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第141話 実習1 U字型迷宮

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「では、迷宮探索の実習に入りましょう。今回の目標は、転ばないこと…です」

今、俺、トーコ、誠、真名の4人は、迷宮の入口前にいる。
右隣には、同じ迷宮のがある。
U字型の迷宮だということは、ここに来るまでの間に先生が説明していた。

秋穂と真穂、水穂は金細工が終わった辺りで、帰還していった。

それはともかく、初めての迷宮探査。
実習だけど。

「はい」

「誠くんどうぞ」
「転ばないことって、罠があるんですか」
「その辺りは、自分で見て判断してください。ああ、テーピングは私の方でしますので、希望者は私の方へ」

テーピング?
まぁ、希望したらしてくれると言っているし、してもらおうかな。

「朝日~。私がやってあげるわよ」

あっけなく、トーコにしてもらうことになった。

2人は、先生にしてもらったらしい。

靴を履く。
運動靴っぽいもので、ファンタジー系に出てくる木彫りや布靴ではない。
兄妹も履いている。

ただし、靴底に変わった装置が取付けられている。

”姿勢修復機能付き”

はっきり言ってしまえば、なんだかよく分からない。
猫背とかの姿勢を正すものなのかと思ってしまう。
真価を発したのは、迷宮1歩目だ。

「では、入ってください。トーコさん。あなたはダメです」
「ま、そうなるわよね」

「行こう」

2人に言って、俺、真名、誠の順序。
誠と真名の順序については、兄妹で決めたらしい。

迷宮入口には、ご丁寧に白線が引かれている。
スタート地点。
そんな感じ。

白線を超え、1歩。
たった一歩目に地面が斜めになったような気がして、とっさに反対側の足に力を入れた。
すると、その反対側の靴が底上げしたような感じがして、斜めになっていた身体が水平に戻ったことにより転倒を免れた。
これは一体。

「今のが、姿勢修復機能よ。本当は、これを使ってしまうのは反則なんだよ~」

姿勢修復機能は、転倒防止機能ということだった。
そして、目標の転倒しないというのは、この機能を使わずに出口まで歩くということ。
一歩目でこれだ。
U字迷宮は、どれだけの長さがあるのだろう。
前途多難だと思った。

二歩目。
さっきとは逆側に倒れそうになる。
機能発動で、転倒しない。

慎重に進むべく三歩目。
転倒はしなかったが、左右に揺さぶられる感じがする。
さすがに、床面がおかしいと気がつく。
しゃがんで、そこを見るとコブだらけ。
コブは規則正しく配置されていない。
バラバラだ。
谷にあたる場所の大きさもバラバラだから、歩けばバランスを崩すのは当たり前だった。
共通点は、コブの頂上が丸まっていることくらい。

「コブだらけだ。コブ山頂上なら安全に歩けると思う」
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