74 / 156
海外ロケとスキャンダル
今回は……
しおりを挟む感触を確かめるように唇を食まれ、舌先でなぞられる。じゃれるようなキスは、すぐにまた、濃く、激しいものになる。僕も夢中で応え、唾液を啜った。
角度を変え、浅く深くキスをしながら、シャツの下に手が忍び込んでくる。
触られた場所全てが気持ちいい。特に乳首は、気持ちよさが性的な快感へと直結する。
両方の乳首を、指で捏ねられ、爪先で弾かれ、キュッと抓まれて。
「……ぁ、ふ……ンっ…………」
唇の隙間からくぐもった喘ぎが洩れた。
ぞくぞくするような快感が下へと伝わり、股間のものを痛いほどに硬くする。
前から出たものか後ろから漏れたものかはわからないけど。既に下着のお尻の部分はぐっしょり濡れていて、濡れた布が肌に張り付く不快な感触がする。
僕は三間の背中に回していた手を、彼の股間へとやった。
早くこれが欲しい。そんな意思表示で、ファスナーの開かれたデニムの内側に手を差し込み、下着越しに膨らみを撫でる。
唇を離した三間が、ふっ、と吐息で笑う。
「今回は随分と積極的だな」
その言葉に違和感を覚えたけど。何がおかしいのかはわからなかった。
万歳してシャツを脱がせられ、カーゴパンツも、濡れた下着と一緒に一気に引きずり降ろされ、足から抜かれる。
文字通り、一糸纏わぬ姿になった。
色白の、筋肉の薄い体で、細めの性器だけが、いっぱしの雄の顔をして反り返っている。
下生えは根元に申し訳程度にあるくらいで、竿は周りの肌より少し濃いめのピンク色。平常時より膨らんだ先端は欲情の色に染まり、鈴口に雫を浮き上がらせ、竿をしとどに濡らしていた。
一気に皮膚を朱に染めた羞恥は、すぐに居たたまれなさに置き換わる。
一度目のときは、ずっと後ろから繋がっていたことを思い出したからだ。
男性器を、好きな相手にこうも堂々と晒すのは初めてだった。
後ろも前も、見られるのが恥ずかしいことには違わないけど。三間は、男の体をあまり見たくないだろうと思う。一度目のときも、僕を抱きながら佑美さんの名前を呼んでいたくらいだし。
そう思って、上半身を起こし、うつぶせになろうとしたところ。「待て」と声をかけ、三間がベッドから腰を浮かせた。
ベッドの端から50㎝ほどの距離にある窓へと手を伸ばしている。その窓は、ホテルによくある、完全には開かないようアームのついた回転式のタイプになっている。
三間が窓を開け、夜になって涼しくなった風が、カーテンをさらりと揺らす。
「匂いますか?」
暑かったら冷房を入れたらいい話なので、窓を開ける理由はそれしかない。
1,524
お気に入りに追加
3,465
あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編をはじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

【完結】可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない
天田れおぽん
BL
劣性アルファであるオズワルドは、劣性オメガの幼馴染リアンを伴侶に娶りたいと考えていた。
ある日、仕えている王太子から名前も知らないオメガのうなじを噛んだと告白される。
運命の番と王太子の言う相手が落としていったという髪飾りに、オズワルドは見覚えがあった――――
※他サイトにも掲載中
★⌒*+*⌒★ ☆宣伝☆ ★⌒*+*⌒★
「婚約破棄された不遇令嬢ですが、イケオジ辺境伯と幸せになります!」
が、レジーナブックスさまより発売中です。
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる