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2章
4.
しおりを挟むカトリーナ視点
私の幼なじみのシオンは私が初恋。
お兄さん達と違って少し地味な顔だけど、凄い魔力があるみたい。
いつも私とお話するときはニコニコしている。
私は周りの人たちに可愛いってよく言われるし、シオンも私が話しかけると嬉しそうだ。
地味なシオンだけど、成長したら魔法の才能が凄いあって、大陸一かもしれないってお父様が言ってた。
お兄さんよりシオンの方が凄いんだからシオンが王様になって、シオンと私が結婚すれば、私は王妃様。
素敵じゃない?王妃様。
お父様も王妃様を目指すのは良いことだって言ってた。
私はシオンと恋人になるために頑張って近寄ったりしていたけど、シオンは奥手で大好きな私には手を握ることもしない。
それでも私が話しかけると嬉しそうにニコニコしている。
手を出さないなんて大事にされているのが分かる。
そんなシオンがティネス王国の学園に入ってしまった。離ればなれはさみしいけど、私のために王様になれるよう頑張ってくれている。
私は勉強が苦手であそこの学校は入れない。私は可愛いしお嫁さんになるだけだから勉強なんてしたくない。
ティネス王国の国立魔法学園は貴族で試験を合格した人だけしか通えない。シオンが会えないのを我慢してるんだから、私も頑張ろう。私の周りには私と仲良くなりたい男の子達がたくさんいて遊んでくれる。シオンよりは寂しくない。
そんなシオンが学園で婚約者を見つけて帰ってくるとうわさになっている。
えっうそ!
シオンは私のこと諦めたのかもしれない。私が待っているなんて思ってないのかな?
私が高嶺の花だから?
私は可愛いから、結構もてる。
それにしても婚約者ってどんな子だろう。
あんなに遠くの国から来るのだから冴えない子だろうなー
シオンは妥協したんだろう。
王宮からうわさが聞こえてきた。
シオンの婚約者はとっても美人で作法も人柄も完璧らしい。今じゃ王宮のアイドルだって。
みんな、時期王様のシオンに遠慮して良く言っているだけかもしれない。だってそんなに素敵だったらティネス王国の人が放っておかない。
でも大丈夫、初恋の私からキスをしてあげれば、私がシオンのことが好きだって分かるはず。きっと目が覚めるわ。
シオンは照れて嫌がるふりをするかもしれない。
でも本心では絶対に喜んでいるの。だって私が初恋の人だから。
王宮の中庭でシオンを見つけた。背が伸びて格好良くなっていた。相変わらず、私と会うと嬉しそうだ。ニコニコしている。嬉しくなって思いっきり飛びついてキスをした。
私とのキスだよ。嬉しいでしょ?
ちょうど婚約者らしい人も通りかかったの。
そしたらシオンが照れて私を突き飛ばしたの。
酷い。そんなに照れるなんて、お子様だわ。
次の日、王宮でシオンを見かけて飛び付いたら、シオンの身体をすり抜けて転んでしまった。
起こしてって手を差し出したのに、シオンは「僕はレティ以外の人はさわれないから起こせないよ。ごめんねぇ。」って言って助けてもくれない。
そのあと二人を見ていたら、シオンが婚約者を大切にしているのが分かった。
腹がたつ。シオンは私のものだったのに。
シオンは婚約者にとっても優しい。シオンが大切にしてるから、陛下も王妃様もみんなあの子に優しくて、王宮の人がみんなあの子をちやほやしてる。
いいなー。私もあんな一途に思われて大事にされたい。シオンのお嫁さんになれば一途に大事にしてくれるかな?
シオンが大事にしてるのを見れば、王宮のみんなの私への態度も変わるだろう。
だから、お父様に「シオン様と結婚したい。あの婚約者を国へ返して」ってお願いした。
お父様は私に甘い。今回も言うこと聞いてくれるわ。
あの子さえいなくなれば大丈夫。
シオンの初恋は私だから。 すぐに私の事を好きなのを思い出すわ。
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