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1 入学式
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いつもならみんながいる集会所に入ったら…
あれ?みんないないや。
いつもなら、がやがやわいわい、やかましいったら
それで、私が予定表を見て納得した。
今日は、入学式だったんだ。
魔法学校の入学式は、国の内外から来賓などが来る。
国民なら、誰でも見ることができる卒業式と並んで重要な式典だ。
ただし、いつも厳かな雰囲気で行われる訳ではない。
学校長が少々おかしい?こともあって、毎回なんらかの形でみんなの期待を裏切らない演出をするのだ。
それで、がやがや連中は入学式と卒業式は必ず現地へ行ってる。
わたし?
興味ないわよ。
でも、無関係じゃないけれどね。
お?
集会所の常連の男の子が1人、入って来た。
「あ、ミーア。遅刻しちゃった…ぐすん」
保護欲をくすぐられるカイルが入って来た。
どうやら、入学式ツアーに行きそびれたらしい。
「しょうがないわねぇ。私と一緒に行く?」
「行く」
「手、繋ぎましょ」
「うん」
どこにしようか迷ったけれど、一番目立つ場所にしようと思った。
「では、“転移!”」
転移先は、学校長が壇上で挨拶をしている隣。
挨拶は、まだ終わっていなかったのか。
「んんn、あ~ミーア?仕掛けがダメになったじゃないか。どうしてくれる」
「挨拶はもういいの?」
「あ」
挨拶の途中だったから、会話もばっちりマイクに入っていた。
「ほら、あそこにみんな居るから、行ってらっしゃい」
そういうと、手を離してカイルを解放してあげる。
在校生はもちろん、新入生もカイルを見てほのぼのとしている。
さすが、保護欲をくすぐるだけはある。
これで、集会所もさらに賑やかになるな。
「がっ~こう~ちょ~。私、彼に乱暴…は?」
変に長く話す1人の女性が幕の間から出てきた。
これだけで、仕掛け人ということが分かる。
まぁ、ばらしたのは、学校長なんだけれども。
「えっと、私。どうしたらいい?」
仕掛人が、この状況に戸惑っている。
それはそうだろう。
保護欲をくすぐられ、ほんわかしているところに気持ちを壊されたみんなが険悪な視線を投げているから。
「ぐす。帰ります」
仕掛け人はそういうと壇上から壇の左右正面にある階段を降りていった…が。
「きゃー、かわいい。ね、ね、名前は何て言うの」
「カイル、カイルっていうの」
どうやら、仕掛け人もカイルの魅力(?)にはまってしまったらしい。
「なんだか、カイルに全部持って行かれたな」
「そうね」
分かる。
すごく。
カイルは、かわいくて保護欲をそそられる人物。
ただし、長命種ということもあって、年齢は…考えないことにしよっと。
「学校長。私、帰るわね」
「まぁ、ミーア待ちなさい」
「なんでよ」
「副校長…」
「帰る!」
私はいち早く離脱してきました。
カイル?
ヘルプが来たら、迎えに行きます。
入学式にカイルが出席したから、これ以上の仕掛けは必要ないだろうし。
知らぬは、本人だけ。
保護欲、恐るべし。
あれ?みんないないや。
いつもなら、がやがやわいわい、やかましいったら
それで、私が予定表を見て納得した。
今日は、入学式だったんだ。
魔法学校の入学式は、国の内外から来賓などが来る。
国民なら、誰でも見ることができる卒業式と並んで重要な式典だ。
ただし、いつも厳かな雰囲気で行われる訳ではない。
学校長が少々おかしい?こともあって、毎回なんらかの形でみんなの期待を裏切らない演出をするのだ。
それで、がやがや連中は入学式と卒業式は必ず現地へ行ってる。
わたし?
興味ないわよ。
でも、無関係じゃないけれどね。
お?
集会所の常連の男の子が1人、入って来た。
「あ、ミーア。遅刻しちゃった…ぐすん」
保護欲をくすぐられるカイルが入って来た。
どうやら、入学式ツアーに行きそびれたらしい。
「しょうがないわねぇ。私と一緒に行く?」
「行く」
「手、繋ぎましょ」
「うん」
どこにしようか迷ったけれど、一番目立つ場所にしようと思った。
「では、“転移!”」
転移先は、学校長が壇上で挨拶をしている隣。
挨拶は、まだ終わっていなかったのか。
「んんn、あ~ミーア?仕掛けがダメになったじゃないか。どうしてくれる」
「挨拶はもういいの?」
「あ」
挨拶の途中だったから、会話もばっちりマイクに入っていた。
「ほら、あそこにみんな居るから、行ってらっしゃい」
そういうと、手を離してカイルを解放してあげる。
在校生はもちろん、新入生もカイルを見てほのぼのとしている。
さすが、保護欲をくすぐるだけはある。
これで、集会所もさらに賑やかになるな。
「がっ~こう~ちょ~。私、彼に乱暴…は?」
変に長く話す1人の女性が幕の間から出てきた。
これだけで、仕掛け人ということが分かる。
まぁ、ばらしたのは、学校長なんだけれども。
「えっと、私。どうしたらいい?」
仕掛人が、この状況に戸惑っている。
それはそうだろう。
保護欲をくすぐられ、ほんわかしているところに気持ちを壊されたみんなが険悪な視線を投げているから。
「ぐす。帰ります」
仕掛け人はそういうと壇上から壇の左右正面にある階段を降りていった…が。
「きゃー、かわいい。ね、ね、名前は何て言うの」
「カイル、カイルっていうの」
どうやら、仕掛け人もカイルの魅力(?)にはまってしまったらしい。
「なんだか、カイルに全部持って行かれたな」
「そうね」
分かる。
すごく。
カイルは、かわいくて保護欲をそそられる人物。
ただし、長命種ということもあって、年齢は…考えないことにしよっと。
「学校長。私、帰るわね」
「まぁ、ミーア待ちなさい」
「なんでよ」
「副校長…」
「帰る!」
私はいち早く離脱してきました。
カイル?
ヘルプが来たら、迎えに行きます。
入学式にカイルが出席したから、これ以上の仕掛けは必要ないだろうし。
知らぬは、本人だけ。
保護欲、恐るべし。
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