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2 綿棒

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つまようじの次の日は、「綿棒」だった。

落ちてきた時刻は、昨日と同じ正午。

今回も頭に落ちたとしてもケガの心配がない軽いものだった。

しかし、今後どういうものが落ちてくるか分からないから、何らかの対策は必要だろうと思ったのか、ネットも新聞もテレビもヘルメットを被るのを盛んに推奨してくる。

今後も降ってくるのか?

そんなバカななんて考えたけれど、なんとなく気になってしまう。

だからやっぱりヘルメットは購入することにしよう。

落ちてくるものから身を守るのだから、飛来・落下用のヘルメットでいいかな?

どれどれ、いくらくらい?

3,000円くらいだったので、即購入。

明日には届くけれど、正午に間に合うのか?

「綿棒」の次は、何だ。

***
ネットの反応。

「おいおい、綿棒が落ちてきたぞ。ちょうどいいから使ってやった」

「この綿棒は普通の綿棒でした。白い軸に両端に綿が巻いてあるやつです。黒い軸に黒い綿がある耳掃除の際に付着物がはっきり分かるという高級綿棒ではなかったです」

「誰が何の目的でこんないたずらをするのか。しかも対象者は全世界の人類。赤ちゃんからお年寄りまで、全員が対象って、神のいたずらとしか思えない」
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