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第9章 理の使命2
87 新婚旅行?
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結局、校長は逃げ、ガイくんが取り仕切り、私たちの自己紹介に続き、生徒全員の自己紹介を受けて、学ぶべきことをしていく。
種族がバラバラのため、きめ細かい教育は無理らしく、もっぱら他種族への理解と接し方、会話などの日常的な部分を学ぶとなっていた。学術的な部分は、天性をもっているならともかく、普通は分からない知らない意味がないとのことで、やるだけムダらしい。
生徒と同じ場所で寝て起きてと生活していくうちに気が付いた。
お姉ちゃんとあいつの接触が多くなっていることに。気が付くと、2人で話しているのを見るようになった。少し前までは、私とあいつのケンカともそうでもない関係だったのに、いつの間にかにそうなったのだろうと思っていた。
しかし、お姉ちゃんたちがこの仕事を始めて3か月が経過したときに2人が放った言葉が、何度も頭の中で繰り返し繰り返し響いていた。
「私たち、結婚します。」
「こういうことだ。しばらくは頼む。」
あいつの言っていることは意味が分からなかった。
ただ、お姉ちゃんとあいつが裏切っていると感じていた。それとともに、強烈な頭痛が起きるようになってしまい、2人の結婚式が決まり、二重のショックで、ほぼ毎日学校へ行くことができなくなった。頭痛は、ひどくなるばかりで、突然意識がなくなっていまい、気が付くと学校の保健室で心配そうな2人に見つめられていることが多くなった。その頻度は、2人の結婚式が近づくにつれ多くなっていき、結婚の前の週には、ほぼ寝たきり状態になった。
あの人も何回か来て、様子を見ているようだった。
エリーさんも来て、深刻そうな顔をしているようだった。なぜ、そんなに深刻そうな顔をしているのかが、分からなかった。
結婚式は、あの方の魔法で自分の負担なく運んでもらった。ただ、エリーさんがサポートに付いているのには、何かおかしいと思った。あの人とエリーさんの魔法が似ていて、普通知らない人同士だと反発したりするので、能力の重ね掛けはできないはず。
でも、2人の能力は互いが互いを補完する形。夫婦のそれによく似ていた。でも、エリーさんに聞くと、あの人の子供のようなものですと言い張る。理由は分からないけれど、親密な雰囲気だけに、私だけ取り残された。仲間外れのような感じ。
2人の結婚式は、かなり質素に行われた。
出席者は、私とあの人、エリーさんと学校の代表として出てもらったガイくんになった。
その後に、王城へ結婚の挨拶のために行くとは思わなかったけれど。
2人の結婚式の後、住まいも私から離れてしまい、日常的にもお姉ちゃんに合わないことが多くなってきた。
そんな、結婚式1か月後、お姉ちゃんが子供を創った。
元々、お姉ちゃんも私も創世の女神。私はまだ、その能力を持っていないけれど、大人顔負けの対応ができるのは、そんなことからかもしれない。
お姉ちゃんは、普通のように生殖によって子供を妊娠したのではなく、自分の能力を元に自分の複製をつくるような形で創りだすことができる。そうして、誕生したのが、お姉ちゃんとあいつの子供だった。
ただし、お姉ちゃんともあいつとも似ていないような感じがあった。それがなぜなのかが分からなかった。そして、誕生した子供を寝たきりになってしまった私に子供の頭を撫でてほしいと言われた。なぜ、撫でないとダメなのかが分からなかったし、お姉ちゃんとあいつに裏切られた気持ちが押さえきれず、2人にその想いをぶつけてしまった。その言葉に、お姉ちゃんはショックを受けていたし、それを慰めるようにあいつがかばっていたのも、私の気持ちが激高した原因だった。結局、子供の頭を撫でることなく、私は他の人を自室から追い出して、激しく泣いたのを覚えている。
その日、私以外のお姉ちゃんとあいつ、エリーさんとあの人が王城へ行っていたのは気が付かなかった。
子供もできて、しかも急成長をお姉ちゃんが促して、年齢的には15歳前後まで成長した子供は、小さい頃の言動が分別できるような、大人びた子供に成長していった。
そして、結婚してから3か月、子供が創られてから2か月。お姉ちゃんとあいつが「新婚旅行」に出かけると家族たちに言った。
お姉ちゃんは、ちょっとあちこちを回りたいから、帰宅は遅くなると思う。
あいつは、留守中は子供の世話を頼む。と言ったので、子供は置いていくので、夫婦水入らずでいろいろ見てくるつもりだった。
出発する準備は、着々に出来上がっていった。とは言っても、なぜか私物を処分していたり、エリーさんに渡したりしていたのだが。
出発の日。それは、私が忘れることができなかった日になった。長く後悔することになった日でもある。
2人は、それぞれ、エリーさんやあの人。街の人や教え子たちと別れを惜しんでいる。それは、あいつも同じ。
最後に私のところに来て、あいつが
「ちょっと長くなると思う。子供のこと、面倒かもしれないが、よろしく頼む。」
お姉ちゃんは、私を引き寄せて抱きしめようとしたのだろう。しかし、それを避けるように逃げてしまった。お姉ちゃんは、悲しい顔をしていたが、
「あなたにとって、私のことを慕っていたと思います。ただ、最近、私に裏切られたと思っていることも分かっています。願わくば、あなたがこの先に幸せになることを祈っています。元気でね。」
新婚旅行に出かけるだけなのに、何を言っているのか分からなかった。
そうして、出発の時間が来て、2人は馬車でエリーさんの家を出ていった。2人が出ていって、なんだか私の胸に空洞ができたようがした。
そして…
種族がバラバラのため、きめ細かい教育は無理らしく、もっぱら他種族への理解と接し方、会話などの日常的な部分を学ぶとなっていた。学術的な部分は、天性をもっているならともかく、普通は分からない知らない意味がないとのことで、やるだけムダらしい。
生徒と同じ場所で寝て起きてと生活していくうちに気が付いた。
お姉ちゃんとあいつの接触が多くなっていることに。気が付くと、2人で話しているのを見るようになった。少し前までは、私とあいつのケンカともそうでもない関係だったのに、いつの間にかにそうなったのだろうと思っていた。
しかし、お姉ちゃんたちがこの仕事を始めて3か月が経過したときに2人が放った言葉が、何度も頭の中で繰り返し繰り返し響いていた。
「私たち、結婚します。」
「こういうことだ。しばらくは頼む。」
あいつの言っていることは意味が分からなかった。
ただ、お姉ちゃんとあいつが裏切っていると感じていた。それとともに、強烈な頭痛が起きるようになってしまい、2人の結婚式が決まり、二重のショックで、ほぼ毎日学校へ行くことができなくなった。頭痛は、ひどくなるばかりで、突然意識がなくなっていまい、気が付くと学校の保健室で心配そうな2人に見つめられていることが多くなった。その頻度は、2人の結婚式が近づくにつれ多くなっていき、結婚の前の週には、ほぼ寝たきり状態になった。
あの人も何回か来て、様子を見ているようだった。
エリーさんも来て、深刻そうな顔をしているようだった。なぜ、そんなに深刻そうな顔をしているのかが、分からなかった。
結婚式は、あの方の魔法で自分の負担なく運んでもらった。ただ、エリーさんがサポートに付いているのには、何かおかしいと思った。あの人とエリーさんの魔法が似ていて、普通知らない人同士だと反発したりするので、能力の重ね掛けはできないはず。
でも、2人の能力は互いが互いを補完する形。夫婦のそれによく似ていた。でも、エリーさんに聞くと、あの人の子供のようなものですと言い張る。理由は分からないけれど、親密な雰囲気だけに、私だけ取り残された。仲間外れのような感じ。
2人の結婚式は、かなり質素に行われた。
出席者は、私とあの人、エリーさんと学校の代表として出てもらったガイくんになった。
その後に、王城へ結婚の挨拶のために行くとは思わなかったけれど。
2人の結婚式の後、住まいも私から離れてしまい、日常的にもお姉ちゃんに合わないことが多くなってきた。
そんな、結婚式1か月後、お姉ちゃんが子供を創った。
元々、お姉ちゃんも私も創世の女神。私はまだ、その能力を持っていないけれど、大人顔負けの対応ができるのは、そんなことからかもしれない。
お姉ちゃんは、普通のように生殖によって子供を妊娠したのではなく、自分の能力を元に自分の複製をつくるような形で創りだすことができる。そうして、誕生したのが、お姉ちゃんとあいつの子供だった。
ただし、お姉ちゃんともあいつとも似ていないような感じがあった。それがなぜなのかが分からなかった。そして、誕生した子供を寝たきりになってしまった私に子供の頭を撫でてほしいと言われた。なぜ、撫でないとダメなのかが分からなかったし、お姉ちゃんとあいつに裏切られた気持ちが押さえきれず、2人にその想いをぶつけてしまった。その言葉に、お姉ちゃんはショックを受けていたし、それを慰めるようにあいつがかばっていたのも、私の気持ちが激高した原因だった。結局、子供の頭を撫でることなく、私は他の人を自室から追い出して、激しく泣いたのを覚えている。
その日、私以外のお姉ちゃんとあいつ、エリーさんとあの人が王城へ行っていたのは気が付かなかった。
子供もできて、しかも急成長をお姉ちゃんが促して、年齢的には15歳前後まで成長した子供は、小さい頃の言動が分別できるような、大人びた子供に成長していった。
そして、結婚してから3か月、子供が創られてから2か月。お姉ちゃんとあいつが「新婚旅行」に出かけると家族たちに言った。
お姉ちゃんは、ちょっとあちこちを回りたいから、帰宅は遅くなると思う。
あいつは、留守中は子供の世話を頼む。と言ったので、子供は置いていくので、夫婦水入らずでいろいろ見てくるつもりだった。
出発する準備は、着々に出来上がっていった。とは言っても、なぜか私物を処分していたり、エリーさんに渡したりしていたのだが。
出発の日。それは、私が忘れることができなかった日になった。長く後悔することになった日でもある。
2人は、それぞれ、エリーさんやあの人。街の人や教え子たちと別れを惜しんでいる。それは、あいつも同じ。
最後に私のところに来て、あいつが
「ちょっと長くなると思う。子供のこと、面倒かもしれないが、よろしく頼む。」
お姉ちゃんは、私を引き寄せて抱きしめようとしたのだろう。しかし、それを避けるように逃げてしまった。お姉ちゃんは、悲しい顔をしていたが、
「あなたにとって、私のことを慕っていたと思います。ただ、最近、私に裏切られたと思っていることも分かっています。願わくば、あなたがこの先に幸せになることを祈っています。元気でね。」
新婚旅行に出かけるだけなのに、何を言っているのか分からなかった。
そうして、出発の時間が来て、2人は馬車でエリーさんの家を出ていった。2人が出ていって、なんだか私の胸に空洞ができたようがした。
そして…
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