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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会無制限部門前篇 その25

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 俺たち家族は全員、それぞれ休人が二回戦の相手となっていた。
 俺の場合は飛行戦を得意とするタイプ、相手にとって不足なし。

≪それでは、二回戦開始!≫

 特段語るべきことも無く、俺の試合は幕を開く。
 それと同時に対戦相手は空を飛び、空からの攻撃を──

「──墜ちなさい」

「カヒュッ」

 始める前に、“ニュートンの林檎”起動。
 これまでの試合から飛ぶ機動は完全に読まれており、ピンポイントで脳内に重力魔法が作用する。

 空を飛べば、三次元に動くならと高を括っていたのかもしれない。
 結果、脳の防御を怠っていた対戦相手は、そのまま地面に落下し──

≪じょ、場外……試合終了! 何ということでしょう、僅か数秒! 勝者ノーネーム!≫

「…………なんだが、すみません」

 頭の打ち所が悪かったのだろう、そのまま死亡判定となり舞台から強制排出となった。
 残された俺は呆然としつつ、ある一つの結論に至る。

「──やっぱり、『林檎』は危険ですね」

 高度な演算が必要になるとはいえ、相手の動きさえ読めれば移動中だろうと使えるのがこの術式最大の特徴。

 今回のように空を飛んでいる、あるいは高速で動いている状況で、この術式が成功すると相手の自滅を誘うことができるのだ。

 無論、先に語った通り脳内に防御を施していれば防ぐことは容易である。
 それでも、俺以外の誰かがこの術式を使えば危険性はさらに高まるだろう。

「……『魔天』、それに『魔匠』かな? かなりヤバいだろう」

《防御無視の効果が魔力防御にも作用するのであれば、術式は必ずや効果を発揮することでしょう》

「オリジナルだからまだ何とかなるけど、似たような術式を誰かが開発してばら撒き始めたら詰むな。数人程度とはいえ、大量殺人ができる連中の誕生だ」

 ちなみにだがこれ、魔物だとまた勝手が違う面倒な仕様。
 内部構造が人に近しいならまだしも、さすがに血が通ってない個体などはな……。

 一番効果を発揮するのが人族、というだけで普通に重力系の術式としても使えるけど。
 …………それならそれで、もっと便利なモノがたくさんあるからな。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 俺の試合がこうだったので、まさかと思っていたが……その通りだったようだ。
 ショウ、マイの試合もまた、同様に苦戦することなく勝利していた。

「相性、の問題だったかな。ショウの相手は魔法剣士タイプだったし、マイの相手は純粋な盾職だったし……その上位互換のショウ、それ以上に強いアタッカーが無数に居るマイが相手だとなぁ」

 そんなこんなで、翌日には三回戦である。
 ここより先、もう逸脱した連中を含め厄介な奴らばかり……同じことはもう起きない。

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