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海外ロケとスキャンダル
発情
しおりを挟む重だるい熱液が、引き絞られた性器の開ききった小さな孔から噴き出していく。
腰が浮き上がり、膝がガクガクと小刻みに震える。
「ぁっ、ぁぁあッーー!――……ッ」
枕に押し付けた唇の隙間から、悲鳴のような嬌声が洩れる。
残滓まで搾り取るように竿の根元を扱かれ、鈴口を音を立てて吸われる。
今まで味わったことのない、恍惚とした解放感だった。
ただ、後ろでイッたときと違って、絶頂は長くは続かない。熱が引いていくと同時に、後孔の切なさが増していく。
そう言えば、出したものはどこに行ったんだろう。
放出後も休みなく萎えた性器を舐めまわす舌の動きに、ぼんやりとそんなことを思ったとき。
急に膝裏を抱えられ、腰が高く浮き上がった。
「え? ちょっ……!?」
会陰を濡れたもので往復され、奥の窄まりがきゅっと締まる。
その窄まりまで熱く濡れたものにねっとりと撫でられ、撫でているものが三間の舌だと遅れて理解した。
しかも、オムツを替えるときの赤ん坊のような、とてつもなく恥ずかしい体勢を取らされている。
恐る恐る枕から顔を上げると、自身の秘部に三間の顔が埋められていて――……。
「――ッ! ……ヤ、ヤ、ヤっ!…… なっ、なにして……!?」
折り畳まれた体を元に戻そうと足に力を入れるけど。射精後のせいか三間の馬鹿力のせいか、全く身動きが取れない。
「甘いな」
三間は僕の質問には答えず、円を描くように窄まりの縁をなぞりながら、そんな言葉を呟いた。
「甘い」というのが、発情期にオメガの後孔で分泌される分泌液のことだと理解し、カーっと耳まで赤くなる。
そんなことを言われた所為かはわからないけど。
自分でも、今日初めて甘い香りを感じた気がした。
鈍くなった僕の鼻粘膜でも感知できるくらい、フェロモンが濃くなっているのだろう。
オメガの甘ったるいフェロモンと、それに微かに混じる、アルファの欲情の匂い。
濃度は薄いけど。確かに、一度目のときと同じ匂いが室内に漂っている。
匂いだけじゃない。荒い呼吸や舌の動きからも、彼の興奮が伝わってくる。
三間が、発情している。僕に対して。
そのことが嬉しかった。
嬉しいけど。
今は、こんな体勢で、あんなところを舐められていることへの羞恥心のほうが上回る。
「そんな、とこっ……舐めっ……ないで!」
枕を横に放り、彼の頭を押し返そうと両側から掴む。
「欲しいんだろ? ここ慣らさねーと挿れらんねーぞ」
一度目のときのように、指で慣らせばいいじゃないか。
そう言いたかったのに。尖らせた舌を濡れた窄まりにねじ込まれたら、ふたたび枕を引き寄せ、唇を押し付けるしかなくなった。
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