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DIY、捌いて裁く
プログレス問題 後篇
しおりを挟む最近、よく問題事の原因になっているらしい『プログレス』への対策。
その辺を『騎士王』に伝え、周りにも宣伝してもらうことに。
なんだかマッチポンプ染みているが、すべては失名神話(仮)のため!
神の行いならば許される……とは思わないけれど、多少は許してもらいたい。
「さて、話を戻そう……マイナスなことばかり話していたが、プラスな面もある。そちらが挙げた話題通り、固有職の中でも最上位の職に就く者が増えている」
固有職とは超級職と極級職の総称。
前者は数人が就くことができるが、後者はただ独りのみが就くことができる。
就くために試練が必要など、非常に面倒なのだが……その利点は二つ。
一つは単純に強い、職業補正や職業能力が上級職とは段違いである。
そしてもう一つ──固有職は、職業の合計レベルの制限に引っ掛からない点だ。
正確に述べるならば、職業ごとのレベル制限はあって超級職はそこに引っ掛かる。
しかしながら、個人の限界としていちおう存在する合計レベルの制限には掛からない。
なお、いちおうと称したのは限界突破スキルから派生させたスキル、職業限界突破があれはその枷が失われるので……まあ、それもそれで難しいんだけど。
加えて説明するなら、極級職の方は元より成長に限界が無いチート仕様。
レベルは上げれば上げるほど強くなり、無限の強さを就職者にもたらすだろう。
「『プログレス』により、試練を突破しやすくなったというのが要因だ。中には、複数の固有職に就いた者も居る……が、今はまだ静観を続けるつもりだ」
「その、よろしいのですか?」
「あまり好ましくは無い……が、前例が無いわけでは無い。休人が……死んでもその職を解放しない者が就いたというのは、あまり良くは無いがな」
まあ、『騎士王』というか権限の持ち主に掛かれば職業の強制退職も可能だしな。
休人だけに優しい世界でも無いので、やり過ぎれば相応の制裁が下る。
だからこそ、俺は自重しているのだ。
……そう、俺は子供たちやルリのように派手なことはやっていない!
「『プログレス』については、まあ今の所その程度に落ち着いている。だが、更なる問題が起きようものなら……『生者』、貴公にも協力してもらうぞ」
「ええ、構いませんよ」
「……やけに素直だな」
「それはこちらにも利がありますので。どうしても、というときはご一報ください」
問題を起こせる『プログレス』は、どれも優秀な能力に目覚めていることだろう。
知らなくても使えるが、実際に使っている姿を見ておきたい……ふっ、目論見通りだ。
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