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第105話 かかしに針

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針。
火の針。

打ってみた。
もちろん、飼育小屋に大量にあるかかしに。

“ぴんぽーん”

ドアホンみたいな音を立てて、かかしが消えた…ようだった。
最も、かかしだらけで、どのかかしに当たったのか全然見えなかったが。

「かかしはたくさんある。どんどん試して良いぞ。魔力回復も万全だ」

そんな先生のバックアップもあって、色々試してみた。

火針、雪玉、氷塊、水雷、トゲやつぶて。
途中から面倒くさくなった俺は、属性ごとのつぶてを中に打ち込んでいた。

すると、なにかを掴んだ気がした。

火…つぶてが、意識もしないのに連続で出る。
水…また、つぶてが出る。
木…トゲが連続。

あれ?
魔力量の消費が

「お、朝日できたじゃないか。自動化」
「まだよく分かりません。属性を言うだけで、つぶてが出るようになったのですが」
「まぁ、考えるとダメという部分もあるからな、あまり深く考えるな」

そうして、3人でかかしに魔法を打ちまくっていた。

無論、トーコは見ているだけである。
後ろの方で、頑張ってーと応援はしていたが。

そして、初めてのアレが出た。

『おめでとうございます。スキル集中がレベル2になりました』

「レベルが上がったということを言われた。しかも集中とか」
「お、いいのが当たったな。そのスキルは、魔法を始めとするあらゆるスキルの効果を向上させてくれるぞ」
「あらゆるスキルですか」
「そうだ。魔法だけではなく、生活魔法もそうだ。魔力操作とは違う系統だから応用すると、かなり良いレベルまで成長するだろう」

初めてのレベルアップに嬉しくなったが1つ疑問が生じた。

「スキルのレベルは1からですか?」
「レベルはな。知らないけれど、行動により経験が蓄積。蓄積したものがレベルアップになるのは、日常的にもある。なんらおかしな事はあるまい」

確かにそう言われるとそうだ。

『おめでとうございます。スキル納得がレベル2になりました』

「また、レベルアップが来ました。納得だとか」

先生は、目を隠すようにして上を向いている。

「それは、ダメスキルだ。自分で意見や考えを言わずに相手の言うがままに納得すると取得してしまう。他のスキルやステータスには影響はないが、スキル所持を相手にバレると厄介だぞ」
「なぜですか」
「こっちに聞く前に、自分で考えろ。どんどんレベルアップしていくぞ。個人のレベルは、全てのスキルレベルで最高のものになる。納得が最も高いスキルなんて恥ずかしいぞ」
「すみません」
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