の意思で収めて行くと淫らな音を立てながら白濁する液が飛び出してくる。
「ああ……あ、ん」
「ん……はっ」
ロワの低くてぞくぞくする声が俺の漏らす高い喘ぎに重なる。
俺は嬉しくてロワの逞しい腹や胸にキスをして、肩に噛みつく。
程よく鍛えた体はしなやかで柔軟だ。いつも惚れ惚れとするロワの体躯。
首は痕がつかないように舐め上げて、匂いを嗅ぐために鼻を擦り付ける。ロワの身体がびくびくと震えた。俺の中でロワがさらに大きく膨れ上がる。
思わず喘いで首筋を噛んでしまった。
「シュ……ン」
ロワが焦ったように名前を呼んでくる。限界が近いのかな。
口にキスしたら、噛みつかれるように吸われた。
ロワの眼は欲望にギラつく獣の目だ。俺もきっと同じ目をしている。ロワが欲しくて飢えた獣の顔になっているはず。
――ロワ、もらった。あんたを喰う!
俺は自分の欲望のままに腰を動かした。ロワも俺の腰を掴んで下から突き上げてきた。
「ロ……ワ、あああっあっ!」
「シュン、シュン! くっ!」
ロワが俺の中で弾けるのを感じて、俺もロワの腹や胸に放った。
やりとげた充足感とともに脱力して、俺はロワの上にへにゃっと潰れる。
――もう、いい。このまま眠ろう、ロワ。俺は全力を出し切った。
俺は忘れていたんだ。ロワクレスが絶倫だったってことを。そして、俺はどうやら彼の中のまずいスイッチを入れてしまったらしい。
――頼む。ロワ。俺、もうとっくに限界だよ。お願い。眠らせてくれー!
俺の叫びは、空が白々と明るくなるまで空しく続くことになった。
扉を開けてシュンが顔を覗かせた。私と目が合うと、ぼっと真っ赤になる。手招きしてやると、おずおずとした感じで入って来た。バスローブを胸のところでぎゅっと押さえながら寝台に寄ってくる。
これまで幾度も肌を重ねてきて今更だろうに、妙に挙動不審なシュンを見守るうちに、私の鼓動までおかしくなってきた。
――これは何だ? 新婚の初夜、なのか?
意識すると、私まで挙動不審になりそうだった。
寝台が重みで沈み、シュンが私の傍らに座る。湯で暖まったせいかふわりとシュンの香りが匂い立った。それだけで、私の欲がずぐりと立上がるのを覚える。
シュンの身体に腕を回すと、体重を預けて来た。自分に抱き寄せながら、シュンの身体の温かい熱に心が包まれていくような気がした。
傍らに視線を送ると、シュンが見上げてくる。頬を桜色に染め、恥じらうシュンはとても愛らしくて艶やかだ。
大きな潤んだ黒い眼が甘さを湛えて私を見つめる。幼く見える彼の中で、その眼だけは普段冷静に落ち着いていて、戦闘時には底光りする厳しさもみせる。そんな眼のシュンに惹かれているが、今の蕩けるように優しい瞳もたまらない。誰にも見せたくないと思ってしまう。
引き結んだ意思の強い口元が、僅かに開いて私の口付けを待っていた。
小さくて華奢なのに強くて男らしく勇敢で、そしてとても可愛いシュンが、今だけ妖艶な美しさを纏う。
こんな素晴らしいシュンを独占できる喜びと誇りに身体が震えるようだ。
待ちかねている唇に口付けを落としながら、バスローブを引きはがす。やはりその下は何も身につけていなかった。
なんていじらしいシュン。愛し過ぎて、私は狂ってしまう。
「シュン。愛している」
耳に囁きながら上から押さえつけるようにして寝台に倒して行く。
「ロワ。俺も。俺もあんたが好きだ」
掠れた声で欲しい言葉を返してくれた。それなのに、腕を私の首に巻き付けて、彼はなおも言葉を続ける。
「ロワ。俺をもらってくれるか?」
何を今更? とシュンの顔を見つめると、彼は思いがけず真摯な表情を浮かべていた。
「俺は女じゃない。あんたに子供を作ってやれない。男の俺を伴侶にしたら、あんたの立場も悪くなる。いろいろ後ろ指を指され、要らぬ嘲笑も受けるだろう。あんたのことを思ったら、本当は俺はあんたの側にいるべきじゃないって判っている。これは俺のエゴだ。俺の身勝手な欲だ」
私が反論の言葉を上げようとした口を押えられた。
「あんたの気持ちは知っている。だから、俺も勇気を出して正直に言うんだ。あんたが俺を必要と思ってくれるように、俺もあんたが必要なんだって。あんたが欲しい。誰にも渡したくない。あんたの全部を俺にくれ。俺も全部、あんたにやる。死ぬまでずっと一緒に」
そしてぎゅっと私にしがみついてきた。私は感動に打ち震えた。胸が張り裂けるほどに嬉しくて、しばらく身動きもできなかった。
シュンは今の夜を、新居を構えたこの夜を、特別な初夜として、私に告げ誓ってくれたのだ。
私はベッドに身体を起こすと、シュンを引き起こして座らせた。私もバスローブを落とし素裸になって向き合う。何も隠さず何もごまかさず、生まれたままの姿で。シュンの右手を取り、その甲に口づけた。
「シュン、私も誓う。生涯、そして、死して後も、世界の続く限り、私はお前だけを愛す。私の全てはお前のものだ。お前の全ては私のものだ。歓びも悲しみも全てを共に」
ここは立派な神殿でもなければ、誓いを見届ける神官も友もいないが、神の前で誓ったように厳かな気持ちになった。はっきりと言葉で生涯を誓い合ったのだ。
これよりシュンは私の伴侶になったのだと、判った。
シュンが私の左耳にあるペアのイアーカフにそっと触れて、嬉しそうに笑った。先日宝飾店で一緒に選んだ品だ。シュンの目の黒曜石と私の色の蒼石を並べた金のカフ。
シュンの晴れやかな笑みに私も自然と笑顔になる。シュンの右耳のイアーカフに口付けし、そのまま彼の口に口付けをする。優しい触れるだけの誓いの口付け。シュンも口付けを返してくれた。
「愛してる。ロワ。俺をもらって?」
なんて幸せそうに告げてくれるのだろう。そして、どこまでも私を煽り立ててくる。
「ああ、お前をもらうぞ」
私の情欲は決壊して溢れ出し、堰き止める術を失った。シュン、責任をとってくれるな?
***
《シュン視点》
ロワクレスとの新しい家での初めての生活が始まる。今日はその初めての夜だった。
壁板の塗料がまだ匂うような真新しい風呂場で湯を使いながら、俺はどきどきと胸が高鳴って落ち着かない。
――俺は新婚の花嫁か? 乙女か?
舌打ちして呆れてみるが、俺の心臓は正直に緊張を訴えて鳴りやまなかった。なんてこった! 俺がこれほど純情だったなんて、思ってもみなかった。
感情は戦闘には邪魔なだけだ。心の動きは殺し封じてしまうほうが、生き残れる。そうやって生きて来たはずだった。
だが、ロワクレスが俺の封じたはずの心を揺さぶり、感情を引き出した。
感情がこれほど強いものだったなんて、知らなかった。
感情は苦しくて、甘美だった。俺の心はたった一人の男を求めて狂いだす。
ロワクレス! あんたを!
俺はあんたを求める喜びを知ってしまった。全てを排しても。誰をも傷つけても。例えロワクレス、あんたを不利にさせ苦しめることになってさえも。
それでも、俺はあんたが欲しい。
あんたの側にいると決めたから。
あんたに、二度とあんな想いをさせない。あんな顔をさせない。
そう決めたんだ。
だから、誓った。自分の精一杯の想いを告げて。
まるで初床を迎える新妻のように、ベッドの上で。
そうしたら、ロワクレスも誓ってくれた。
まるで、結婚式みたいじゃないか。
照れてしまったけれど、すごく嬉しかった。俺がロワクレスの伴侶でいていいんだと、改めて告げられた気がした。
そんなちょっと厳粛な雰囲気だったのに。
なんで、そんなに盛るのかな? ロワ?
まるで我慢してないよな? もう、思いっきり好きなように貪ってるよな?
身体中にキスされて、あんな所やこんな所まで舐められて、俺は息も絶え絶えにされた。すっかり出来上がった俺は貫かれる勢いのまま喉が勝手に声を上げて止まらない。優しい男が、なんでこの時ばかりはサド全開なんだろう?
でも、求められるのは嬉しい。これだけ俺を欲しがっているんだって実感できるから。
そして、俺にも求めて欲しいってロワが思っていることも知っている。
ロワは自分の欲望を隠さない。俺が欲しいってダイレクトに伝えてくれている。
視線を上げれば、組み敷いたロワが情欲に燃える熱く滾った視線で俺を見つめていた。
――どくん!
心臓が大きく跳ねた。
はあ、はあと荒く息を継ぎ、全力で俺を貪っている男が愛しい。
何も隠す必要なんかないんだ。ロワは俺の醜さも汚さも、弱さも全部ひっくるめて受け止めてくれている。だから、気後れだとか恥ずかしいだとか、そんな小さな躊躇いなんか二人の間には要らない。
ロワが正直に自分の欲望をさらけ出してくれるのだから、俺も応えるべきだ。
俺はテレキネシスでロワの身体を反転させた。驚いて目を見張っていたけれど、俺の腕力じゃロワの身体をひっくり返せない。
さらに軽くロワの身体をシーツに押さえて、俺は繋がったままの状態で上に跨った。騎乗位って奴だ。
俺が淫らに腰を蠢かしながら自分の欲を全開にしてねっとりとロワを見つめると、ロワがにやっと嬉しそうに笑った。
「ロワ、あんたを喰ってやるよ」
「ああ、好きなだけ貪れ。全部くれてやる」
ロワから溢れてくる男の色気が凄まじい。ロワ、なんてエロイんだ。
上になると、なんだか俺の身体がロワを食らっている錯覚に陥って来た。腰を上げるとぬるりと濡れたロワのものが出てくる。太くて大きくてひどく淫猥で。こんな巨大なものが俺の中に収まるなんて信じられないよ。それを、自分の意思で収めて行くと淫らな音を立てながら白濁する液が飛び出してくる。
「ああ……あ、ん」
「ん……はっ」
ロワの低くてぞくぞくする声が俺の漏らす高い喘ぎに重なる。
俺は嬉しくてロワの逞しい腹や胸にキスをして、肩に噛みつく。
程よく鍛えた体はしなやかで柔軟だ。いつも惚れ惚れとするロワの体躯。
首は痕がつかないように舐め上げて、匂いを嗅ぐために鼻を擦り付ける。ロワの身体がびくびくと震えた。俺の中でロワがさらに大きく膨れ上がる。
思わず喘いで首筋を噛んでしまった。
「シュ……ン」
ロワが焦ったように名前を呼んでくる。限界が近いのかな。
口にキスしたら、噛みつかれるように吸われた。
ロワの眼は欲望にギラつく獣の目だ。俺もきっと同じ目をしている。ロワが欲しくて飢えた獣の顔になっているはず。
――ロワ、もらった。あんたを喰う!
俺は自分の欲望のままに腰を動かした。ロワも俺の腰を掴んで下から突き上げてきた。
「ロ……ワ、あああっあっ!」
「シュン、シュン! くっ!」
ロワが俺の中で弾けるのを感じて、俺もロワの腹や胸に放った。
やりとげた充足感とともに脱力して、俺はロワの上にへにゃっと潰れる。
――もう、いい。このまま眠ろう、ロワ。俺は全力を出し切った。
俺は忘れていたんだ。ロワクレスが絶倫だったってことを。そして、俺はどうやら彼の中のまずいスイッチを入れてしまったらしい。
――頼む。ロワ。俺、もうとっくに限界だよ。お願い。眠らせてくれー!
俺の叫びは、空が白々と明るくなるまで空しく続くことになった。
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