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第89話 時の学園

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「魔法学校 時の学園へようこそ。ここでは、魔法について学ぶことができる。ただし、ここで直接教えられるのは、基礎だけだ。基礎よりも上のランクについては、併設されている図書館や魔騎士隊などに聞くといい。もちろん、我ら講師に聞いてもいい。大いに自らの魔法技能を向上させてほしい」

 副校長の花咲と自己紹介した人からの挨拶だった。
 人…人かなぁ。
 頭の上に一つ、花が咲いている。
 話はじめると同時に、つぼみがみるみる膨らみ、話終わると同時に咲いた。

「確かに、花咲さんだ」

 思わず声に出てしまった。

「そうね」

 トーコも同意。

 ***
 花咲副校長に教室へ誘導された。

「正式入学は、君たちの他はこの子たちだ」

 兄妹かな。
 顔付きが似ている。

「えっと、神宮じんぐう まことといいます。まことって読んでもらえるとありがたいです。妹の真名もよろしくお願いします。」

 誠くんか。
 そして、この子は、誠くんの妹さんの真名さんだね。

「お兄ちゃん。私の紹介を取らないでよ。誠兄さんの妹の神宮 真名です。よろしくお願いします」

 2人の挨拶が終わると、こっちの挨拶だなと思ったらトーコが

「初めまして、トーコっていいます。こっちは、私の旦那のアーサーっていいます。よろしくね」
「あ~なんだ、アーサーっていう。よろしくな」

 4人の挨拶が終われば、花咲先生がうんうんと頷いている。

「何も言わないのに、自己紹介をするとは良い感じだね」

 そう言うが、それは当たり前の事ではないか?
 職場でも、新しい人を向かい入れれば、名前のやり取りくらいはするだろう。
 それだけでも、自己紹介になると思うのだがな。

「席について、それでは魔法について、どのくらいの知識があるか確認したい」

 そう言うと、なんだかカルタのような物を出してきた。

 真名ちゃんが

「タロットですか」
「大きさ的には、そう見えるのだが、どちらと言えばリトマス試験紙だな」

 4種類のカードを4人の机にそれぞれ置いていく。

「まだ触らないでくれ。これに触れると、属性魔法がどの程度なのか分かる。下の部分にある○印に人差し指で触れると、色が変わっていく。変わった分だけの魔力量なのか分かる」

 4枚のカードは、赤、青、焦げ茶、緑の色がある。

「まず、赤いカードから触ってくれ」

 4人が、赤いカードの下にある○印に人差し指で触れる。
 俺の場合、○印の辺りから色が変わっていく。
 だいたい中央くらいで止まる。

 先生は、4人の変化を見ていたが、何も言わずに他の色に同じようなことをするように言った。

 4枚が終わったあたりで、もう2枚出してきた。
 なぜか、光っているものと真っ黒なものだった。
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