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第64話 首都環状線
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乗った電車の首都環状線は、主要都市を繋いでいるかなり大きい路線である。
環状線内にある駅は、なんと30。
おおよそ15分ごとに走っている。
全路線のうちの5カ所で電車の入れ替えを行っていて、入れ替えをしない電車は毎時0分に来る。
つまり、5時ちょうどに来た電車なら、1周できるということ。
ただし、約3時間かかる。
首都環状線と接続している路線は多い。
それは、仕方が無いが、その路線駅の1つに臨時駅がある。
どういう条件で止るのか分からない駅だ。
しかも、ホームがない、乗り換えのための設備もない、道路がある訳でもない。
時間調整専用と思われている不思議な駅。
当然、駅名も分からないことから、不可侵領域と言われるようになったのが、故郷へ行くための最寄り駅である。
元住民であるから知っているが、その駅から外へ出るのは、地下鉄である。
乗車してきた電車の姿が見えなくなってから、電柱にある昇降装置を使って入口操作。
開けたら、そこから地下へ降りて、電車に乗る。
乗ったら、自動で動き出し、入口は自動で閉じていく。
ちなみに、下車は電車の最後尾車両の乗務員室、車掌室に乗ることになる。電車の扉を開ける訳にはいかないからだ。ホームもないし。
ちなみに、間違えて下車すると罰が当たってしまう。
罰は婆ちゃんのお小言である。
苦痛耐性があっても、これは防げない。
「帰ってきた」
そうつぶやいたのは、乗ってきた電車が見えなくなってからだ。
既に入口開閉のための指紋認証キーナンバーは打ち込んである。
キーナンバーを打ち込んでいる際に、指紋も認証している。
血管や網膜認証もしていると言われているけれど、どれが本当なのやら。
「さて」
開いた入口から一歩中に入ると、中の全てに照明が入る。
地下鉄だが、走る車両は1両である。
しかも、車両の長さは5mくらい。
小さいが、ここから出る時も1人ずつという決まりなので、問題はない。
乗り込み、自動で動き始める。
運転手がいる訳でもない。
本当に自動運転だ。
しばらく、真っ暗な中を進み、止る。
駅に着いた。
別に終点とか言っていないが。
でも、降りない。
すると、ドアが閉まり出発した駅の方へ戻り始める。
その途中で別路線が出始める。
要はスイッチバックなのだが、最初はゲートが閉まっていて見えない。
本当の駅は、この先にある。
そして、また止る。
やっと帰ってきた、本当に帰ってきた。
また、小さく声を出す。
「ただいま」
その声に呼応するかのように、小さく
「おかえりなさい」
そう言ったのは、妹だった。
環状線内にある駅は、なんと30。
おおよそ15分ごとに走っている。
全路線のうちの5カ所で電車の入れ替えを行っていて、入れ替えをしない電車は毎時0分に来る。
つまり、5時ちょうどに来た電車なら、1周できるということ。
ただし、約3時間かかる。
首都環状線と接続している路線は多い。
それは、仕方が無いが、その路線駅の1つに臨時駅がある。
どういう条件で止るのか分からない駅だ。
しかも、ホームがない、乗り換えのための設備もない、道路がある訳でもない。
時間調整専用と思われている不思議な駅。
当然、駅名も分からないことから、不可侵領域と言われるようになったのが、故郷へ行くための最寄り駅である。
元住民であるから知っているが、その駅から外へ出るのは、地下鉄である。
乗車してきた電車の姿が見えなくなってから、電柱にある昇降装置を使って入口操作。
開けたら、そこから地下へ降りて、電車に乗る。
乗ったら、自動で動き出し、入口は自動で閉じていく。
ちなみに、下車は電車の最後尾車両の乗務員室、車掌室に乗ることになる。電車の扉を開ける訳にはいかないからだ。ホームもないし。
ちなみに、間違えて下車すると罰が当たってしまう。
罰は婆ちゃんのお小言である。
苦痛耐性があっても、これは防げない。
「帰ってきた」
そうつぶやいたのは、乗ってきた電車が見えなくなってからだ。
既に入口開閉のための指紋認証キーナンバーは打ち込んである。
キーナンバーを打ち込んでいる際に、指紋も認証している。
血管や網膜認証もしていると言われているけれど、どれが本当なのやら。
「さて」
開いた入口から一歩中に入ると、中の全てに照明が入る。
地下鉄だが、走る車両は1両である。
しかも、車両の長さは5mくらい。
小さいが、ここから出る時も1人ずつという決まりなので、問題はない。
乗り込み、自動で動き始める。
運転手がいる訳でもない。
本当に自動運転だ。
しばらく、真っ暗な中を進み、止る。
駅に着いた。
別に終点とか言っていないが。
でも、降りない。
すると、ドアが閉まり出発した駅の方へ戻り始める。
その途中で別路線が出始める。
要はスイッチバックなのだが、最初はゲートが閉まっていて見えない。
本当の駅は、この先にある。
そして、また止る。
やっと帰ってきた、本当に帰ってきた。
また、小さく声を出す。
「ただいま」
その声に呼応するかのように、小さく
「おかえりなさい」
そう言ったのは、妹だった。
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