4 / 14
4
しおりを挟む
疲れた
眠い
お腹が空いた
そんな感情すら残ってはいない。
ただ、もし出来れば、少しだけ、そっとしておいて欲しい。
もう何も考えたくないし、誰とも話したくない。
そんな気持ちを、胸の奥へと閉じ込めて、
告別式までは、どうにか乗り越えなければならない。
喪主という役割は、とてつもなく辛く、苦しい。
泣きながら選ぶ遺影の写真
平然を装って対応する電話
私に会いに来てくれた方々への対応
当日まで続く告別式の打ち合わせ
私のために対応してくれている彼に寄り添って、私はずっと、彼の隣にいた。
「今朝、妻が亡くなりました。」
これは、私が息を引き取った日に、何度も彼に言わせてしまった台詞。
感情を込めずに、淡々と告別式の日程を知らせながら、
ギュッと握る拳に、胸が痛くなった。
日中は、様々な対応に追われ、
少しだけ、気を抜けるのは、日が暮れてからだった。
彼とあの子は、日が暮れると泣いた。
私は、黙って2人を見守りながら、彼らが涙を溢すと、その頬を拭った。
『泣かないで。私は、ここにいるから。』
眠い
お腹が空いた
そんな感情すら残ってはいない。
ただ、もし出来れば、少しだけ、そっとしておいて欲しい。
もう何も考えたくないし、誰とも話したくない。
そんな気持ちを、胸の奥へと閉じ込めて、
告別式までは、どうにか乗り越えなければならない。
喪主という役割は、とてつもなく辛く、苦しい。
泣きながら選ぶ遺影の写真
平然を装って対応する電話
私に会いに来てくれた方々への対応
当日まで続く告別式の打ち合わせ
私のために対応してくれている彼に寄り添って、私はずっと、彼の隣にいた。
「今朝、妻が亡くなりました。」
これは、私が息を引き取った日に、何度も彼に言わせてしまった台詞。
感情を込めずに、淡々と告別式の日程を知らせながら、
ギュッと握る拳に、胸が痛くなった。
日中は、様々な対応に追われ、
少しだけ、気を抜けるのは、日が暮れてからだった。
彼とあの子は、日が暮れると泣いた。
私は、黙って2人を見守りながら、彼らが涙を溢すと、その頬を拭った。
『泣かないで。私は、ここにいるから。』
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
嘘つきな私が貴方に贈らなかった言葉
海林檎
恋愛
※1月4日12時完結
全てが嘘でした。
貴方に嫌われる為に悪役をうって出ました。
婚約破棄できるように。
人ってやろうと思えば残酷になれるのですね。
貴方と仲のいいあの子にわざと肩をぶつけたり、教科書を隠したり、面と向かって文句を言ったり。
貴方とあの子の仲を取り持ったり····
私に出来る事は貴方に新しい伴侶を作る事だけでした。
【完結】王太子妃の初恋
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。
王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。
しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。
そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。
★ざまぁはありません。
全話予約投稿済。
携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。
報告ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる