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プロローグ

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ガタタタッッ!!!

「賊だ!!賊が出たぞ!!」

「くそっ!数が多すぎる!」

「こっちだ!例の女がいたぞ!!やれっ!!っっつ!!」

グルルルッッ!!

「グレゴリー!!!」

「ギャーッ!!」

目の前のあまりの恐ろしい光景に、震えがとまらない。

どれだけの時間がたったのか。
誰かが知らせてくれたのだろうか。
騎士団が駆け付け、襲ってきた賊は全て地面に押さえつけられている。

「お嬢様!!すみません。怖い思いをさせてしまいました。お怪我はありませんでしたか?…お嬢様?」
「…っええ、あなたたちはみんな大丈夫だったかしら?」

「はい、けがをした者もいますが、命は皆助かりました。」
「良かった。あの、グレゴールが見当たらないんだけど、どこにいるのかしら?」

「っ!お嬢様…。大変申しあげにくいのですが…」
そう言って、唇をかみしめる私の護衛の顔を見た瞬間、私は馬車の外へ駆け出した。

「グレゴリー???グレゴリ――――!!」

全身の力が抜けてそのまま、倒れこむ様にその大きな体にしがみついた。

その日、私はその悲しみの慟哭を最後に、声を失った―。
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