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セガール1

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「ラシータ、今日は気晴らしに外に出かけよう。君の行きたいところに行こう。」 

「え?ええ。ありがとう、セガール。でも、今は特に行きたいところも欲しい者もないの。だから気持ちだけで十分よ。あなただって忙しくしているのは知っているんだから、無理はしないで?」 

「そんな悲しいこといわないでくれ、ラシータ。私が君と一緒に時間を過ごしたいんだ。頼むから一緒にどこかに出かけよう?」 

「それは…分かったわ。じゃあ、あなたの行きたいところに。」 

「ああ、ありがとう、ラシータ。」 

ここ最近、様子のおかしかった妻があの夜会で寝込んで以降、ますます顔色が悪くなっていった。 

そして私を見るその瞳からは、以前のような私を心から愛する熱が奥に押し込められ、その代わりに困惑と悲しみが見て取れた。 

そんな彼女を目の前にすると苛めたくなるから困ったものだ。

いつも幸せそうに微笑むラシータが隣にいたが、今では一生懸命に私から一線を引こうとしているのに、それでも私から離れられない彼女が隣にいるのは新鮮で、愛おしさがこみ上げた。



一緒に街に出かけて、彼女の好みはすべて把握しているので思いつくままに買い与えた後は、愛を謳う観劇を共に鑑賞し、夜は素晴らしい料理に舌鼓を打った。

その間ずっとおびえる子猫のように私と共にいる彼女を横目で見つめ、独占しているという現状に歓喜した。

そして最高級宿の一室で夜を共に過ごした。

新たな一面を見せてくれるラシータに、私の理性は限界で、部屋に入るなり本能のまま朝まで愛を注ぎ続けた。

私がラシータを独占したいがためラシータの飲み物に避妊薬を混ぜていることなど知らない彼女を。



なぜラシータが特別なのか、なぜそれほどまでに執着し欲情してしまうのかなんて私にはわからない。 

ただラシータを常に異常なまでに渇望し、彼女を閉じ込めて私がいなければ生きていけないほど依存させろと本能が訴えかけてくるのだ。 

ただ私は、自分の本能に従っているまでだ。


そして、夜会で着飾ったラシータを目にするたび胸が締め付けられるほど独占欲に襲われる私の中では理性と本能が熾烈な争いを繰り広げてしまう。。 

香水を好まないラシータからは、彼女自身の匂いがふんわりと漂い、それだけでたまらないのに、柔らかなその腰に触れているだけで、私のせいで乱れている彼女の痴態に脳が焼き尽くされそうになる。

ラシータと一緒にいたいのに大勢の前で彼女とそれ以上一緒にいるのは危険だと本能が訴えてくるのだ。

欲を今すぐに開放してからラシータのもとに戻って来いーーーと。
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