超高速転生令嬢は、流行を追い越していく！

61回目 悪しき者は、排除します。

聖女が現れた。

異世界召喚で。

「聖女よ、我と結婚し、この国から悪しき者から守って欲しい」

「元の世界に帰して！」

「帰す方法はない。君には、聖女としての能力が秀でている。ぜひ、私の子を生んでもらいたい」

「聖女としての、能力」

「そうだ。身のうちに、その能力が眠っているのが分かるだろう」

思った。
異世界召喚のはずなのに、胸の内から聞える。

”やっちゃえー。悪しき者はだれだか教えてやれー”

「分かりました。”悪しき者”から守ります」

「そうか…な、なんだ。押される？」

「私は、悪しき者を許しません。筆頭は、あなたです」

確かに、強制的に異世界召喚をした相手は、極悪だ。

疑いもない。

国から全ての悪人を国から外へ押し出すと、彼女はそこから消え、某超高速転生令嬢の手によって、召喚直後の世界に戻っていったという。