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海外ロケとスキャンダル

僕の中に

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 後孔を指で犯されながら、内腿をキツく吸われ、陰嚢にまで舌を這わせられる。
 気持ちよさから精巣がキュッと上がり、会陰が熱くしこりだす。
 
「そんな……したら、また、僕だけっ……」

 快感を堪えようとすると、無意識に窄まりに力が入ってしまう。締め付けられた三間の指が、隘路を広げるように、ぐるりと回転する。
 指だけでもまたイキそうになってるけど。でも……。

「晴さんが……いい」
 
 涙混じりの声は、駄々をこねる子供のようで、色気とは無縁のものになってしまった。
 一気に指を引き抜かれ、全身がわななく。

 足元で下衣を下ろす衣擦れの音がし、期待の蜜が、とぷりと溢れて窄まりを濡らす。
 奥が熱くて、じんじんする。

 自ら両膝を抱え、腰を高く浮かせた恥ずかしい姿勢で、ただ、アルファの雄があてがわれるのを待っている。羞恥心は期待の底のほうに沈んでいた。
 射精欲よりもずっとずっと強く。そこを三間のもので埋められたかった。

 早く。早く――……。


「顔見てやりたい」

 そう言って、胸と膝の間に挟んでいた枕を抜き取られた。
 欲情に濡れた目と視線が絡んだのはほんの一瞬で、すぐに下へと視線が下がる。

 薄っすらと浮き出た腹筋の下。根元に怒張の筋を浮かべ、いきり勃つ雄が目に入った。
 記憶の中のものよりも立派に見えてしまうのは、一度目のときより三間が痩せたからだろうか。
 思わずゴクリと生唾を飲み込んだ僕に、三間が声をかける。

「ゴムはないけど、いいんだな?」

 一度目のときはラブホテルだったので備え付けのコンドームがあった。結局、すぐにそれは使い切り、フロントに追加を頼む時間も惜しくて繋がったため、子供ができてしまったわけだけど。
 今回は部屋に備えていないし、もちろん僕も持参していない。

「日本に帰ったら、アフターピルを飲みます」

 それが、彼が欲している返事だと思ったのだが。
 返されたのは、安堵の表情ではなかった。苦々しそうに、視線を逸らされる。

 ――なぜ、そんな顔?

 不思議に思ったのは一瞬で、考える暇は与えられず、窄まりに、怒張の先端を押し当てられた。
 指とも、自慰の時に使ったことのある道具とも、比べ物にならない質量が、熟れたふちをゆっくりと押し開いてゆく。
 痛みと緊張で、無意識に息を止めていた。

「鼻で息して。力抜け」

 そう言われても、力が入るのを自分ではどうすることもできない。
 一度目のときより痛い気がするから、抑制剤の影響はあるのだと思う。

 挿入の痛みで萎えていた性器を、ゆるゆると擦られる。

 三間と目が合う。
 僕と同じように呼吸が浅く、その顔は苦しそうで、「すまない」と言われているようにも思える。締め付けが強すぎて、彼も辛いのだろう。それでも、そんな苦しい思いをしてまで、僕の中途半端な発情期ヒートに付き合ってくれている。

 性器への刺激で少しだけ力が抜け、ゆっくりと結合が深くなっていく。

「――なつ」

 不意討ちで名前を呼ばれた。気が逸れたところを、一気に奥まで貫かれる。

「ぁああっ! っ……、ん、んんっ」

 腰がぴくんと跳ねる。

 三間が体を倒してくる。
 顔が近付いてきて、あやすように口付けされた。

 根元まで入ってしまえば、痛みはなかった。
 ただ、圧迫感は半端ない。

 上の口と下の口を塞がれ、苦しいのに。
 体中の血液が沸き立ち、心は幸福感に満たされている。

 三間が、僕の中にいる。
 僕の中に、三間が。

 そう思ったら、ひっきりなしに涙が溢れてきた。



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