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EPISODE 13「質問」
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二時間後
場所 帝国カイザラルック冒険者自由組合
「あの、昨日の依頼を提出しに来たんですが……」
「あら、アメさん!昨日は全然来なかったから、心配してたんですよ?何かあったのですか?」
自由組合に来て受付カウンターに行くと、昨日のクリスティーネさんが対応してくれた。
「あ…えと、ちょっと進行中に倒れてしまって……。偶然通りかかった、お世話になってる騎士の方に助けてもらったんです」
「そうなのですか?騎士様に助けてもらえるなんて、光栄な事ですね!」
「? 騎士様に助けてもらえる事が、何故光栄なのですか?」
なぜ、騎士に助けてもらえると光栄なんだろう?
確かに助けてくれた事には感謝してるけど、光栄だなんて思わない。
「だって、騎士団の誰かに助けてもらうとその方と結ばれるっていう噂があるんですよ?女性に限らず、男性も信じている方がいるんです」
あれ、この世界ってそういうの大丈夫な世界なの?
ってかクリスティーネさん、こんなキャラだったっけ?
「あの、すみません。この帝国って、男性同士の結婚って出来るんですか?」
「……知らないんですか?」
「……すみません、世間知らずなもので」
「そうだったのですか!あぁ、そうだ。先に依頼達成の確認をさせて頂きますね。自由組合カードの提示をお願いします」
「はい」
自由組合カードを見せると、クリスティーネさんは受付嬢専用らしきカードを出して、私の自由組合カードに触れた。
ピコンッと軽い音がした後、「確認しました。こちらが報酬です」とお金を渡される。
この帝国の通貨は世界共通で日本の通貨と同じ感覚だから、直ぐに覚えられた。
ただ、呼び方は「円」ではなく「ガナ」だった。
「アイリーン、ちょっと受付お願い出来る?」
「は~い、分かりました!」
奥からピンク髪で金目の女の子が出てきて、クリスティーネさんと受付を変わり、クリスティーネさんはカウンターから出てきた。
自由組合には酒場が兼営しているらしく、一つの席に私達は座る。
「飲み物二つと何かおつまみ貰える?」
「あいよ」
クリスティーネさんは何故か飲み物とおつまみを、店員さんに頼んだ。
まだお仕事してるんだから、お酒は駄目だよ?クリスティーネさん……。
「ふふふっ、お酒は飲めないから大丈夫よ」
「え……」
「顔に書かれてたわよ?仕事中のお酒は駄目だって」
「……(表情はあまり出さないと思っていたが……。知らぬ間に出ていたようだ)」
少しして、クリスティーネさんが注文した飲み物とおつまみが来た。
彼女は「ありがとう」と礼を言って、飲み物を一口飲んだ。
「で?何が聞きたいの?」
「え? あ……えと、この帝国での同性結婚の事……ですかね……」
「同性結婚はね、この帝国だけじゃなくてどこの国でも同じなの。男性妊娠も出来るから、異性恋愛も同性恋愛も出来るのよ」
「そうなんすか……」
「他に聞きたい事はある?知ってる限りなら、答えるわよ?」
ニコニコと笑い、おつまみを食べてくクリスティーネさん。
意外とこういうの好きなのかな?
「あ~……。じゃあ聞きますけど……クリスティーネさん、そんな性格でしたっけ?」
「あの性格は初めて来た子達限定よ。普段はこんな性格ね」
初めて会った時の性格はフェイクだったか……。
初めて来た人はびっくりするだろうな。
私もしたけど。
「じゃあ……貴族の方とかは、その、恋愛結婚とか出来るんですか?」
「そうね。詳しくは知らないけど、親が決める貴族も居れば、“お前は好きな人と結ばれなさい”っていう人も居るわ。正直、私は運命の人とか憧れるわね。貴方はどう?そういうの憧れるタイプ?」
すんません、クリスティーネさん。
私はそういうのは信じないんすよ……。
「あ~……いえ、そういうのは信じないですね……。そもそもの話、僕には恋愛とか向いてないですし」
「え……?そんな美貌を持っといて……?」
「美貌って……」
何でそんな世界の絶望みたいな顔をするのだろう?
そんなに美貌じゃないでしょ、この姿……
「あ~……じゃあ別の質問」
「ハイハイ」
「その、イシス神はどのようなお方なのですか?」
「……“世界の父、イシス神よ。我等教徒は貴方の導きに深く感謝し、命ある限り生きる事をここに誓います”」
「?」
「……この世界を創ったイシス神に告げる、神聖なるお言葉よ。イシス神は数ある宗教の中で、唯一の世界共通の主神なの。だから、どこの国に行こうがイシス神の名前を聞くのよ」
「そうなんですか……」
だからインテグリン王国でも、イシスさんによく似た名前の教会や宗教があったわけだ。
……じゃあ、あの神官長が言っていた“魔王復活”ってのは?
あれは本当なのか?
今ここで聞いておくのも、一つの手かな?
「じゃあ、最後に……」
「はい」
「あの、インテグリン王国にあるイシアム教会の神官長が言ってた事なんですが……。その、“魔王復活”というのは……?」
「「「っ!?」」」
場所 帝国カイザラルック冒険者自由組合
「あの、昨日の依頼を提出しに来たんですが……」
「あら、アメさん!昨日は全然来なかったから、心配してたんですよ?何かあったのですか?」
自由組合に来て受付カウンターに行くと、昨日のクリスティーネさんが対応してくれた。
「あ…えと、ちょっと進行中に倒れてしまって……。偶然通りかかった、お世話になってる騎士の方に助けてもらったんです」
「そうなのですか?騎士様に助けてもらえるなんて、光栄な事ですね!」
「? 騎士様に助けてもらえる事が、何故光栄なのですか?」
なぜ、騎士に助けてもらえると光栄なんだろう?
確かに助けてくれた事には感謝してるけど、光栄だなんて思わない。
「だって、騎士団の誰かに助けてもらうとその方と結ばれるっていう噂があるんですよ?女性に限らず、男性も信じている方がいるんです」
あれ、この世界ってそういうの大丈夫な世界なの?
ってかクリスティーネさん、こんなキャラだったっけ?
「あの、すみません。この帝国って、男性同士の結婚って出来るんですか?」
「……知らないんですか?」
「……すみません、世間知らずなもので」
「そうだったのですか!あぁ、そうだ。先に依頼達成の確認をさせて頂きますね。自由組合カードの提示をお願いします」
「はい」
自由組合カードを見せると、クリスティーネさんは受付嬢専用らしきカードを出して、私の自由組合カードに触れた。
ピコンッと軽い音がした後、「確認しました。こちらが報酬です」とお金を渡される。
この帝国の通貨は世界共通で日本の通貨と同じ感覚だから、直ぐに覚えられた。
ただ、呼び方は「円」ではなく「ガナ」だった。
「アイリーン、ちょっと受付お願い出来る?」
「は~い、分かりました!」
奥からピンク髪で金目の女の子が出てきて、クリスティーネさんと受付を変わり、クリスティーネさんはカウンターから出てきた。
自由組合には酒場が兼営しているらしく、一つの席に私達は座る。
「飲み物二つと何かおつまみ貰える?」
「あいよ」
クリスティーネさんは何故か飲み物とおつまみを、店員さんに頼んだ。
まだお仕事してるんだから、お酒は駄目だよ?クリスティーネさん……。
「ふふふっ、お酒は飲めないから大丈夫よ」
「え……」
「顔に書かれてたわよ?仕事中のお酒は駄目だって」
「……(表情はあまり出さないと思っていたが……。知らぬ間に出ていたようだ)」
少しして、クリスティーネさんが注文した飲み物とおつまみが来た。
彼女は「ありがとう」と礼を言って、飲み物を一口飲んだ。
「で?何が聞きたいの?」
「え? あ……えと、この帝国での同性結婚の事……ですかね……」
「同性結婚はね、この帝国だけじゃなくてどこの国でも同じなの。男性妊娠も出来るから、異性恋愛も同性恋愛も出来るのよ」
「そうなんすか……」
「他に聞きたい事はある?知ってる限りなら、答えるわよ?」
ニコニコと笑い、おつまみを食べてくクリスティーネさん。
意外とこういうの好きなのかな?
「あ~……。じゃあ聞きますけど……クリスティーネさん、そんな性格でしたっけ?」
「あの性格は初めて来た子達限定よ。普段はこんな性格ね」
初めて会った時の性格はフェイクだったか……。
初めて来た人はびっくりするだろうな。
私もしたけど。
「じゃあ……貴族の方とかは、その、恋愛結婚とか出来るんですか?」
「そうね。詳しくは知らないけど、親が決める貴族も居れば、“お前は好きな人と結ばれなさい”っていう人も居るわ。正直、私は運命の人とか憧れるわね。貴方はどう?そういうの憧れるタイプ?」
すんません、クリスティーネさん。
私はそういうのは信じないんすよ……。
「あ~……いえ、そういうのは信じないですね……。そもそもの話、僕には恋愛とか向いてないですし」
「え……?そんな美貌を持っといて……?」
「美貌って……」
何でそんな世界の絶望みたいな顔をするのだろう?
そんなに美貌じゃないでしょ、この姿……
「あ~……じゃあ別の質問」
「ハイハイ」
「その、イシス神はどのようなお方なのですか?」
「……“世界の父、イシス神よ。我等教徒は貴方の導きに深く感謝し、命ある限り生きる事をここに誓います”」
「?」
「……この世界を創ったイシス神に告げる、神聖なるお言葉よ。イシス神は数ある宗教の中で、唯一の世界共通の主神なの。だから、どこの国に行こうがイシス神の名前を聞くのよ」
「そうなんですか……」
だからインテグリン王国でも、イシスさんによく似た名前の教会や宗教があったわけだ。
……じゃあ、あの神官長が言っていた“魔王復活”ってのは?
あれは本当なのか?
今ここで聞いておくのも、一つの手かな?
「じゃあ、最後に……」
「はい」
「あの、インテグリン王国にあるイシアム教会の神官長が言ってた事なんですが……。その、“魔王復活”というのは……?」
「「「っ!?」」」
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