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あれからマリアージュの屋敷から何の前触れも出さずに戻ってきた私を見て、いつも冷静沈着なセガールが顔色を変えて跳んできた。

「ラシータ!迎えに行こうとしてたところだったんだ!前触れを出してくれたらよかったのに。あぁ…顔色がよくないね。」

それから有無を言わさず私を抱き上げ、夫婦の寝室まで大事なものを抱えて歩くようにするセガールを直視できなかった私は、いったい今、自分がどんな表情をしているのか不安になってしまった。

寝台に私の体を横たえたセガールは、自身の体も私の横にぴったりと横たえてそのままぎゅっと抱きしめてきた。

「愛してるよ…ラシータ…。君が倒れたと聞いて心配で、心配でたまらなかった…。」

「ごめんなさい、そんなに心配をかけてしまって…。」

「ラシータ、調子はどうだい?ああ、そのままでいいから。」

「え?…えぇ、もう元気なのに、セガールったら心配のし過ぎよ。本当にもう大丈夫なんだから…。」

「そうか。でも頼むから無理はしないでくれ。そして今回みたいなことがあれば…私は誰が止めても次こそは押し入ってでも君のそばにいると宣言するよ。」

「セガールは私…のことも…愛してくれているの?」

「も?どういう意味だ?君以外に私が誰を愛するというんだ?…ラシータ。誰に何を聞いたか知らないが、私本人が君を愛していると言っているんだ。分かったね?」

「…ええ…セガール。分かったわ…。」

ねぇ…セガール。カトレア様にも同じことを囁いてるの?
カトレア様にも…私にするように…激しい愛を捧げているの?
私に子供ができないから…?それともカトレア様と子供をもうけるつもりなの?

マリアージュには、セガールを愛しているから屋敷に帰るなんて言ったのに…
いいえ…私は本当にセガールを愛しているわ…

でも…こんなに苦しい…

「ラシータ?」

「……。」

「ああ、ラシータ…。おいで…。」

そういってセガールに抱きしめられた私は、いつもそうされると幸せで満たされるのに、満たされるはずなのに…今は拒絶したくてたまらなかった。
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