枕営業から逃げられない

浅上秀

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おまけのバットエンド編

5話

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「でもさあ明日、こいつの死体が浮かんでも誰も困らなくない?」

とある男がカラカラと笑う。
それに続くように笑いの波紋が広がっていく。

「お、お前たち、俺にこんなことして、ただで済むと思うなよ!」

「は?まだ立場が分かってないわけ?」

笑いが収まり、冷たい空気が全員を包む。

「まぁ」

「だ、誰か、助けてくれ」

全身の穴という穴から液体を垂れ流いながら必死に助けを求める。

「おまえは何人ものその声を踏みにじった」

「楽には死なせない」



島田が目を覚ますと、自宅のベットに横になっていた。

「な、なんだ夢か」

なんだか寝汗をかいたのか全身が気持ち悪い。
シャワールームに入るために脱衣所で裸になった島田は思わず声を上げた。

「ひぃぃぃぃっ」

島田の身体にはいたる箇所に痣や痕があった。
どれもが変色しており、執拗にいたぶられたことがわかる。
その時、後ろの穴にも違和感を覚えた。
手を当ててみると、何かわからない液体が垂れてきている。

「うわあああ」

島田はシャワールームに駆け込むと、必死で洗い流した。



シャワールームからやっとも思いで這い出た島田は体が自由に動かず床でうずくまっていた。
するとどこかで島田の携帯が鳴った。
身体を引きずりながら音の出所を探す。

カバンの中からようやくスマホを取り出すと、一件のメッセージを受信していた。

「覚悟しとけ」

その一言に忘れようとしていたおぞましい記憶がすべてフラッシュバックしてきた。

「あああああああ」

島田は再び失神した。



翌日、島田はよろよろの状態で出社する。

「あ、おはようございます。島田さん」

「あ、ぁあ」

仕事もいつも通りこなしたが、だんだんと日が暮れていくにつれて、得も言われぬ恐怖に襲われた。

「お迎えにあがりました」

にこりと微笑む男には見覚えがあった。

「い、いやだ」

そのままスモークのかかったバンに体を押し込まれた。



その日から島田は毎日昼間は普通に仕事に行かされ、夜は多くの被害者たちに調教され犯された。

島田は逃げ出すことも自殺することも許されない。
日増しに狂いゆく心と身体。
彼の生殺与奪はすでに支配されているのだった。





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