138 / 192
136回目 いけにえ
しおりを挟む
「………、まだだ。まだできる」
「ふん。もうリタイヤしたらどうだね?」
「いけにえを得るために、ここまで来たんだ」
「いけにえか」
そう言うあなた。
舌なめずりするのは、キモチワルイ。
2人は、オセロをしています。
王位決勝戦です。
で、商品は私。
”いけにえ”
この世界では、必ず1人の”いけにえ”が生まれます。
”いけにえ”は、あらゆる願いを叶えます。
でも、生まれた時は何の力もありません。
せいぜい、安らかな眠り(普通の睡眠)を与えるくらい。
きちんとした栄養を取り、きちんとした教育と愛情溢れる家族が、その後の願いにも影響されると分かった。
だから、”いけにえ”を得た家族は、生まれた直後に裕福な家庭に”売り”に出してしまうことが多かった。
”いけにえ”
私は、3日後に18歳を迎えます。
その日が一番強く願いを叶える日でもあります。
そして、”いけにえ”、私が消える日。
次の瞬間に、どこかで私ではない私。
”いけにえ”が生まれる日。
あ~、わ!た!し!覚醒。
今回は、”いけにえ”になっていました。
これはびっくり。
何々(カンペ)、ふむふむ。
”いけにえ”さんのご要望はっと。
いけにえ辞めたい。
そうでしょうそうでしょう。
「さぁ、来い!3日後は、私がこの世界の王となるのだ!」
オセロ?の勝負が着いたようです。
舐めていた人。
悪人(←決めつけ)です。
「嫌」
「な、なんだとう。”いけにえ”は、拒否できないはずだ」
そうなんです。
”いけにえ”さんは、行動制限があって、主からの命令には逆らえないのです。
だから、今回の命令に逆らうなんて、ありえない事なんです。
でも、今の私は”いけにえ”であると同時に”プチ神さま”なので、逆に命令してあげます。
「お手」
「ワン」
「イイ子、イイ子」
なでなで。
「ワォ…、ななんだ」
驚いてる驚いてる。
周囲の人も固まっている模様。
だから
「”いけにえ”辞めます!」
その私の声に応じるかのように現れる、白い光。
「その願い、受け取りました」
光は私を覆い包むとパンと音と共に、周囲に弾けた。
後には何も残らず。
”いけにえ”の願いは、ただ1つ。
もう、”いけにえ”が生まれませんように…
プチ神さまだけど、演出はバッチリよ。
効果もバッチリ。
「ふん。もうリタイヤしたらどうだね?」
「いけにえを得るために、ここまで来たんだ」
「いけにえか」
そう言うあなた。
舌なめずりするのは、キモチワルイ。
2人は、オセロをしています。
王位決勝戦です。
で、商品は私。
”いけにえ”
この世界では、必ず1人の”いけにえ”が生まれます。
”いけにえ”は、あらゆる願いを叶えます。
でも、生まれた時は何の力もありません。
せいぜい、安らかな眠り(普通の睡眠)を与えるくらい。
きちんとした栄養を取り、きちんとした教育と愛情溢れる家族が、その後の願いにも影響されると分かった。
だから、”いけにえ”を得た家族は、生まれた直後に裕福な家庭に”売り”に出してしまうことが多かった。
”いけにえ”
私は、3日後に18歳を迎えます。
その日が一番強く願いを叶える日でもあります。
そして、”いけにえ”、私が消える日。
次の瞬間に、どこかで私ではない私。
”いけにえ”が生まれる日。
あ~、わ!た!し!覚醒。
今回は、”いけにえ”になっていました。
これはびっくり。
何々(カンペ)、ふむふむ。
”いけにえ”さんのご要望はっと。
いけにえ辞めたい。
そうでしょうそうでしょう。
「さぁ、来い!3日後は、私がこの世界の王となるのだ!」
オセロ?の勝負が着いたようです。
舐めていた人。
悪人(←決めつけ)です。
「嫌」
「な、なんだとう。”いけにえ”は、拒否できないはずだ」
そうなんです。
”いけにえ”さんは、行動制限があって、主からの命令には逆らえないのです。
だから、今回の命令に逆らうなんて、ありえない事なんです。
でも、今の私は”いけにえ”であると同時に”プチ神さま”なので、逆に命令してあげます。
「お手」
「ワン」
「イイ子、イイ子」
なでなで。
「ワォ…、ななんだ」
驚いてる驚いてる。
周囲の人も固まっている模様。
だから
「”いけにえ”辞めます!」
その私の声に応じるかのように現れる、白い光。
「その願い、受け取りました」
光は私を覆い包むとパンと音と共に、周囲に弾けた。
後には何も残らず。
”いけにえ”の願いは、ただ1つ。
もう、”いけにえ”が生まれませんように…
プチ神さまだけど、演出はバッチリよ。
効果もバッチリ。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。
私があなたを好きだったころ
豆狸
恋愛
「……エヴァンジェリン。僕には好きな女性がいる。初恋の人なんだ。学園の三年間だけでいいから、聖花祭は彼女と過ごさせてくれ」
※1/10タグの『婚約解消』を『婚約→白紙撤回』に訂正しました。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる