六道輪廻
古今東西いずれの場所にも天下無双、天下無敵などと喧伝する者はありふれたことだ。しかし、戒燕は違った。力を研ぎながらもあくまで防ぐ事を良しとした。力を悟らすことなくひけらかさない。体術から始まり武器の扱いまで網羅していても自分からは仕掛けない。座して待つ。そんなとき、ふと死を予感した。そして自分は輪廻転生し終えていない事を悟る。まだ、夢なかばだ。嫁もいない、子もいない。自分の技を伝えたい。そう思いながら死した。そして知る、自分がまた赤んぼうからやり直すチャンスに巡り会えたことを。しかし、人間には生まれなかった。六道輪廻から言えば、修羅道に入ってしまったようだ。修羅を歩む種族に生まれたのだ。
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小説家になろう様にてネット小説大賞にエントリーしました。