イノセントワールド

幽閉

第二話

　少なからず、僕は彼女を生き返らせたのは事実だ。確かに綺麗に保存された彼女を、生き返らせたのだ。だが、魂は正気を保っていたかは僕には預かり知らないことである。一族にさだめられた悲願を達成したに過ぎない。

　かつての伴侶になる予定であった者の死を受け入れられなかった。横暴なしきたり。魂に埋めつけられた反故に出来ない魔術に僕は、僕の一族は縛られてきたのだ。

　ルミナは僕らの生きる理由であったり、死ぬ理由でもあったのだ。ルミナは最高の魔女だったっていう話だ。

　今じゃ特別な家系なんかでないと、習得が難しくなった魔術に魔法。それらが普通に普及されていた時代の魔女であり、どんな魔女でさえ彼女を最高の魔女と言わしめる魔女だという言い伝えだ。