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8 生体兵器
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***クネウス国
「どうするのよ、こんな所まで来て」
エルデが、身体をさすりながら周囲を見渡している。
国境地帯から少し離れた場所で、国境の方を見ている。
「ここで、サニュイスとの戦闘があるって聞いた。それに活躍すれば振り向いてくれるかもしれない」
ルールは、クネウスとサニュイスの間で何かしらの戦闘が行われると掴んでいた。
本当は3人で来たかったのに、レントは来なかったから2人でこの場にいる。
「まだ遅くないから帰りましょうよ」
「大丈夫。問題ないし、サニュイスに捕まるほど無能でもない」
エルデがルールを引っ張っても全く動こうとせずに、何かを待っている。
***???
「はぁ、私もお人好しだよね。2人のこと放っておけないんだもん」
「極大魔法は無理だから、今のうちに多核魔法の展開でもしておこう」
「最大は…2,500発くらい。うーん、射程は国境を越えないとダメだよね。国境まで5km、すると10kmくらいでいいか」
独り言を言いながら、魔法を構築していく。
国境にある生体兵器の事はみんな知っている。
他国は知っていても、脅威ではないと思っている。
「10kmの一点を中心に全方位攻撃、2,500発。威力は、氷Cランク(氷結級)でいいや」
こう見えても彼女は大魔法使い。
攻撃魔法を放つことで何が起きるか分かっている。
でもあの2人のことを考える、王子のことを考える、セルカ王女のことを考えると手加減は絶対にしないと決めた。
***サニュイス・クネウス国境
魔力が薄くなり始めた。
地脈の中の魔力が少なくなっている部分が国境に近づいたのだ。
実際のところ、それは偽装だったのだが知るわけもない。
サニュイスでは20万人もの兵がこれを待っていた。
「うにゃぁぁぁぁぁ」
猫の鳴き声のようなものが国境に響き渡る。
「行け!国境を越え、王都を目指せ!!」
サニュイス軍兵が国境を越えたそのとき、どこからともなく大きな球体が飛んできた。
それは、サニュイス軍の上を通り兵が集まっている中心付近に落ちた。
ぶわっ
球体は地面に着くと同時に弾け、無数の氷玉となって周囲に広がっていく。
氷玉に触れた部分は、鎧や兜、剣が急速冷却され結果として兵は動きづらくなっていく。
また1人、また1人と倒れて動かなくなっていく。
それでも前線では国境を越えて侵攻していく。
パン
魔力がなくなった部分が来たと思ったとき、補填した魔力を包んでいたものは解き放たれた。
「みゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ」
国境壁から凄い勢いの触手が兵を捕まえ、壁の中に戻っていく。
あっという間の出来事に対処できない兵達。
国境周辺は、阿鼻叫喚の地獄と化した。
「どうするのよ、こんな所まで来て」
エルデが、身体をさすりながら周囲を見渡している。
国境地帯から少し離れた場所で、国境の方を見ている。
「ここで、サニュイスとの戦闘があるって聞いた。それに活躍すれば振り向いてくれるかもしれない」
ルールは、クネウスとサニュイスの間で何かしらの戦闘が行われると掴んでいた。
本当は3人で来たかったのに、レントは来なかったから2人でこの場にいる。
「まだ遅くないから帰りましょうよ」
「大丈夫。問題ないし、サニュイスに捕まるほど無能でもない」
エルデがルールを引っ張っても全く動こうとせずに、何かを待っている。
***???
「はぁ、私もお人好しだよね。2人のこと放っておけないんだもん」
「極大魔法は無理だから、今のうちに多核魔法の展開でもしておこう」
「最大は…2,500発くらい。うーん、射程は国境を越えないとダメだよね。国境まで5km、すると10kmくらいでいいか」
独り言を言いながら、魔法を構築していく。
国境にある生体兵器の事はみんな知っている。
他国は知っていても、脅威ではないと思っている。
「10kmの一点を中心に全方位攻撃、2,500発。威力は、氷Cランク(氷結級)でいいや」
こう見えても彼女は大魔法使い。
攻撃魔法を放つことで何が起きるか分かっている。
でもあの2人のことを考える、王子のことを考える、セルカ王女のことを考えると手加減は絶対にしないと決めた。
***サニュイス・クネウス国境
魔力が薄くなり始めた。
地脈の中の魔力が少なくなっている部分が国境に近づいたのだ。
実際のところ、それは偽装だったのだが知るわけもない。
サニュイスでは20万人もの兵がこれを待っていた。
「うにゃぁぁぁぁぁ」
猫の鳴き声のようなものが国境に響き渡る。
「行け!国境を越え、王都を目指せ!!」
サニュイス軍兵が国境を越えたそのとき、どこからともなく大きな球体が飛んできた。
それは、サニュイス軍の上を通り兵が集まっている中心付近に落ちた。
ぶわっ
球体は地面に着くと同時に弾け、無数の氷玉となって周囲に広がっていく。
氷玉に触れた部分は、鎧や兜、剣が急速冷却され結果として兵は動きづらくなっていく。
また1人、また1人と倒れて動かなくなっていく。
それでも前線では国境を越えて侵攻していく。
パン
魔力がなくなった部分が来たと思ったとき、補填した魔力を包んでいたものは解き放たれた。
「みゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ」
国境壁から凄い勢いの触手が兵を捕まえ、壁の中に戻っていく。
あっという間の出来事に対処できない兵達。
国境周辺は、阿鼻叫喚の地獄と化した。
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