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DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会開発技部門 その23
しおりを挟む自爆特攻スタイルに切り替え、不意の一撃で片腕を奪った。
それでも余裕そうなジーヂーを前に、嫌な予感がしないでもない。
「さて、どうするかのぅ」
まるで晩御飯は何か、と考える程度の軽さで呟くジーヂー。
だがソレとは裏腹に、力強く踏み鳴らした足によって舞台に変化が。
俺も模倣した“地裂脚”を使えば似たことはできるのだが、違うのはその規模。
籠めたエネルギーを拡散する“地裂脚”に対し、ジーヂーのソレは一点集中の様子。
ゆえに影響はごく一部分のみ、地面は刳り貫かれ──円柱を形成していた。
容易く行ったように見える舞台の破壊、だがそれは並大抵のことでは成し得ない出力。
超硬度を誇る舞台の一部を持ち上げ、腕をスパスパ動かす。
すると100%石材で出来た、武器のようなナニカが切り出された。
「……まあ、これで良かろう」
「それは……武器、なのでしょうか?」
「むん? これもまた、儂の門下生になれば分かることじゃぞ」
「……いえ、遠慮しておきましょう」
最悪を想定するならば──あれらは武器として武技も使えるだろうし、ジーヂーの腕力というか筋力もとい攻撃力があれば、余裕で振り回せるに違いない。
「まあ、やることは変わりませんからね──“双身之秤”」
「ぐぅ……これは、何とも」
「ははっ。申し訳ありませんが前回同様、少し卑怯な手で勝たせてもらいますよ」
それは『愚かな賢者』から貰っていた、禁忌の術式の一つ。
対象と身力・能力値を共有し、使いようによっては死に至らしめる危険な術式である。
過去、奴隷から枯渇するレベルで身力を吸い上げて術式の行使などをしていたらしい。
だが休人ならば死んでも気にしないヤツが多いし、今なら使うヤツも多いかもな。
さて、そんな術式だが一方的に押し付けることは難しい。
了承があれば別だが、最低限互いに掛けるモノを均等にする必要がある。
ここで用いるのは“孤独蟲毒”によって手に入れた、それなりの能力値。
それをすべて帳消しにする代わりに、部分的に共有を強要する。
「……『えいちぴー』が減っておるわい」
「私の爆発が収まらない限り、いつまでも永遠に続きますよ?」
一度『人間爆弾』が爆発すれば、意識的に中断するまで爆発し続ける。
常人ならともかく、自傷ダメージが死亡状態にするため発動条件を満たすからな。
結果、唯一共有している生命力のマイナス分を調律するためジーヂーから根こそぎ有り余る分を奪い取っている……実は生命力、他の部分よりも共有の強要がしやすい。
システム的なアレコレがあるのだろうが、普通は原人でも休人でも(一時的に)0になれば死ぬ概念だからな。
命を賭け皿に置くからこそ、それに見合う結果が出しやすくなっている。
…………たとえ乗せた命が、ぺらっぺらな紙皿以下に軽いものだったとしても。
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