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第1章 始まりの壁
1-18:静かなる牽制
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「忙しい中なのに本当にありがとう」
「いいえ、本日はメンバー全員だという通達がありましたのでそれでお伺いに」
都内の高校の校長室にて水色コートの青年が通っていた高校の校長先生と話をしていた。
その校長先生は女性で名前は桃原沙月という女性である。
年齢は50代でありながら実年齢のマイナス10歳近く若く見られることがある。
ショートヘアーでダークブラウンの髪色で薄緑色のシャツに白のスーツ姿と性別問わず振り向く格好した人である。
水色コートの青年だけではなく、その高校は時光を含めたメンバー全員が通っていた学校でもある。
自分の任務が落ち着きお世話になった先生や校長先生に挨拶しに回っていた様子である。
「それにしても文字通り任務が激務だと耳にするけど体調はどう?」
沙月がそう尋ねると、
「大丈夫ですよ、桃原先生。自分の力量はわきまえているつもりですよ」
「そう、ならいいんだけど」
少し心配そうに、それでもこれ以上詮索せず話題を変える。
「話が変わるけど森園君たちは元気にしているかな?」
「ええ、時ちゃんを始めとするメンバー全員元気ですよ。私とはまた違う任務にあたっていますが大きな怪我や病気はなく過ごせていますよ」
その答えに沙月はホッと胸を撫でおろし感想を述べる。
「それなら良かった。本人がいないのをいいことに言うものじゃないけど森園君も変に頑固なところがあるから、そこが気がかりだったものでね」
「それは確かに言えていますね。私が偉そうに言えた立場ではありませんが、状況次第で本人が頑なに1人で抱え込んで問題を解決をしようものなら注意しておきますので」
「頼んだわね」
「わかりました」
一旦話の目途が立ったところで水色コートの青年が立ち上がり、
「久々に屋上の方も行ってみたいので立ち入りはよろしいですか?」
「ええ、いってらっしゃい」
「ありがとうございます。では失礼します」
そう言って沙月に礼をして校長室を後にした。
移動する際中に見知った教職員がいると軽く挨拶を交わし、屋上へと向かう。
それからして屋上に辿り着くと目を閉じ気持ちを落ち着けた。
「久々だなぁ、ここも」
そう呟き帰ろうとした時だった。
「ここにいましたか」
「若弥ですか、私に何か?」
水色コートの青年が振り向き若弥に要件を尋ねる。
「いや、たいしたことじゃないけどそちらの捜査はどんな感じなのかと思って」
「これと言って特別な変化は何も。ただ少しばかり違法取引する会社が多くなっている感じがあるくらいですよ」
水色コートの青年が軽く息をついて答える。
その様子を見て若弥が口を開く。
「あまり無理をしない方がいいよ。体調を崩してしまったのでは元も子もないから」
「忠告痛みいるよ。それを踏まえて私個人まだやることがありますので」
「程々にね」
若弥が短くそう伝える。ここで一つの断りで、
「話が変わりお疲れのところ申し訳ないけど久々に僕と手合わせ願えないかな?」
その申し出に水色コートの青年が静かに答える。
「こちらとしても申し訳ないけどそれに応じることは出来ない」
「と言うと?」
「若弥、どうも貴方と手合わせしていると本気を出しているように見えない。それと覚悟というものが足りない」
「時光君とは手合わせをしたのに?」
その疑問を突きつけると、
「精神論になってしまうが、時ちゃんの覚悟というものはどんなに自分がやられていようと立ち上がって前を向いて集中し、くらいつく。それがたとえ力の差がどれだけついた相手にもね」
その話を聞いて若弥は潔く引き下がる。
「わかった、それじゃあ今日のところはやめておくよ。でも機会があればその時はよろしく頼むよ」
若弥が立ち去る前に静かな口調に変わりはないが確かな力強い言葉をぶつける。
「その機会、近い将来訪れるかもしれませんよ」
若弥は何も答えずその場から立ち去った。
「さてそろそろ私も参戦する時が来ましたか」
そう呟き固く決心する水色コートの青年の青年であった。
「いいえ、本日はメンバー全員だという通達がありましたのでそれでお伺いに」
都内の高校の校長室にて水色コートの青年が通っていた高校の校長先生と話をしていた。
その校長先生は女性で名前は桃原沙月という女性である。
年齢は50代でありながら実年齢のマイナス10歳近く若く見られることがある。
ショートヘアーでダークブラウンの髪色で薄緑色のシャツに白のスーツ姿と性別問わず振り向く格好した人である。
水色コートの青年だけではなく、その高校は時光を含めたメンバー全員が通っていた学校でもある。
自分の任務が落ち着きお世話になった先生や校長先生に挨拶しに回っていた様子である。
「それにしても文字通り任務が激務だと耳にするけど体調はどう?」
沙月がそう尋ねると、
「大丈夫ですよ、桃原先生。自分の力量はわきまえているつもりですよ」
「そう、ならいいんだけど」
少し心配そうに、それでもこれ以上詮索せず話題を変える。
「話が変わるけど森園君たちは元気にしているかな?」
「ええ、時ちゃんを始めとするメンバー全員元気ですよ。私とはまた違う任務にあたっていますが大きな怪我や病気はなく過ごせていますよ」
その答えに沙月はホッと胸を撫でおろし感想を述べる。
「それなら良かった。本人がいないのをいいことに言うものじゃないけど森園君も変に頑固なところがあるから、そこが気がかりだったものでね」
「それは確かに言えていますね。私が偉そうに言えた立場ではありませんが、状況次第で本人が頑なに1人で抱え込んで問題を解決をしようものなら注意しておきますので」
「頼んだわね」
「わかりました」
一旦話の目途が立ったところで水色コートの青年が立ち上がり、
「久々に屋上の方も行ってみたいので立ち入りはよろしいですか?」
「ええ、いってらっしゃい」
「ありがとうございます。では失礼します」
そう言って沙月に礼をして校長室を後にした。
移動する際中に見知った教職員がいると軽く挨拶を交わし、屋上へと向かう。
それからして屋上に辿り着くと目を閉じ気持ちを落ち着けた。
「久々だなぁ、ここも」
そう呟き帰ろうとした時だった。
「ここにいましたか」
「若弥ですか、私に何か?」
水色コートの青年が振り向き若弥に要件を尋ねる。
「いや、たいしたことじゃないけどそちらの捜査はどんな感じなのかと思って」
「これと言って特別な変化は何も。ただ少しばかり違法取引する会社が多くなっている感じがあるくらいですよ」
水色コートの青年が軽く息をついて答える。
その様子を見て若弥が口を開く。
「あまり無理をしない方がいいよ。体調を崩してしまったのでは元も子もないから」
「忠告痛みいるよ。それを踏まえて私個人まだやることがありますので」
「程々にね」
若弥が短くそう伝える。ここで一つの断りで、
「話が変わりお疲れのところ申し訳ないけど久々に僕と手合わせ願えないかな?」
その申し出に水色コートの青年が静かに答える。
「こちらとしても申し訳ないけどそれに応じることは出来ない」
「と言うと?」
「若弥、どうも貴方と手合わせしていると本気を出しているように見えない。それと覚悟というものが足りない」
「時光君とは手合わせをしたのに?」
その疑問を突きつけると、
「精神論になってしまうが、時ちゃんの覚悟というものはどんなに自分がやられていようと立ち上がって前を向いて集中し、くらいつく。それがたとえ力の差がどれだけついた相手にもね」
その話を聞いて若弥は潔く引き下がる。
「わかった、それじゃあ今日のところはやめておくよ。でも機会があればその時はよろしく頼むよ」
若弥が立ち去る前に静かな口調に変わりはないが確かな力強い言葉をぶつける。
「その機会、近い将来訪れるかもしれませんよ」
若弥は何も答えずその場から立ち去った。
「さてそろそろ私も参戦する時が来ましたか」
そう呟き固く決心する水色コートの青年の青年であった。
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