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DIY、とにかく戦い続ける

闘技大会部門決め 後篇

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 万能執事『SEBAS』にもできないことが一つ、それは運営が手掛けたアイテムを解析して複製すること。

 理、というかそれ自体が絶対不変レベルで干渉不可能な域に達しているようで。
 マザーAIを超えるまで、『SEBAS』の飽くなき挑戦は続いていくのだろう。

「さて、投票をするとしますか……VIPはこうして、タブレット端末で投票できるのがいいよな」

 現実にもよくあるノートサイズのタブレット端末。
 それを少し弄れば、受付で休人たちが眺めているであろう画面が表示される。

 記されているのは、かつて闘技大会として繰り広げられた戦いの記録。
 様々な縛り、ルールによって行われたかが上位入賞者と共に。

「……俺の名前はきちんと、当時の偽名で出してくれているな」

 かつて、俺はツクルとしてではなく異なる名前──『アンノウン』、『ゴンベエ』として闘技大会に出ている。

 オンゲーでの名前は基本的に固定している身なので、分からないよう細工をしていた。
 戦闘スタイルでバレることは無い……俺はいつも、ランダムの結果でバラバラだしな。

「それにしても、うちの家族の名前が多いは多い……みんな複数回じゃないか」

《幅広いジャンルで縛りを設けているからこそ、ですね。戦闘スタイルは千差万別なので少数の分野もございますが、母数が多いからこそ参加者は必ず一定数を超えるようです》

「分野によっては、闘技大会での活躍を見て増えたりするんだろうな。それともう一つ、アイデア投票枠だな……」

 過去のルールを復刻させるアンケートにく加え、空白に入力する形で存在するアイデアの募集枠。

 特に何も記述は無く、ただ『新しい制限のアイデア』とだけ。
 詳細は書かないことで、こちらの記述に至高の制限を設けないのかもしれない。

「とりあえずは復刻の方だな……このルリが優勝した回復反転って、アイテムでの回復もありなのか?」

《問題は無いでしょうが、投擲よりも回復魔法の移動速度の方が早いでしょう》

「いやまあ、そうなんだけどな……回復の反転がこういうルール下じゃなくても可能ならどうなるか、気になったんだよ」

《なるほど。過去の記録によると、どうやら回復の内容で効果も変化するようですね。通常の回復ならばダメージ、状態異常の回復ならば対応する状態異常の発生、魔力の回復であれば相手の魔力減少などですね》

「……頑張ればこれでもできると思うけど。ルリの独壇場になるし無しだな。さて、投票していきますか」

 その後、いくつか案を出してはそれについて『SEBAS』と語り合い……それぞれの投票を済ませるのだった。

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