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第九章 任務とクエスト

3話

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「これか」

二人はギルドを出発して、クエストにかかれていた薬草を求めて国の北東部にある森に来ている。

「どれくらい持っていくんだっけ」

マルクがグレンが手にしている依頼書を覗き込んだ。

「五十」

「そんなにいる?これだってただの傷薬になるだけなのに…」

「まぁ仕事なんだからしょうがねぇだろ」

二人は辺りに生えている薬草を積み始める。
あっという間に五十束集まった。

「終わったな」

「引き渡し行こうか」

「だな」

二人は森を出てギルドと依頼主に連絡する。

「薬草収集完了っと」

「こっちも連絡きたぞ。ここの居酒屋に来いとよ」

依頼主からはすぐに連絡がきた。
二人は店の名前もギルドに伝えると店に向かった。



夕方、二人は店にたどり着いた。

「怪しい店だな」

路地裏の奥まった場所に店はあった。

「出されたものは口にしないでおこうか」

マルクは表情を引き締める。

「おう」

二人はドアを開いて店に入る。

「いらっしゃい」

店員であるスキンヘッドに目つきの悪い男が二人を一瞥した。

「待ち合わせできたんだが」

グレンが睨み返す。

「…奥でお待ちだよ」

男は二人から目を離すとジョッキを磨き始めた。

「行こうか」

「おう」

二人は唾を飲み込んで奥に進んだ。



「ようこそ」

奥に入ると優しそうな男が二人に笑いかける。

「クエストの依頼の薬草を50束持ってきた」

「たしかに。ではこちらが今回の報酬です」

男は金の入った袋を手渡す。

「こんなに?これ一個売ったって大した金にならないだろ」

袋の中を確認したマルクは訝しげに男を見る。

「おや、察しが良いですね」

男が笑みを深める。

「何が狙いだ?」

グレンが尋ねる。

「もう一仕事、お願いしたくてですね」

「もう一仕事だと?」

「はい…少々お片付けを手伝っていただきたく」

男が一枚の紙を差し出す。

「この人物を殺してください」

「!!」

用紙を見たマルクは驚いた。

「これは…騎士団の団長じゃねーか。なんであんたがこの人を狙うんだ?」

グレンが男を睨みつける。

「それに関してお答えできることはございません」

「…何にせよ僕たちは殺しは対象外なんだ。帰らせてもらうよ。行こう」

マルクはテーブルの上に金貨の袋を戻すとグレンに声をかける。

「まぁまぁそうはおっしゃらず…ただで帰っていただくわけにも行きませんし」

男の声色が変わった。







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