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DIY、コネ就職を求める
第一回職業解放後篇 その08
しおりを挟む≪水の魔法と雷の魔法の合わせ技! どうやら今回の挑戦者は、大魔導士様のようだ! 第一波はあっさりと防いだ、ならば次は何を見せてくれる!?≫
海水をばら撒き、微弱な電気を放った。
それがあら不思議、轟雷と化して出現していた魔物すべてを電気熱で焼き尽くした。
同様の、また段階ごとに強くなる魔物を相手にしなければならない。
……まあ、ずっと相手にしなくても突破できるので、途中で切り上げるけども。
《第二陣、来ます》
「──“神持祈祷:ヘビーウェポン”」
武器を重く、正確には武器の質量を重くする『プログレス』。
杖を消し去り、今の俺は素手の状態──代わりに[インベントリ]から大槌を取る。
「『巨槌[星砕き]』、こちらでお相手するとしましょう」
何十種類もの鉱石を層で重ね、技術により確立させた代物。
星具ではない、だがそれ以上にとんでもない威力を出すことができる。
そこに『ヘビーウェポン』による質量の増加が加わることで、ただでさえ名前に相応しいだけの威力を出せる大槌が、更に強化されることになる──ただし、非常に重い!
「重さは力、力は……何でしょうね。ともあれ、スキルなんて無くとも、ただただそこに重ささえあれば──そいやっ!」
平時、肉体を包む結界の一部が反重力の性質に変化。
加えて『ヘビーウェポン』自体が備える重力操作能力で、質量はそのままに軽くなる。
結果、大槌はATK1以下、STRもそれ未満の非力な体であっさりと持ち上がった。
武技もスキルも必要ない、ただこれを更なる重力操作で下に叩きつけるだけ。
するとあら不思議、殴った拳が自らを傷つけるような脆弱ボディでも、迷宮でなければ何もかもが破壊し尽くされるような暴力的なまでの結果を生み出せる!
「……おっと、やり過ぎましたね」
《第二陣、殲滅を確認しました》
「外だとあまり使えないんですよね、主に被害が甚大過ぎて」
最悪、『騎士王』が出向いて処理されるレベルのヤバさなのだ。
迷宮としての不壊性を持っていなければ、この船も神代魔道具だろうと破壊できた。
だからこそ、それだけの破壊力を秘める子の武器は使う場所を選ばされる。
異空間や亜空間など、世界に影響を及ばさないよう隔離された場所でのみ使えるのだ。
なお、だからと言ってその空間が無事というわけではない。
現に迷宮であるこの階層も、至る所に大きな亀裂が生まれている。
「……これ、持ちますかね?」
《問題無いでしょう。見た目こそ旦那様の一撃で荒れておりますが、それはあちら側も想定済み。すぐに修復され──こうなります》
「うん、次が来ますね」
さて、賭けられた結果の中で、第三陣で止めるのがベストな選択。
上手く振る舞って、次の階層へ向かわねばならないな。
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