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第155話 実習3 自然の罠

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「出入り口のチェックが済んだら、洞窟に入る前に回りを確認しておきなさい」

「何の意味があるんだ」

そう言って、周囲を見渡すが特に何もないように見える。

「ここは、魔法学校の中だから、特筆すべき点はないわ。でも、本当の洞窟には、特徴的なものがあるかもしれないの」

「特徴的?」

「そう、洞窟に動物や魔物が入り込んでいる場合、地面に残された足跡や木々の枝などが折れているなど、小さな変化を見ることができる。それによって、事前に対策や心構えをすることができるの」

「なるほど。迷宮では、そういうことを確認できないと言うことか」

「まぁ、迷宮に外から入り込むことはあり得るけれど、そんなに数は多くないわ」

「それで、それが終わったあとに、やっと洞窟へ入ることができるのか」

「そう、学校内にあった洞窟に入ったことがあれば、気づくと思うけれど、洞窟の中は真っ暗なの。だから、照明は必須。たいまつを焚いて、視界を得る方法があるけれど、戦闘になった際に戦力が落ちてしまうから、おすすめできないわ。魔法の照明ではなく、魔道具で照明を行う方法があるけれど、そちらが最適解よ。パーティ前列と後列の2つが理想よ」

「確かに真っ暗だ。洞窟は自然の物だから。反して、迷宮は照明があるということか」

「迷宮にも真っ暗な場所は存在しているわ。だから、用意は必要になるわ」

魔道具で照明を確保すると、トーコは数歩洞窟内に歩を進めた。
全員が洞窟内に入った形になる。

「魔道具の照明は、周囲を照らすものの反面、影を作ってしまう。これを防止するのが、同じ魔道具の照明と気流を見えるようにするものを組み合わせたものよ。」

「気流?」

「洞窟内は、通路となり得る場所に空気が流れる方向や風速が分かるの。これで、洞窟内で別の出入り口や大きい空間がある。罠の発見などの利点があるわ。もちろん、前列に陣取る形になるけれど、モンスターなどに出くわした場合は、罠がないと確認済みのフィールドまで少し後ろに下がって戦闘をすることになる。もちろん、罠師は後列に待避すること」

「その場で戦わないのか」

「その場に、未発見の罠があった場合、モンスターもろとも罠に掛かることが考えられるけれど、どうするの?前衛が罠に掛かるということは、後衛に直接戦闘能力がないと危機的状況になるわ」

「でも、武器などを使って攻撃する訳じゃないだろ。前衛も後衛も関係ないんじゃないか」

「防護魔法の強度などや短縮、無詠唱などに長けたものが前衛なの。いわば、攻撃する壁みたいなものよ」

役割分担なのかな。
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