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バタン! と大きな音を立てて扉が閉められた。
力任せにベッドへ投げられ、受け身をとって体勢を整えるが遅かった。
そうだ、ハインは私の能力を引き継いでいるんだ。

「ハイン! ちょっと待って!」

『結界』

「!?」

「……忘れていないでしょう? 主の能力を頂いているのですから、これぐらい簡単に出来るんですよ」

私を逃がさないようにし、そして音を封じた。

自分が贈った服を脱がすのが男の楽しみとはよく言ったものだ。

乱暴に騎士服を脱ぎ捨てる様に恐怖を感じつつ、彼の纏う色香に負けてしまいそう。
ハインは完全にキレている。

「壊せばいいのか?
それとも孕めば帰らなくなるか……」

「何言ってるの……きゃあ!」

ハインの手が剣に伸び、一振りすると服が斬られた。
うっすら肌まで斬れてしまい痛みが走ったと思えば、ハインが治癒魔術をかける。
ハインには聖属性適性がないはずなのに、私の能力を引き継いでいるせいか。
バラバラに斬られ、生まれた姿にされた私の逃げ場はなく、ベッドへ後退りするものの、意味なく押し倒された。

「やだ、待って……ひゃ!」

「待ちません」

「んー!? んっ、ん!」

唇を塞がれ、抵抗する手を上に片手で押さえられてしまった。
空いている手が胸へ降りて、彼の自由にされていく。
唇は離れることなく、ずっと舌が口内を犯しているせいか、酸欠になって力が抜けてしまった。

「んっ! ふあ」

ようやく解放された口は急いで酸素を取り込む。
浅い呼吸を繰り返し、体を落ち着かせようとするが、彼の舌が私の耳を犯し始めた。

太腿を撫でながら耳を舐めて、そして強めに噛まれた。

「痛っ……や、痛いよ……もうやめて」

「いいくせに」

短く放たれた言葉に身体がびくついた。
彼の手がもう下まで降りて、ヘソを指の腹で押している。
円を描くようになぞって、これから触られる場所を認識させようとしているのだろう。
その思惑通りに身体が反応して意識がいく。

恥ずかしくて身を捩れば、いつも優しい笑顔を見せてくれるハインは……笑わない。

「ハイ……ン、あ!」

硬くなった胸の突起を口に含み吸い上げて、下に触れてくる指まで突起を摘んで弾いてくる。
そんな強い刺激、耐えられない。

「やだ! やめ、てぇ……」

手を動かすがびくともしない。
騎士団長である彼を退けることなど、勇者であった私ですらできないのだ。

「ンンッ……ふあぁ、痛っ!」

次は胸を噛んできた。
痛みに声を上げるが、何故か身体は悦び、更に蜜を濡らし突起を尖らせていく。
それすら見通して、何度も噛んで私を追い込んでくる。

「あっ! あっ! 噛まないで……ひっ!?」

蜜を指に絡め、尻の割れ目に塗り付け始めた。
蕾を刺激しては蜜をすくい尻へ塗りつける。
そして、とうとう指がナカに入ってきた。

「いやあ!? そんなとこ、やめて……んん!」

拒否する声を遮るように濃厚なキスをされ、口を塞がれてしまった。
解放された手でハインの胸を押したり叩いたりするが反応無し。
尻穴に出入りする指と塞がれる唇、そして刺激される蕾の突起。
頭がパニックになり涙が溢れた。

「ンンッ! んー! っんん」

突起を指の腹でぐりぐり押され、視界がチカチカすると、尻穴を埋める指が更に奥まで挿入ってきた。
いつもとは違う所が圧迫され、弄られずにもどかしくなる蕾が蜜を垂らし尻穴を濡らしていく。

「ふぁ! ハイン、やだ。やめてぇ……ああ!」

「……」

「ひっ!? やだ、あっ、いく……やだ、こんなっ……~~~~ッあ!」

お尻でイカされてしまった。
恥ずかしくて悔しくて涙が止まらない。
ハインはその涙を舐めて拭うと、反り立つ自身を、なんと尻穴に当ててきた。

「や、いや! そんなところはいらない!」

「……ここに挿れたら、貴女は壊れて動けなくなるでしょうね」

「ひっ!? やだ……ほんと、やめて……」

力が入らずズルズルと引きずられ腰を掴まれた。
逃げることが許されない状況の中、ハインの表情は堅く険しい。
身の危険を感じ、ハインに向かって水魔術を繰り出すが彼の結界が相殺する。

手を拘束されて、宛てがわれた彼の先端がナカに。
異様な感覚に耐えられず、踠いて逃げた。

「や、いやぁ!」

「なら自分で挿れろ」

反り立つモノは今まで見たどれよりも大きく太い。
本当にコレが私の中に入るの?
身体が二つに割れてしまうんじゃないかと恐怖心が湧いてくる。
小さく首を振れば許さないと身体を持ち上げられ、強制的に彼の上へ。
跨ったお腹の部分に熱いモノが当たり、羞恥心でいっぱいになる。

「挿れないなら、に挿れるぞ」

「うぅ……ッん! こんなおっきいの、はいらない……ふ、あ」

自分から足を開き腰を落とすと、蕾が無理矢理押し広げられ、裂けるんじゃないかと思うぐらいだ。
けど、それがたまらなく気持ちいい。

「あっ、あ……気持ち、い……」

「また半分だ」

「もう……いっぱい、ひあぁ!」

遅いと怒られて、強引に奥まで挿入されてしまった。
体全体が痙攣したかのように震え、腰がガクガクする。
見下ろして見るハインの表情はいまだに険しく、笑ってはくれない。

「……」

「ハイン……ッ、そんなに怒らないで……」

機嫌をなおしてもらおうと自ら腰を動かし、ハインのモノを刺激する。

「……ッ」

ようやく表情が崩れてきた。
息が漏れ、少しだけど息が荒くなっている。

「は、いん……ゆるして……」

「……。
許さない。
こんなやり方、誰に教わった?
の男か?」

「え……? あ! だめ、揺らさないで……ッ」

「こっちの女性はこんな体勢で性行為をすることはほぼ無い。
カオリの世界は随分はしたないんだな」

「そんなこと、な……あっ! あ、う……」

「それともの男が自分本位すぎるだけか?
こんなの、女性は気持ち良いはずないだろ」

「や、そこ……突いちゃ、ああ!」

「ほらココだ。
カオリが好きなところ。覚えてるだろ?
ココを突くと可愛い声で鳴くんだ」

「あぁん! そこぉ……ッふっあ」

「男を悦ばせる動きなんかやめろ。
ムカついて殺しちまいそうだ」

「んんッ……ごめ、なさ……」

上に乗っていようが主導権はハイン。
動かしていた私の腰を掴み、動きを止めさせるとぐりぐりと奥に擦り付けてきた。
子宮の入り口がその刺激に喜び下りてくる。
ここまで奥を刺激されたことはない。
ハインだけが届くトコロが気持ち良い。

ハインの首に腕を回し抱き着いて自分からキスをする。
舌を絡ませいつも彼のキスの仕方で応えると、ようやくハインの表情が柔らかくなってきた。

「おこらな、で……」

「カオリ…… 本当に帰るのか」

頷いて応えると、ハインは痛い程強く私を抱き締めた。

「お前は分かってない。
俺にとってお前は全てなんだ。
お前がいないなら生きていてもしょうがない。
死んで、お前のいる世界に生まれ直したい」

「ハイン……なんでそんな……。
私、ハインにそこまで想って貰えるような女じゃない……ンンッ」

「人の世界に巻き込まれたのにも関わらず、命がけで救ってくれた。
あんなに細くて弱々しかった女性が、鍛錬を重ね誰よりも勇ましくなった。
自分の世界のことなのに人任せで何もしない皇帝を恨むこともせず、大事なものを失い悲しんでいる他国民を思いやり復興させた。
俺は見てきたんだ。貴女が元の世界に帰りたいと願っている姿を……誰よりも近くで」

「ハイン……ッひゃあ!?」

ハイン家紋が刻まれた指を舐めると、ぞわぞわと身体中をなにかが走った。
まるで敏感なところを舐められたような感覚だ。
そのまま何度も舐めて吸い付いてくるから、腰が震え蕾が収縮する。

「や、なにこれ……ッふ」

「カオリも舐めて」

ハインの心臓付近に刻まれた家紋を撫で、恐る恐る舐めた。
すると小さく息を漏らし、中に沈めた中心が更に固くなる。

「はっ……知らなかったな。
こんな気持ちいいもんだとは」

「んんっ……もう、やめてぇ」

「指舐めてるだけだ」

「あぁッ……それがだめなの……」

性感帯の一部になった家紋が互いの身体を熱くさせる。
ハインが私の腰を掴み、上下に揺すり始めた。
固くなったハイン自身が最奥を突いて、胸が上下に揺れるのを彼の手が揉んで抑える。
突起を摘み擦り上げ、私はまたイカされてしまった。

「ふあぁっ……イッてる、イッてるから……もうとまってぇ」

「お願いだ。俺からお前を奪わないでくれ。
初めて命を預けたいと思う存在が出来たんだ。
愛して……愛し続けこのまま朽ちたいと思うほどなんだ。
カオリを愛している。お前だけだ」


私の色が混じった瞳から綺麗な涙が伝った。
その姿を見て胸が苦しくなり、私はハインに抱き着いて家紋を舐め上げ甘噛みした。

ナカに注がれる彼の液が奥まで届いているのがわかる。
受け止めなければならない。
そう思ってしまった。

そのぐらい、彼は私を愛してくれているんだ。






────




「モリガン様のお気持ちは変わりましたか…….?」

ぐったり寝ている彼女の身体を拭いてやろうと部屋から出れば、アンナが部屋の前で湯とタオルを持って待機していた。
お湯が熱いところを見ると、見計らって用意していたのだろう。
実に優秀な侍女だ。

「残念だが変わっていないだろうな」

「そう……ですか」

「そんな顔するな。
俺たちには強い味方がいるだろ」

どこまでも美しく、天使に例えられるお人。

我らでは決して考えつかない考を練り、女神の足を止めさせるだろう。

「ハプスブルの天使……」

「そうだ。後は殿下にお任せしよう」

我ら女神が天に帰ろうとしている。
それを止められるのは天使しかいないだろう。

殿下、あとは頼みますよ…….。
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