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4 草食性のスライム

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試験が終わると、10日くらいの休みが出る。
なぜか、教員にも。

そこで、教員も混じってモンスター退治に行く。

魔法使いにとって、魔法の効かないモンスターなどは大変だ。
“普通は”倒せないため、魔法使いは逃げることになる。
もちろん、戦闘中に背中を見せることは、死に直結する問題行動だ。

しかし…

「ミーア、お手本」
「自分でやれよ」
「痛たたた。私もうダメ。がくぅ~」

最近は、新米先生を卒業しつつあるやつから、お手本という名の魔法発動を求められる。
困ったもんだ。

「それでは、このスライム、どうやって戦う?」

手の上に出現させたのは、緑色のスライム。
最弱という名前が知られているが、実際は草食性の無害なスライムで、苔などを食べている。
ただし、魔法が通じにくい。
この辺りは、普通のスライムと似ている…が。

「はい」

手を上げたのは、ノン。
一応、男だ。

「魔法の矢で消し飛ばします」
「お前なぁ、聞いていたのか」
「聞いていました。1発でダメなら、10発とか100発とか1,000発とか」
「魔力値、いくつだ」
「25です」
「矢は1発魔力2を消耗する。お前、12発しか撃てないだろ」
「大丈夫です。草食だから、周りを囲っておけば。いつかは」
「そう。では、さよなら。頑張ってくれい」
「ちょちょっと待ってください」

どんだけ気長なんだ。

「えっと、えっと」

こいつは、どっちだ。

「植村、何か言いたいことがあればいいぞ」
「えっと、凍らせるのはど、どうでしょう」
「スライムは、魔法が通りにくいというのは、知っているな」
「は、はい。だから、スライムの周囲を凍らせたら…」
「そっちの方が難しいぞ。周囲の水分を凍らせるなら分からなくもない」
「はい…ぃ」

はっきりしないやつだな。

「なんだ?もう居ないのか」

それを見て、なぜか新米教師も次を待っているようだ。
目がキラキラしているぞ。

「魔法がダメなら、物理攻撃だ」

「ミーア、魔法使いが物理攻撃なんてできません」
「いやいや、できるんだな。これが」

狭い知識だと、魔法で物理攻撃ができないと思ってしまうらしい。
しかし、簡単な方法で物理攻撃ができる。

ますは、これだ。

「魔法の矢のうち、属性を火を使うとしよう。これで倒すにはどうしたらいい?」

新米先生が、率先して言う。

「分かりません」
「ちょっとは考えろ。お前、先生だろ」
「分からないものは、分からない。だから、ミーアの行動が楽しみなんです」

おかしいな、こいつもこの学校の卒業生だよな。
やり方なんて知っているはずだが。
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