【完結】いわゆる婚約破棄だったが、見ているだけではない。

80 神々の戯れ→運営⑤ 王と王妃は、中の人

酔狂な王さまと王妃さまだと思う。

いや、命じたのは上司だから、有無を言わさずだが。


初めまして、育成系ファンタジー系ゲームで王さまを演じています。

王妃さまも居ますが、あれも私が演じていますから、一人二役です。

たまに、混乱していますけれど。


一応、ゲーム内では育成ランクが高くなれば、王さまも育成できるとしています。

もちろん、出来ませんが。


王さまに次ぐ権力の持ち主、公爵は育成可能ですが、育成の最終段階である経験の有無のところで、絶対無しを選ぶようになっているので、育成した人は心折られること間違いなしでしょう。

ああ、公爵令嬢などの女性系は、とある理由により難易度が下げられており、有無は自由になっています。

王太子などの男性形の難易度は、調整されていませんが、有無は自由。

でも、人気が低いのは、だいたい分かります。


魅力に欠けていますからね。

顔じゃなくて、感覚的なもの…ですが。


このゲーム。

一般的には、育成系ファンタジー系ゲームと銘打っていますが、ニューロン…すなわち神経回路再建治療用プログラムと連動していて、傷ついたり萎縮した脳を再生させるための経験を積ませる場所を兼ねてもらっています。



別に、脳細胞を活発化させる訳じゃなくて、神経回路の再構築。

すなわち、分裂が遅すぎる脳細胞を投薬と経験で新しい領域を作って、既存の回路と繋げる。

手術では、できないことをやっています。


…別に、魂とかを作るわけじゃないし、自由にならない身体を仮想世界で動かせるようにする訳じゃない。

特殊な病気で、身体も動かせない人に対するもの。

もちろん、“身体が動かせない＝動かす方法を忘れてしまった”ので、サポートプログラムを駆使して、その部分のリハビリも兼ねている。

実際の身体だと、負担が大きいので、まずはゲームの中で…ということになる。

神経回路が再建され、動かし方が分かっても、実際の身体との適合性や重い身体を動かすには、大変な労力が必要。

そんな大変な状況を、私は理解しているつもりです。


王さまという、最高権力者であり、サポートするにはちょうどいい。

私が、患者さんを研究所のサポートチームと一緒に、温かく中の人をやっている。


そんな理由があるのです。


でも、王さまと王妃さま。

時々、混乱するのだけど、いいのだろうか？