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33 遅刻勇者① 召喚。
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召喚されたとき、10歳だった。
学校の帰り道、酒臭いおっさんがいて、みんなで冷やかしていた時、その人に刺された。
形容しがたい痛みに耐えきれず、その場に倒れてしまったが、動くことができなくなって、気が遠くなる感じがした。
そこで、僕は死ぬんだと思った。
しかし、目の前が真っ暗になったかと思えば、見知らぬ場所にいた。
辺り一面、お花畑が広がる場所。
暑くもなく寒くもない、ミツバチかな?
虫も飛んでいるのが見える。
天国か~、と思っていたら
「恐怖心は、抱かなかったようじゃな」
そういう声とともに、白衣を着たおじいさんがいた。
「恐怖心?」
「そうじゃ、死ぬ間際によっては、死んだ後でも恐怖心は残る。あまりに強い恐怖心は死んでも強く自分に残るため、成仏できずに、現世をさまよい続けるのじゃ」
「僕は刺された…殺された」
「ふむ、君はまだ幼かった。だから、強い恐怖心が起きにくかったのじゃろう。さて、恐怖心がないと言うことで、さっそくお願いごとを聞いてくれないじゃろうか?」
「お願いごと?」
「そうじゃ。我々が管理し始めた世界に行き、そこに出現すると言われる謎の者を探してもらいたいのじゃ」
「?え?」
「謎の者は、我々のかけらのひとつなのだが、人の運命をいじるのが好きでの、余計なお節介をすることが多いのじゃ。しかも、詰めが甘いというか、意図せぬ結果を引き出すことが多いときとる」
「どこにいるか分からないよ」
「大丈夫じゃ。有用な能力全てを付与しとくし、転生も任意でできるのじゃ。」
「自分で…」
「すまんの、我々はその世界に降りるには、ちと重すぎるのでな。軽い者に頼むしかないのじゃ」
僕は、重い軽いの意味が分からなかった。
でも、なんだか面白そうだと思った。
「いいよ」
僕は、そう言ってお願いごとを叶えることにした。
それが、あんなことになるとは思わなかった…。
学校の帰り道、酒臭いおっさんがいて、みんなで冷やかしていた時、その人に刺された。
形容しがたい痛みに耐えきれず、その場に倒れてしまったが、動くことができなくなって、気が遠くなる感じがした。
そこで、僕は死ぬんだと思った。
しかし、目の前が真っ暗になったかと思えば、見知らぬ場所にいた。
辺り一面、お花畑が広がる場所。
暑くもなく寒くもない、ミツバチかな?
虫も飛んでいるのが見える。
天国か~、と思っていたら
「恐怖心は、抱かなかったようじゃな」
そういう声とともに、白衣を着たおじいさんがいた。
「恐怖心?」
「そうじゃ、死ぬ間際によっては、死んだ後でも恐怖心は残る。あまりに強い恐怖心は死んでも強く自分に残るため、成仏できずに、現世をさまよい続けるのじゃ」
「僕は刺された…殺された」
「ふむ、君はまだ幼かった。だから、強い恐怖心が起きにくかったのじゃろう。さて、恐怖心がないと言うことで、さっそくお願いごとを聞いてくれないじゃろうか?」
「お願いごと?」
「そうじゃ。我々が管理し始めた世界に行き、そこに出現すると言われる謎の者を探してもらいたいのじゃ」
「?え?」
「謎の者は、我々のかけらのひとつなのだが、人の運命をいじるのが好きでの、余計なお節介をすることが多いのじゃ。しかも、詰めが甘いというか、意図せぬ結果を引き出すことが多いときとる」
「どこにいるか分からないよ」
「大丈夫じゃ。有用な能力全てを付与しとくし、転生も任意でできるのじゃ。」
「自分で…」
「すまんの、我々はその世界に降りるには、ちと重すぎるのでな。軽い者に頼むしかないのじゃ」
僕は、重い軽いの意味が分からなかった。
でも、なんだか面白そうだと思った。
「いいよ」
僕は、そう言ってお願いごとを叶えることにした。
それが、あんなことになるとは思わなかった…。
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